第9話あらすじとネタバレ
沈璃(シェン・リー)の怪我の看病を行止(コウ・シ)神君が自ら申し出たことに、墨方(ボク・ホウ)は心中穏やかではなかった。しかし、沈璃(シェン・リー)が仮対しなかったため、それ以上何も言わなかった。行止(コウ・シ)は立ち去った後、以前沈璃(シェン・リー)の部屋に出入りする自分を見かけた兵士に会い、術を使ってその記憶を消した。
数日後、行止(コウ・シ)の献身的な介護のおかげで、沈璃(シェン・リー)の怪我は著しく回復し、彼女は驚いた。その間、行止(コウ・シ)は看病の機会を利用して、沈璃(シェン・リー)との距離を徐々に縮め、彼女の回復状況を確認するために指を絡ませることを提案しさえした。こんなにも近距離の行止(コウ・シ)を前に、沈璃(シェン・リー)は人界の行雲(コウ・ウン)を思い出し、心が揺れ動いた。それに気づいた行止(コウ・シ)は、午後に墟天淵(きょてんえん)の境界を見に行くことを提案し、沈璃(シェン・リー)に案内の準備をするように言った。
山中の道は険しく、行止(コウ・シ)の衣が木の枝に引っ掛かり、潔癖症の彼はすぐに術を使って衣を切り裂いた。先導する沈璃(シェン・リー)は、行止(コウ・シ)の遅い足取りに内心不満を抱いていた。案の定、沈璃(シェン・リー)が再び振り返ると、行止(コウ・シ)の姿は消えていた。しばらく待つと、行止(コウ・シ)は脇から現れ、手を一振りするだけで周囲の瘴気を払いのけた。
途中で小さな魑魅(チミ)が現れ、行止(コウ・シ)はそれを退治しようとしたが、沈璃(シェン・リー)は憐れみから彼を止めた。村人たちが既にこれらの魑魅(チミ)を受け入れていることを考慮し、彼らは行動を起こさないことにした。山林を抜けると、月光が辺りを照らし、沈璃(シェン・リー)は墟天淵(きょてんえん)の久々の美しさに感慨深げだった。行止(コウ・シ)は大木のそばまで行き、幹に触れて上古の神力を込めた。すると、枯れていた大木は息を吹き返し、草地には緑の若草が生え、野営地も緑に覆われた。瘴気で覆われていた月はついに姿を現し、兵士たちは皆大喜びした。
周囲に蘇った生命力を見て、沈璃(シェン・リー)は驚きとともに悟った。行止は午後に封印を描いていた時からこの全てを計画し、夜に月の光と上古の神力を使って墟天淵(きょてんえん)の瘴気を浄化しようとしていたのだ。沈璃は落ち葉を拾い、村人たちがこのような美しい景色を長く楽しみ、恐怖の中で暮らすことがないようにと願った。行止は沈璃を一緒に木に登るように誘い、葉を使って美しい音楽を奏でた。沈璃は聞き惚れ、真価しようとしたがうまくいかなかった。
霊界の野営地に戻ると、墨方(ボク・ホウ)は周囲の変化が全て行止の力によるものだと知り、内心動揺した。沈璃と行止がなかなか帰ってこないのを見て、彼は月に向かってひそかに悲しみに暮れた。尚北は異常に気づき、墨方(ボク・ホウ)に尋ねると、彼が沈璃に想いを寄せていることを知ったが、どう慰めていいかわからなかった。
山林から戻った後、沈璃は行止に木の封印を再建してくれたことに感謝し、野営に戻ろうとした時、兵士たちが彼女と人界の行雲(コウ・ウン)の話をしているのを聞き、腹を立てて数人の兵士を軽く罰した。行止は内心の喜びを隠しながら、その葉を沈璃に贈った。この光景を遠くから見ていた墨方(ボク・ホウ)は嫉妬した。沈璃は墨方(ボク・ホウ)を見て、彼の怪我を心配しようとしたが、誤解を招くことを恐れ、墨方(ボク・ホウ)に先に都に帰って状況を報告するように言い、自分は残って行止の仕事を手伝うことにした。
蠍尾狐が既に退治され、行止が自ら封印を再建しに行ったことを知った霊尊(レイソン)は、驚きと疑念を抱き、二人の関係がより深まることを心配した。墨方(ボク・ホウ)を見送った後、沈璃の心は波立った。墨方(ボク・ホウ)は彼女にとって最も親しい弟子であり、初めて彼女に告白した人物でもあったが、彼女の心には既に他の人がおり、拂容(フウ・ヨウ)との婚約も抱えているため、墨方(ボク・ホウ)の将来を妨げるべきではないと考えていた。
霊尊(レイソン)は千裏追影を発動し、行止に会いたいと言った。このことを知った沈璃は霊尊(レイソン)を不憫に思った。霊尊(レイソン)は沈璃にすぐに都に戻るように要求し、墟天淵(きょてんえん)のことは尚北に任せるように言った。しかし、行止は沈璃の助けを必要としており、沈璃も自ら墟天淵(きょてんえん)の瘴気の問題を解決し、村人たちに安寧をもたらしたいと思っていた。霊尊(レイソン)は仕方なく同意した。その後、彼女はすぐに人を送り、沈璃と行止が過度に接触しないように監視させ、異常事態が発生した場合はすぐに都に報告するように命じた。
第10話あらすじとネタバレ
封印の再構築と瘴気の浄化
水の封印の再構築に成功すると、周囲の瘴気は瞬時に消散しました。沈璃(シェン・リー)はこれを見て、この清らかな水域に魚が泳ぐ日を心待ちにしました。五行の理に基づいた封印体係において、水と木の封印は完瞭し、次は営門へ向かい、土の封印に取り掛かることになります。
出発時、行止(コウ・シ)はいつものように沈璃(シェン・リー)の手を取ろうとしましたが、周囲がすっかり清浄になり、沈璃(シェン・リー)にその気がないのを感じ、静かに手を引っ込めました。
土の封印と予期せぬ出来事
営門に到著後、行止(コウ・シ)は沈璃(シェン・リー)に見守りを任せ、自ら上古の神力を用いて封印を始めました。その間、沈璃(シェン・リー)は体に異変を感じますが、行止(コウ・シ)が封印を完瞭すると、不快感は消え去ります。その後、二人は墟天淵(きょてんえん)の境界へと向かいます。そこで、行止(コウ・シ)は慎重に符を描き、上古の神力で封印を強化します。しかし、その時、魑魅(チミ)が脱出しようとします。沈璃(シェン・リー)はすぐに赤羽槍で応戦しますが、魑魅(チミ)に捕らわれ、心まで操られてしまい、「吾必弑神」の誓言だけが頭に響きます。
幸い行止(コウ・シ)が異変に気付き、沈璃(シェン・リー)を危険地帯から救出します。沈璃(シェン・リー)は体内の瘴毒を吐き出します。行止(コウ・シ)は、各地の封印点を巡ったのは、沈璃(シェン・リー)の体内の瘴毒を取り除くため、以前の約束を果たすためだと説明します。沈璃(シェン・リー)の瘴毒が浄化されたことを確認すると、墟天淵(きょてんえん)に入るかどうかは彼女の意思に任せると告げます。沈璃(シェン・リー)は迷わず、感謝を述べてその場を去ります。
北川の心配と再会
営地に戻ると、北川は独りになった沈璃(シェン・リー)を見て、良くない状況だと察します。行止(コウ・シ)は封印を再構築しただけでなく、数日間沈璃の面倒も見ていたので、引き止めるべきだったと考えます。この話を聞き、沈璃はベッドで寝返りを打ち、行止(コウ・シ)との出来事を思い返し、心が乱れます。いつの間にか、彼女は再び墟天淵(きょてんえん)の境界にやって来て、行止(コウ・シ)はもういないだろうと推測します。突然、何かの声が聞こえた気がして、沈璃は赤羽槍を手に墟天淵(きょてんえん)に入り、魑魅(チミ)の行動を阻止しようとします。足を踏み入れると、背後に光が灯り、振り返ると、そこには行止(コウ・シ)の姿がありました。行止(コウ・シ)を見て、沈璃は少し落ち著きを取り戻します。行止(コウ・シ)は、封印の強化を終え、立ち去ろうとした時に沈璃が来たことに気づき、なぜここに来たのか尋ねます。沈璃は気晴らしに来たと言い訳し、墟天淵(きょてんえん)に迷い込んだと説明し、すぐに営地に戻らないと北川に逃婚したと誤解されると言います。行止は、今は墟天淵(きょてんえん)から簡単には出られないと指摘します。
深まる会話と誤解
翌朝、北川は沈璃が営地にいないことに気づき、逃婚したと勘違いします。外では兵士たちの話し声が聞こえ、北川は様子を見に行くと、沈璃と行止の噂話を耳にします。その時、沈璃と行止は墟天淵(きょてんえん)の中で出口を探していました。沈璃は霊界に戻ってからの罰について語り、行止が自分に近づいた意図を問いただします。行止は腕の傷を見せ、沈璃の同情を買おうとします。そして、五行封印、特に墟天淵(きょてんえん)に火の封印を設けた理由を説明します。さらに、沈璃の傷の治療を口実に、彼女に留まるよう促します。
会話の終わりに、行止は人界にいた時と同じように沈璃の頭を撫でようとしたものの、結局は肩を軽く叩くだけでした。この行動で、沈璃は再び行止が人界の行雲(コウ・ウン)ではないかと疑いますが、探りを入れても否定されます。
碧蒼王(へきそうおう)の魑魅(チミ)退治と拂容(フウ・ヨウ)の仮応
仙界では、拂容(フウ・ヨウ)は碧蒼王(へきそうおう)・沈璃が魑魅(チミ)を退治したという知らせを聞き、大きな衝撃を受けます。部下から事の次第を聞かされ、天君(テンくん)のもとへ行き、婚約の破棄を願い出ようとします。一方、天君(テンくん)は、霊尊(レイソン)が行止の人界行きについて尋ねたことを知り、行止が人界から戻った時の言葉を思い出し、この件を隠すことを決めます。
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