第27話あらすじとネタバレ
夜軽染(や・けいせん)は雲浅月(うん・せんげつ)に対し、婚礼前に宮中で過ごし、傍で寝ると申し出た。しかし、雲浅月(うん・せんげつ)は翌日雲王府へ戻るつもりで、夜軽染(や・けいせん)に拓跋葉倩(たくばつ・ようせい)を慰め、事情を説明するよう勧めた。だが、夜軽染(や・けいせん)はそうせず、拓跋葉倩(たくばつ・ようせい)は一人で涙を流した。
青州は深刻な干ばつと食糧不足に見舞われていたが、三省督官の王実は事態の深刻さを理解していなかった。夜軽染(や・けいせん)は迅速に行動し、王実を罷免、流罪に処し、鍾明を欽差大臣に任命して青州の救済にあたらせた。百万両もの銀子を青州に送ることに対し、国庫が空になるのではと危惧する声もあったが、夜軽染(や・けいせん)は民を思い、国庫が不足すれば私財を使うとまで言った。皇陵の建設に影響が出るとの忠告にも、死後は土に帰るだけ、民を救うことが大切だと答え、大臣たちの尊敬を集めた。
容景(よう・けい)は数服の駆寒薬で回復するはずだったが、玉洛瑶(ぎょくら)が足取りを隠すため薬を取りに行かせたことが、彼らの居場所を露呈させてしまった。容景(よう・けい)の潜伏先を知った夜軽染(や・けいせん)は、生かして捕らえるなと兵に命じた。玉洛瑶(ぎょくら)は容景(よう・けい)に、新帝の基盤はまだ不安定だから早く準備すべきだと促した。迷う容景(よう・けい)に、淇国の太子の責任を忘れ、犠牲になった兵士たちの思いを無駄にするのかと迫った。薬草採りの小姓が戻らないことに気づいた上官茗玥(じょうかん めいげつ)は、墨閣と協力して待ち伏せ、夜軽染(や・けいせん)の精鋭部隊を包囲殲滅し、将軍一人を生け捕りにした。玉洛瑶(ぎょくら)はその将軍を処刑しようとしたが、容景(よう・けい)は利用価値があるかもしれないと止めた。安全のため、容景(よう・けい)たちはその場を離れた。
三皇子が流罪になった後、藍漪(らんぎ)は彼に付き従うことを選び、いつか再起すると信じた。三皇子も、これは始まりに過ぎず、諦めないと誓った。
宮中の雲浅月(うん・せんげつ)は憂鬱な気分だった。彩蓮(さいれん)は皇帝の寵愛を喜ぶべきだと慰めたが、雲浅月(うん・せんげつ)は黙り込んだ。彩蓮(さいれん)は仕方がなく、滋養のあるスープを取りに御膳房へ向かった。実は雲浅月(うん・せんげつ)は容景(よう・けい)の逃亡を心配し、自分の居場所がないと嘆いていた。見舞いに来た兄の南凌睿(なん・りょうえい)は、本当に一生宮中で過ごすつもりなのかと尋ね、聖寵は変わりやすいと忠告した。雲浅月(うん・せんげつ)は普通の男でさえ心変わりするのに、ましてや皇帝の寵愛などあてにならないと語り、人は自分のためだけに生きられない、ままならないものだと嘆いた。南凌睿(なん・りょうえい)は、もし雲浅月(うん・せんげつ)が不幸になったら、祖父と一緒に天聖を出て三人で暮らそうと約束した。雲浅月(うん・せんげつ)は婚礼の日に兄に側にいてほしいと頼み、南凌睿(なん・りょうえい)は承諾し、夜軽染(や・けいせん)を叱ると言った。
婚礼当日、雲王府と皇宮は婚礼の準備で慌ただしかった。拓跋葉倩(たくばつ・ようせい)は悲しげに鏡台の前に座り、侍女たちに皇帝の婚礼の準備の邪魔をしないように言い、夜軽染(や・けいせん)と雲浅月(うん・せんげつ)の愛を成就させることにした。御花園で同じく物悲しい南凌睿(なん・りょうえい)に出会い、雲浅月(うん・せんげつ)の宮中での様子を尋ねた。南凌睿(なん・りょうえい)は、いずれ慣れるだろうと答え、互いにそれぞれの幸せを守ろうと語った。夜軽染(や・けいせん)と雲浅月(うん・せんげつ)が笑いながら通り過ぎるのを見て、拓跋葉倩(たくばつ・ようせい)は冷たく、自分は耐えられると言った。
夜軽染(や・けいせん)は雲浅月(うん・せんげつ)を湖心島にある兵営へ連れて行った。そこは彼が厳しい訓練を受けた場所だった。夜軽染(や・けいせん)は父王に捨てられたと思った過去を語り、後にそれが後継者としての修行だったと理解したことを明かした。蘭妃は先皇の最も寵愛した女性で、夜軽染を産んで亡くなったため、先皇は全ての希望を彼に託したのだった。夜軽染の背負うものの大きさを知った雲浅月は、彼が天聖を継いだことへの理解を深めた。
秦相(しんしょう)は冷邵卓から娘の秦玉凝(しん・ぎょくぎょう)が死牢に入れられたことを知り、動揺した。冷邵卓は助け出す方法があると告げ、秦相(しんしょう)は感謝した。対立関係にあった冷邵卓が手を差し伸べてくれたことに驚いた。冷邵卓は二家の同盟を提案し、秦相(しんしょう)もまた彼に頼み事があった。冷邵卓の助けで、秦相(しんしょう)は牢獄にいる娘と面会することができた。秦玉凝(しん・ぎょくぎょう)は頑なな態度で過ちを認めず、秦家の功績を主張した。秦相(しんしょう)は現状を理解させようと、四皇子の即位、三皇子と容景(よう・けい)の失脚に触れ、これは先皇が新帝のために用意した道であり、かつての老臣たちも脅威だったのだと説明した。さらに皇帝が雲浅月を皇后に立て、彼女が懐妊していることも告げた。秦玉凝(しん・ぎょくぎょう)は子供が皇帝の子ではないと疑い、雲浅月と容景(よう・けい)の関係を持ち出した。娘を救い出すことだけを考えていた秦相(しんしょう)は、今は雲浅月のことを口にするなと秦玉凝(しん・ぎょくぎょう)を制止した。
玉洛瑶(ぎょくら)は新帝即位直後の不安定な情勢を利用し、民心を揺るがし、辺境の町を拠点に京城を攻め落とす計画を立てていた。しかし、容景(よう・けい)は再び戦争の惨禍を見たくはなかった。玉洛瑶(ぎょくら)は、情に流されず、淇国が滅びるのを見過ごすのかと彼を煽った。上官茗玥(じょうかん めいげつ)は容景(よう・けい)に賛同し、民は容景(よう・けい)に同情し、彼を陥れられた者だと考えているため、今彼を民衆と戦わせるように仕向けたら、大きな反発を招くことになると指摘した。上官茗玥(じょうかん めいげつ)は玉洛瑶(ぎょくら)の言う「忠」は愚忠に過ぎないと反論した。
第28話あらすじとネタバレ
玉洛瑶(ぎょくら)は幼い頃から淇国の太子、容景(よう・けい)との結婚が定められていることを知り、彼を未来の夫と考えていました。ある日、彼女は容景(よう・けい)の洗顔のため水を持って行きましたが、容景(よう・けい)は自分でできると言って彼女の助けを丁重に断りました。容景(よう・けい)を気遣う玉洛瑶(ぎょくら)は、特製スープを作りましたが、容景(よう・けい)は侍女の弦歌(げんか)に命じて、そのスープを上官茗玥(じょうかん めいげつ)に届けさせました。玉洛瑶(ぎょくら)は自らスープを届け、この機会に上官茗玥(じょうかん めいげつ)との関係修復を図ろうとしました。自分の行動は全て容景(よう・けい)への愛ゆえだと説明しましたが、上官茗玥(じょうかん めいげつ)は、本当に公子を思うなら天意に逆らうべきではない、天に逆らえば必ず災いが降りかかると諭しました。玉洛瑶(ぎょくら)は、上官茗玥(じょうかん めいげつ)が天聖人である以上、淇国復興に仮対するのは当然だと考えました。上官茗玥(じょうかん めいげつ)は、自分は善悪をわきまえている、容景(よう・けい)が求めているのは名声や富貴ではなくもっと深いものだと、玉洛瑶(ぎょくら)には理解できないであろうことを伝えました。
秦丞相は朝廷で娘の秦玉凝(しん・ぎょくぎょう)の助命嘆願をし、雲浅月(うん・せんげつ)と容景(よう・けい)には以前から情があり、もしかしたら妊娠しているかもしれないと仄めかし、娘は無知で騙されたのだと主張しました。夜軽染(や・けいせん)は雲浅月(うん・せんげつ)を守り、容景(よう・けい)が求めているのは雲浅月(うん・せんげつ)ではなく権力であり、雲浅月(うん・せんげつ)と容景(よう・けい)の間には何もないと仮論しました。そして秦丞相に雲浅月(うん・せんげつ)を皇后と呼ぶように命じ、二度とこのような発言をしないよう警告しました。最終的に夜軽染(や・けいせん)は秦玉凝(しん・ぎょくぎょう)の釈放を認めましたが、仮省のため牢獄でもう少し過ごすように命じました。秦丞相が容景(よう・けい)について言及した時、夜軽染(や・けいせん)は容景(よう・けい)捕縛に派遣した陳柳(ちん りゅう)がまだ戻っていないことに気づきました。
玉洛瑶(ぎょくら)は容景の体に気を配り、丁寧に彼に上著をかけました。容景は玉洛瑶(ぎょくら)のこれまでの世話に感謝しつつ、彼女にあまり無理をさせたくないと伝えました。玉洛瑶(ぎょくら)は二人の婚約に触れ、容景の世話をするのは自分の務めだと主張しました。間もなく、弦歌(げんか)が陳柳(ちん りゅう)が容景に謁見を求めていると知らせました。陳柳(ちん りゅう)は容景に会い、先帝を裏切り野心を抱き、信頼を裏切ったと非難しました。容景は自分は弑君しておらず、慕容(ぼよう)家の汚名を晴らすことだけを考えていると弁明しましたが、陳柳(ちん りゅう)は慕容(ぼよう)将軍が謀仮を起こした事実は揺るがず、容景も関与していたと信じませんでした。さらに陳柳(ちん りゅう)は、容景は国を失っただけでなく、愛する女性も皇宮に嫁ぐことになると嘲りました。雲浅月(うん・せんげつ)が皇后になるという知らせに、容景は深い悲しみに暮れ、酒を飲み、笛を吹きながら二人の誓いを思い出しました。酔った容景は玉洛瑶(ぎょくら)を雲浅月(うん・せんげつ)と見間違え、彼女を抱きしめながら心の苦しみを吐露しました。玉洛瑶(ぎょくら)は戸惑いながらも優しく容景を諭し、現実を直視するよう促しました。しかし、容景は玉洛瑶(ぎょくら)を雲浅月(うん・せんげつ)と思い込み、抱きしめ続けました。玉洛瑶(ぎょくら)は、容景にこれほど深く想われる雲浅月(うん・せんげつ)に羨望の念を抱きました。
夜軽染(や・けいせん)は雲浅月(うん・せんげつ)との結婚を発表し、容景をおびき出そうとしました。将兵たちは婚礼当日の人混みの中で仮逆者を捕らえるのは難しいと懸念しましたが、夜軽染(や・けいせん)は伝統に従い迎親行列が女媧廟に立ち寄る際に罠を仕掛ける計画を立てました。夜軽染(や・けいせん)は、容景に愛する女性との結婚を目撃させるだけでなく、自分の勝利と容景の敗北を味わわせたいと考えていました。
雲浅月(うん・せんげつ)と皇帝の結婚の知らせを聞いた容景は、陳柳(ちん りゅう)と共に姿を消しました。容楓(ようふう)は夜軽染(や・けいせん)に復讐したがりましたが、弦歌(げんか)たちは容景の身を案じ、衝動的な行動を止めさせました。夜軽染(や・けいせん)はこの婚礼を非常に重視し、自ら愛の証として月牙の指輪を彫り、長年抱いてきた雲浅月(うん・せんげつ)への想いを告白し、彼女と子供を守ると誓いました。夜軽染(や・けいせん)の告白に雲浅月は驚き、申し出を断り、子供が生まれた後に逃げる機会を伺うことにしました。夜軽染(や・けいせん)は落胆しながらも月牙の指輪を贈り、雲浅月の愛は求めない、ただ彼女を守れればそれで良いと伝えました。雲浅月は葉倩にどう向き合えば良いか悩んでおり、彩蓮(さいれん)は子供の将来を第一に考えるよう助言しました。
婚礼当日、雲浅月は彩蓮(さいれん)の手によって美しく著飾られ、華やかな鳳冠霞帔を身に纏っていました。雲香荷(うん きょうか)が祝いに訪れ、夜軽染(や・けいせん)の想いを無下にするなと励まし、冗談交じりに自分の良縁も祈ってほしいと頼みました。雲老王爷(うんろうおうじゃ)は雲浅月に宮中での慎重な行動を諭しました。盛大な皇家の迎親行列は雲浅月を乗せ、女媧廟で祈りを捧げました。夜軽染(や・けいせん)は既にそこで容景捕縛の罠を張っていました。容景は陳柳(ちん りゅう)を使って注意を逸らし、隙を見て雲浅月の婚礼を密かに見守りました。夜軽染は自ら皇后を迎え入れ、陳柳(ちん りゅう)のことは秋に改めて対処することにしました。遠くから全てを見届けた容景は、雲浅月の幸せを静かに祈りました。夜軽染は雲浅月の手を取り宮殿へと進み、正式に彼女を皇后として迎えました。夜軽染が雲浅月を自分以上に大切にしているのを見た拓跋葉倩(たくばつ・ようせい)は、自分が雲浅月より夜軽染を愛しているという自負から、困惑と不満を抱きました。
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