第3話あらすじとネタバレ
良妃自ら病床の皇帝の看病をし、薬を飲ませていると皇帝は突然吐血し、その場で崩御した。皇帝の通夜で、穆澤(ぼく・たく)は唯一の肉親である穆川(ぼく・せん)を強く抱きしめ、兄弟は声を殺して涙を流し、深い悲しみに暮れた。
陸安然(りく・あんぜん)は昏睡状態から目覚め、夫の陸昀(りくいん)が既に埋葬されたことを知り、悲しみに打ちひしがれた。三日後、穆澤(ぼく・たく)が即位することになり、彼の帰還を聞いた陸安然(りく・あんぜん)は裸足で駆け出し、彼の胸に飛び込んだ。穆澤(ぼく・たく)は命に代えても家族を守り、陸安然(りく・あんぜん)を二度と傷つけないと誓った。
即位の大典後、穆澤(ぼく・たく)は陸安然(りく・あんぜん)と共に生母の墓参りをした。陸安然(りく・あんぜん)は穆澤(ぼく・たく)が仁愛ある君主になると信じた。三年後のこの日、陸安然(りく・あんぜん)の誕生日、穆川(ぼく・せん)は花火を持って祝いに駆けつけ、穆澤(ぼく・たく)も政務を置いて妻に寄り添った。花火が打ち上がる中、陸安然(りく・あんぜん)は穆澤(ぼく・たく)に妊娠を告げ、彼を喜びで満たした。
しかし、二ヶ月後、忠実な姜太医が不可解な死を遂げ、その前には太后も原因不明の病で亡くなっていた。穆川(ぼく・せん)は母の死因を調査し始めたが、真相に辿り著く前に姜太医が殺害された。穆川(ぼく・せん)は裏で誰かが糸を引いているのではないかと疑い、穆澤(ぼく・たく)に問いただした。しかし、それは新帝の怒りを買い、穆川(ぼく・せん)は幽閉され、君臣の礼は兄弟の情よりも重いと言い渡された。
このことを聞いた陸安然(りく・あんぜん)は、穆澤(ぼく・たく)が変わってしまったことに気づき、穆川(ぼく・せん)を見舞うことにした。穆川(ぼく・せん)は当初真相を明かそうとしなかったが、妊娠中の陸安然(りく・あんぜん)が真相究明にこだわる様子を見て、自分の疑念を打ち明けた。
宮殿に戻った陸安然(りく・あんぜん)は、穆澤(ぼく・たく)から穆川(ぼく・せん)との関係を疑われ、憤慨した。天に誓って潔白を主張し、穆澤(ぼく・たく)に帝位を正しく得たことを証明するように求めた。この言葉は穆澤(ぼく・たく)の逆鱗に触れ、彼は陸安然(りく・あんぜん)を平手打ちし、増長していると叱責し、二度と無礼なことを口にするなと警告した。
陸安然(りく・あんぜん)が絶望に暮れていると、蕭驚雀(きょうじゃく)の息子、麟児が折り紙のうさぎを届けた。このうさぎは、亡くなった娘の毓児(いくじ)を思い出させた。陸安然は全て蕭驚雀(きょうじゃく)の仕業だと考え、彼女を問い詰めた。そこへ蕭映(しょう・えい)が現れ、穆澤(ぼく・たく)が蕭驚雀(きょうじゃく)による毓児(いくじ)的死を知っていたこと、そして帝位のために翊王(よくおう)を陥れ、陸昀(りくいん)の死にも繋がった真相を暴露した。
全てを知った陸安然は大殿に向かい、穆澤(ぼく・たく)を問い詰めた。その時、穆澤(ぼく・たく)は朝堂で陸家一族の処刑を命じようとしていた。問い詰められた穆澤(ぼく・たく)は全てを認め、かつて陸安然を心から愛していたと告げた。絶望した陸安然は穆澤(ぼく・たく)から贈られた玉佩を投げ捨て、一人で立ち去り、吹雪の中で倒れ、流産してしまった。
目覚めた時、傍らには涙を流す霊犀(れいせい)だけだった。子供は既に失われ、陸家は滅門の危機に瀕していた。陸欣然(きんぜん)がやって来て、霊犀(れいせい)は助けを求めたが、陸欣然(きんぜん)は蔡望津(さい・ぼうしん)と共謀して陸家を陥れていた。陸欣然(きんぜん)は高貴な生まれでありながら全てを失った陸安然を嘲笑い、彼女の母親を殺したのは自分だと告白した。
処刑場では、陸家一族が処刑され、穆川(ぼく・せん)も賜死を命じられた。同時に、陸安然は赤い衣装を身につけ毒酒を飲み、無念の死を遂げた者たちと共に逝くことを決意した。彼女は部屋に火を放ち、燃え盛る炎は皇権富貴の虚しさを象徴していた。
突然の轟音が陸安然の思考を遮った。それは新型爆弾の実験成功の音だった。霊犀(れいせい)は明日行われる笄礼の準備を思い出させようと声をかけたが、陸安然は自分の世界に閉じこもり、周りの声に耳を貸さなかった。
第4話あらすじとネタバレ
陸安然(りく・あんぜん)は、笄(こうがい)の儀の前日に重生したことに気付いた。船の襲撃事件を知っても軽率な行動はせず、冷静に様子を見て水雷で穆澤(ぼく・たく)に対処しようと計画する。しかし、あの見覚えのある顔が再び現れた瞬間、復讐心に駆られた陸安然(りく・あんぜん)は衝動的に行動を起こすが、穆澤(ぼく・たく)に捕らえられてしまう。この時、彼女は確かに重生したと確信するが、それを隠すため、全ての記憶を隠し、穆澤(ぼく・たく)をただの侍衛のように扱い、家に招き入れることさえしなかった。
蔡望津(さい・ぼうしん)は、陸安然(りく・あんぜん)の様子から彼女の身分を疑うが、その傲慢な態度から、今後の陸家における彼女の立場を考えると、懐柔するのは容易ではないと考えた。
家に帰った陸安然(りく・あんぜん)は、母の安否を心配していた。無事な母の姿を見て、安堵のあまり涙を流す。母、沈蘭溪は、陸安然(りく・あんぜん)の耳を軽く引っ張るが、その反応を見て強く引っ張りすぎたと思い、慌てて手を離した。その時、弟の陸昀(りくいん)が顔に痣を作って帰って来る。どうやら喧嘩をしてきたようだ。陸安然(りく・あんぜん)は、もう彼に戦場に行くよう説得することはなく、陸昀(りくいん)は少し落胆した様子だった。
母の咳が止まらないのを見て、陸安然(りく・あんぜん)は急いで侍女の灵犀に医者を呼びに行かせ、自ら母の脈を診て、薬滓を調べた。程なくして、陸欣然(きんぜん)と柳鳴玉(りゅう・めいぎょく)が訪ねてくるが、二人の言葉に隠された嫌悪感を感じた陸安然(りく・あんぜん)は、彼女たちとの関係をすぐに清算しようと決意する。特に、笄の儀で着るはずの晴れ着を見た時、前世でそれを着たことで紅疹が出たことを思い出し、陸欣然(きんぜん)を呼び出した。
笄の儀当日、陸安然(りく・あんぜん)は過去の栄光を思い出すと同時に、陸延の嫌がらせも思い出した。そして今回、彼女は陸延が柳鳴玉(りゅう・めいぎょく)と密会しているのを目撃する。新しい衣装を身につけた柳鳴玉(りゅう・めいぎょく)を陸安然(りく・あんぜん)は親しげに自分の傍に招くと、すぐに紅疹が現れた。
儀式で、陸軽舟(りく·けいしゅう)は双魚令牌を生誕の贈り物として陸安然(りく・あんぜん)に渡し、全てを彼女に委ねると宣言した。陸延が何か言おうとした瞬間、陸安然(りく・あんぜん)はそれを遮り、陸延が私蔵していた品を暴露し、彼をその場で追放した。穆澤(ぼく・たく)は陰ながらこの全てを見ていた。
陸欣然(きんぜん)の顔にも紅疹が出て、彼女は面紗で顔を隠していた。陸安然(りく・あんぜん)は、蔡望津(さい・ぼうしん)が陸欣然(きんぜん)に近づく様子を見て、これが前世で彼女が蔡望津(さい・ぼうしん)に嫁ぐことになった理由だと気付く。その時、穆澤(ぼく・たく)が突然現れ、彼女に運河図を渡すが、陸安然(りく・あんぜん)はその贈り物を拒否し、慶(けい)王との同盟の申し出も断った。前世で贈られた花と違い、今回の運河図はより深い意味を持つように思えた。
柳鳴玉(りゅう・めいぎょく)は陸欣然(きんぜん)に薬を塗りながら、あの服を着るべきではなかった、まだ薬が完全に処理されていなかったのだと責めた。そして、蔡望津(さい・ぼうしん)に手紙を頻繁に書くようにと、関係を固めるよう促した。
夜、陸安然(りく・あんぜん)は酒を飲み過ぎ、人を見誤ったことを後悔していた。灵犀は傍で彼女を慰め、あなたは女傑であり、誰もあなたを騙すことはできないと言った。灵犀が水を汲みに行った時、陸安然(りく・あんぜん)は入ってきた穆川(ぼく・せん)を穆澤(ぼく・たく)と勘違いし、怒って彼を部屋に引きずり込んだ。
陸安然(りく・あんぜん)が少しでも気を紛らわせるようにと、灵犀は酒に薬草を混ぜたため、彼女は三日三晩眠り続けた。目覚めた陸安然(りく・あんぜん)に、灵犀は母の薬滓を全て調べたが異常は見つからなかったと報告する。このことで陸安然(りく・あんぜん)は、母の病は偶然ではなく、特に柳鳴玉(りゅう・めいぎょく)が何か細工をしたのではないかとますます疑うようになった。
部下からの報告で、陸延が大盗を連れて波止場に向かい、翊王(よくおう)の手下と会っているのが目撃された。陸安然(りく・あんぜん)は、翊王(よくおう)が陸家に濡れ衣を着せ、陸家の財源を奪おうとしていると推測する。彼女は部下に追跡させると同時に、官府に届け出ようとするが、門は固く閉ざされていた。仕方なく、彼女は穆澤(ぼく・たく)の元を訪れ、翊王(よくおう)との確執から彼が協力してくれると信じた。
案の定、穆澤(ぼく・たく)の助けを借りて、陸安然(りく・あんぜん)は陸延の陰謀を暴き、陸家を守ることができた。田んぼで稲藁を抜いている人がいると聞き、陸安然(りく・あんぜん)は急いで駆けつける。そこで穆川(ぼく・せん)の姿を見た彼女は、彼が生きていることに安堵し、涙を流した。あの夜、酔った勢いで部屋に引きずり込んだのは穆澤(ぼく・たく)ではなく穆川(ぼく・せん)だったのだ。彼女は誤解から彼を傷つけるところだった。
陸安然(りく・あんぜん)は穆川(ぼく・せん)に、民を飢えさせないために毎日百姓に扮して田畑を耕す王子の物語を聞かせた。この物語は、現実の比喩であると同時に、彼女の心の内を表現するものでもあった。
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