第7話あらすじとネタバレ
陸安然(りく・あんぜん)が突然毒に倒れ、沈蘭溪は悲嘆に暮れる。自分が作った桃酥(とうそ)で娘を害するはずがない。陸軽舟(りく·けいしゅう)ももちろん沈蘭溪の無実を信じる。冬青(とうせい) と霊犀(れいせい)は、今日陸欣然(きんぜん)と柳鳴玉(りゅう・めいぎょく)が訪ねてきたことを証言し、柳鳴玉(りゅう・めいぎょく)が観音像に毒を仕込んだのではないかと疑う。沈蘭溪は深く傷つき、柳鳴玉(りゅう・めいぎょく)が自分だけでなく安然までをも害したと責める。
冬青(とうせい) は念のため観音像を取り出し、その場で調べることにする。陸欣然(きんぜん)は慌てて跪き、全ての責任を翠姑(すいこ)に押し付ける。しかし、冬青(とうせい) が観音像を割ってみると、中には何も入っていなかった。実は、本物の観音像が壊れた後、陸安然(りく・あんぜん)は柳鳴玉(りゅう・めいぎょく)を欺くため、全く同じものを新しく買い求めていたのだ。
柳鳴玉(りゅう・めいぎょく)の自白とも取れる状況に、陸軽舟(りく·けいしゅう)は激怒し、彼女を部屋に引きずり込み鞭打って毒薬の事を問い詰める。しかし、柳鳴玉(りゅう・めいぎょく)は娘を王妃にするため、断固として秘密を明かそうとしない。迎親の行列が到著しようとしているのに、陸安然(りく・あんぜん)は生死の境を彷徨っている。そんな中、陸欣然(きんぜん)は姉の代わりに嫁ごうと婚礼衣装を著て現れる。陸軽舟(りく·けいしゅう)は彼女の軽率な行動を叱責するが、陸欣然(きんぜん)は父に、自分が嫁がなければ陸家は全てを失うと迫る。さらに、穆沢と穆川(ぼく・せん)に疑念を抱かせないよう、霊犀(れいせい)に一緒に嫁ぐよう頼む。霊犀(れいせい)は陸家を守るため、仕方なく同意する。
穆川(ぼく・せん)は迎親の隊列を率いて到著するが、霊犀(れいせい)の姿を見て特に疑いを持つことはなかった。しかし、予想外のことに、瀕死の柳鳴玉(りゅう・めいぎょく)の前に陸安然(りく・あんぜん)が現れる。棺桶も既に用意されており、柳鳴玉(りゅう・めいぎょく)は今度こそ陸安然(りく・あんぜん)は死ぬだろうと思い、陸欣然(きんぜん)が王妃になれば自分の命も助かると考えていた。しかし、陸安然(りく・あんぜん)の言葉は柳鳴玉(りゅう・めいぎょく)を地獄に突き落とす。穆沢が利用価値のない、自分を騙した女を助けるはずがないこと、そして陸欣然(きんぜん)にも辛い日々が待っていることを、柳鳴玉(りゅう・めいぎょく)は悟る。
実は、陸安然(りく・あんぜん)は柳鳴玉(りゅう・めいぎょく)が毒を盛ったことを知っており、穆川(ぼく・せん)から手に入れた毒薬とすり替えて、自分の命を賭け柳鳴玉(りゅう・めいぎょく)を追い詰めていたのだ。翊王(よくおう)が婚礼を邪魔しようと兵を率いて乗り込んでくるが、穆川(ぼく・せん)に撃退される。婚礼の夜、陸欣然(きんぜん)は自ら穆沢に抱きつこうとするが、それがかえって穆沢の疑念を招き、正体を見破られてしまう。陸欣然(きんぜん)は陸安然(りく・あんぜん)が既に死んでいることを認め、身代わりになることを申し出る。穆沢としても他に選択肢はなかった。穆沢は陸欣然(きんぜん)に、陸家で主導権を握れなければ、王府でも早死にさせると警告する。
穆川(ぼく・せん)は偶然霊犀(れいせい)が落とした匕首を見つけ、彼女を呼び止める。霊犀(れいせい)は涙を流しながら穆川(ぼく・せん)に、陸安然(りく・あんぜん)が既に亡くなっており、自分もあの女と道連れに陸安然(りく・あんぜん)の仇を討つつもりだと告げる。穆川(ぼく・せん)は霊犀を慰めた後、陸安然(りく・あんぜん)の元へ馬を飛ばす。もし陸安然(りく・あんぜん)に本当に何かあれば、犯人を絶対に許さないと誓って。
一路駆け抜けた穆川(ぼく・せん)は、疲れ果てて地面に座り込み、目を閉じて陸安然の名前を呼ぶ。彼女に会えたら、自分にご褒美をあげようと心に誓う。その時、陸安然の声が聞こえ、穆川(ぼく・せん)が遅いと言う。穆川(ぼく・せん)が目を開けると、目の前に陸安然がいる。しかし、喜ぶ間もなく、彼女は姿を消してしまう。
穆川(ぼく・せん)は焦燥感に駆られ、陸安然の名前を叫ぶ。彼女が再び現れた時、穆川(ぼく・せん)は彼女に触れることさえ恐れた。彼女がまた消えてしまうのではないかと。頬を伝う涙とともに、これが陸安然との最後の別れではないかと不安に駆られる。
第8話あらすじとネタバレ
瀚京(かんけい)から蘇州までは、昼夜兼行でも三日かかる道のりです。陸安然(りく・あんぜん)は、自分の死の知らせを聞いた穆川(ぼく・せん)が必ず駆けつけると予期し、衫越(さんえつ)に穆川(ぼく・せん)へ渡す手紙を託していました。しかし、穆川(ぼく・せん)の焦りは誰の予想をも超え、不眠不休で馬を走らせ、なんと二日で蘇州に到著しました。ところが、目的地に近づくにつれ、穆川(ぼく・せん)の足取りは重くなり、田んぼの間を彷徨い、深い 憂鬱に沈み、言葉少なになっていました。それを見た人々は、彼が心を病んでいると思い、慌てて陸安然(りく・あんぜん)に知らせました。憔悴しきった穆川(ぼく・せん)の姿を目にした陸安然(りく・あんぜん)は、胸が締め付けられる思いでした。
突然現れた陸安然(りく・あんぜん)を見て、穆川(ぼく・せん)は驚き、後ずさりしました。まるで、道中で何度も見た幻のように、彼女が消えてしまうのではないかと恐れたのです。そんな穆川(ぼく・せん)の姿に、陸安然(りく・あんぜん)は心を痛め、涙が頬を伝いました。彼女は穆川(ぼく・せん)に歩み寄り、彼の手に自分の手を重ね、確かに自分がここにいることを伝えました。
穆川(ぼく・せん)を慰めるため、陸安然(りく・あんぜん)は焼き魚を作りました。陸安然(りく・あんぜん)と共に過ごす中で、穆川(ぼく・せん)は安らぎを感じ、いつの間にか眠りに落ちていました。寝顔を見つめる陸安然(りく・あんぜん)は、彼への愛を語り、自分の著物をそっと穆川(ぼく・せん)に掛けました。その後、陸安然(りく・あんぜん)は家に帰り、両親に別れを告げ、澹(たん)州へ向かうことにしました。表向きは水害の調査ですが、実際は穆澤(ぼく・たく)も自分が生きていると知るのも時間の問題だと分かっていたからです。穆澤(ぼく・たく)に会う前に、食糧横領事件の真相を明らかにし、彼に説明しなければなりませんでした。同時に、陸家の危機を救うためにも、慶(けい)王府に潜入する必要がありました。
陸安然(りく・あんぜん)は冬青(とうせい) に穆川(ぼく・せん)への手紙を燃やすよう指示し、ひっそりと出発しようとしました。しかし翌朝、馬車に乗り込もうとしたところ、車内にはすでに穆川(ぼく・せん)の姿がありました。衫越(さんえつ)が事前に彼に伝えていたのです。穆川(ぼく・せん)は、長年の水害の解決策を探していると言い、自分も澹(たん)州へ同行したいと申し出ました。陸安然(りく・あんぜん)は断る理由が見つからず、同意しました。
澹(たん)州に著くと、陸安然(りく・あんぜん)は前世の記憶を頼りに調査を始め、高承賢(こう・しょうけん)が実際に救済食糧を著服していることを突き止めました。彼女はすぐに陸家の食糧で救済活動を始め、水利施設の修復も計画しました。そのために、清河幇(せいかほう)の協力を得ようと考えたのです。穆川(ぼく・せん)は清河幇(せいかほう)の沈幇主と旧知の仲であり、二人は共に交渉へ向かいました。
ところが、陸安然(りく・あんぜん)は沈幇主を高承賢(こう・しょうけん)と結託して悪事を働いていると、いきなり糾弾しました。前世の記憶ではそれが事実であり、しかも陸安然(りく・あんぜん)が彼に内通者を暴露したのですが、今の沈幇主は信じず、むしろ陸安然(りく・あんぜん)が仲たがいさせようとしていると考えました。陸安然(りく・あんぜん)は、朝廷から派遣された調査員が異常に気づけば、沈幇主も共犯の疑いをかけられると警告しました。
宿に戻ると、陸安然(りく・あんぜん)は落ち著いていましたが、穆川(ぼく・せん)は先ほどの出来事をしきりに謝り、冬青(とうせい) から陸安然(りく・あんぜん)が書いた手紙を受け取りました。穆川(ぼく・せん)はその手紙を宝物のように大切にしましたが、陸安然(りく・あんぜん)はそれがラブレターだと勘違いし、嫉妬しました。
陸安然(りく・あんぜん)は穆澤(ぼく・たく)が自分の「死因」を調査させていることを知っており、実家へ手紙と穆澤(ぼく・たく)から贈られた玉佩を添えて送りました。手紙の中で、自分は毒に侵され、澹(たん)州で治療を受けなければならないと書き、穆澤(ぼく・たく)との再会を願う言葉も添えました。穆澤(ぼく・たく)が手紙を読んだ後、皇帝の勅命が届き、澹(たん)州へ赴き、救済食糧の問題を調査するように命じられました。穆澤(ぼく・たく)は陸安然(りく・あんぜん)への興味をさらに深め、彼女には未来が見えるのではないかと考えるようになりました。
澹(たん)州に著くとすぐに、穆澤(ぼく・たく)は陸安然(りく・あんぜん)からの手紙を受け取りました。彼女は一歩一歩、穆澤(ぼく・たく)を救済食糧横領の真相へと導いていきます。そして、この真相こそが、彼女が穆澤(ぼく・たく)に贈ろうとした贈り物であり、彼が受け取らざるを得ない重い責任でもありました。
コメントする