第27話あらすじとネタバレ
沈璃(シェン・リー)の滞在を少しでも延ばすため、行止(コウ・シ)は漁師「余一」に扮し、以前の約束を果たすと申し出た。ただし、少し時間がかかるとのこと。行止(コウ・シ)が沈璃(シェン・リー)を早く帰そうとするのではないかと心配していた沈璃(シェン・リー)は安堵し、彼の申し出を快諾した。それから、沈璃(シェン・リー)は行止(コウ・シ)をからかうように、周囲に漁具がないにも関わらず、魚が食べたいと言い出し、捕ってきてくれるよう頼んだ。突然の頼みに戸惑う行止(コウ・シ)だったが、緊張しながらも承諾し、沈璃(シェン・リー)に少し待つように言った。
翌日、行止(コウ・シ)は東海へ舟を出し、広大な海ならば魚を捕まえるのは容易だろうと考えた。しかし、神君の来訪を知った東海龍王は、彼に取り入ろうと、小魚や小エビの代わりに貴重な真珠を用意した。行止(コウ・シ)はそれが自分の求めるものではないと不満を抱いた。彼が昆布のスープを持って沈璃(シェン・リー)の元に戻ると、沈璃(シェン・リー)は彼が魚を捕まえられなかったことを見抜き、魚が食べたいと言い続けた。行止(コウ・シ)は必ず魚を捕まえると固く約束した。
次の日、行止(コウ・シ)は自ら東海龍宮へ行き、人魚のような珍しい生き物ではなく、普通の魚が欲しいと明確に伝えた。彼はその魚で沈璃(シェン・リー)に魚スープと焼き魚を作ってあげたかったのだ。行止(コウ・シ)が自ら沈璃(シェン・リー)に魚スープを飲ませ、丁寧に骨を取り除いてあげていると、沈璃(シェン・リー)は彼の料理の腕前を褒め称えたが、うっかり行止(コウ・シ)の正体への疑念を口にしてしまった。失言に気づいた沈璃(シェン・リー)はすぐに言い直し、「余一」は良い人で、彼の世話に感謝し、これからも魚を捕ってきてほしいと頼んだ。行止(コウ・シ)はその言葉の裏に隠された意味を察し、怒ってその場を去った。
行止(コウ・シ)が去った後、沈璃(シェン・リー)は立ち上がって歩こうとしたが、まだ完全には回復しておらず、立つことさえ困難で、視力も定まらなかった。それでも彼女は痛みを訴えることなく、周りの環境を確かめながら、家の外に出ようと試みた。行止は実際には遠くへは行っておらず、沈璃が早く回復するためにそうしていることを知っていたので、家の外で静かに見守っていた。
しばらくして、幽蘭(ユウ・ラン)に起こされた拂容(フウ・ヨウ)は、行止の様子を探るため東海龍宮へ向かった。そこで、行止が既に上陸し、わざわざ普通の魚二匹を持ち帰ったことを聞き、奇妙に思った。その後、拂容(フウ・ヨウ)は教えられた場所へ向かい、行止を見つけた。
沈璃の傍で見守っていた行止は、この幸せな時間を過ごそうとしていた矢先、突然現れた拂容(フウ・ヨウ)に邪魔をされた。彼はすぐに術を使い拂容(フウ・ヨウ)を黙らせ、「余一」として彼を迎えた。泥だらけの姿の行止を見て、拂容(フウ・ヨウ)は思わず笑いそうになった。会話の中で、拂容(フウ・ヨウ)は沈璃が行止によって見つけられたという重大な事実を知り、驚きながらも、沈璃の身元を密かに確認するため、自分も漁師に扮することにした。確認を終えた拂容(フウ・ヨウ)は、安堵の息を漏らした。
霊尊(レイソン)に知らせるかどうかについて、行止は首を横に振り、この機会に二人だけの時間を過ごそうと決めた。沈璃の五感がまだ完全には戻っておらず、怪我もしていること、そして自分の正体がまだバレていないと勘違いしていたことから、行止は沈璃が真実を知ってから判断することにした。拂容(フウ・ヨウ)もそれに賛同し、沈璃が霊界に戻れば、大きな騒ぎになるだろうと考えた。
沈璃が再び怪我をしないよう、行止は家の中の尖ったものを全て布で包み、数本の縄を張って、沈璃のリハビリを助けた。毎日欠かさずリハビリをする沈璃は、行止の細やかな気遣いに感動していた。
仙界に戻った拂容(フウ・ヨウ)は、沈璃を治す仙術を探そうとしたが、偶然幽蘭(ユウ・ラン)と鉢合わせしてしまい、慌てた様子を見せた。幽蘭(ユウ・ラン)は異変に気づき、再び拂容(フウ・ヨウ)を洗髄池へ連れて行くと、そこで沈璃が生きている姿を目にし、驚きと喜びに満ちた表情を見せた。日々が流れ、沈璃と行止の生活は小庭で過ごした日々に戻ったかのように、穏やかで幸せな時間に包まれていた。
第28話あらすじとネタバレ
沈璃(シェン・リー)は行止(コウ・シ)の姿を見つめながら、小院で出会った行雲(コウ・ウン)のことを思い出していた。質素な暮らしを送っていた行雲(コウ・ウン)のように、今の行止(コウ・シ)も真摯な心で漁師の役目を演じている。その姿に、沈璃(シェン・リー)の心は温かい気持ちで満たされた。行止(コウ・シ)は彼女の心の揺らぎに気づかず、ただひたすらに魚の骨を取り除くことに集中していた。
一方、仙界では、拂容(フウ・ヨウ)が修行に没頭していた。その真剣な様子に、周りの侍女たちは驚きを隠せない。見舞いに訪れた幽蘭(ユウ・ラン)は、自ら練った薬符を行止(コウ・シ)に渡すよう拂容(フウ・ヨウ)に頼んだ。その頃、行止(コウ・シ)は小院の桃の木の下で静かなひとときを過ごしていた。まるで本当の自分を取り戻したように穏やかな表情を見せている。目を覚ました沈璃(シェン・リー)はこの光景を目にし、思わず微笑んだ。もう少し見ていたいと思ったその時、行止(コウ・シ)が魚を煮込む鍋の様子を見に行ったため、沈璃(シェン・リー)は慌てて身を隠した。
しかし、拂容(フウ・ヨウ)の到来によって静寂は破られた。彼と沈璃(シェン・リー)は視線を交わし、互いに戸惑う。沈璃(シェン・リー)は自分が既に回復していることを悟られないように、聞こえない、見えないふりを装って急いで部屋に戻った。行止(コウ・シ)は沈璃(シェン・リー)の様子を確かめ、問題がないことを確認すると、拂容(フウ・ヨウ)を戸口に連れ出し、用件を尋ねた。拂容(フウ・ヨウ)は幽蘭(ユウ・ラン)から託された薬符を渡し、行止(コウ・シ)が天道仮噬で重傷を負いながらも、沈璃(シェン・リー)に隠れて一人で療養していることを明かした。それでも行止(コウ・シ)は焦らず、まずは沈璃(シェン・リー)に煮込んだ魚を届け、その後で自分の治療に取り掛かろうとした。窓からこの様子を見ていた沈璃(シェン・リー)は、行止(コウ・シ)の傷を知り、複雑な気持ちになった。
その後も沈璃(シェン・リー)は普段通りに振る舞い、行止(コウ・シ)と共に海辺を散歩した。まるで小院での幸せな日々に戻ったかのようだった。行止(コウ・シ)はこのひとときが永遠に続けばいいと願い、沈璃(シェン・リー)がずっとそばにいてくれること、そして自分が彼女を守り続けられることを願った。同時に、沈璃の体調を気にかけ、自分の傷など取るに足らないものだと感じていた。沈璃もまた、行止が自分のために健康を損なってはいけないと心に決めていた。
東海の漁の日がやってきた。行止は前回のように竜王から真珠の首飾りを貰えるとは思っていなかったが、予想外にも金銀の器や夜光珠などの宝物を授かった。退屈になった沈璃は海辺に出て漁の様子を見に行き、そこで思いがけずの収穫に困惑する行止と出会った。沈璃は竜王からの贈り物を使って行止への感謝の気持ちを表そうと考えたが、体が弱っていたためよろめいてしまい、行止に支えられた。その瞬間、沈璃は行止を見上げ、夢の中で見た温かい行雲(コウ・ウン)の姿を思い出した。彼女は記念として石ころ一つあれば十分だと言い、行止は真珠をいくつか市場に持っていき魚と交換し、残りの宝物は竜王に返すことにした。
市場で、行止が真珠と魚を交換しようとしている間、沈璃は新鮮な野菜を選んでいた。そこに村長の息子である王宝(ワン・バオ)が二人の手下を引き連れて現れ、露店料を要求し、行止の真珠と魚を交換しようと持ちかけた。行止は関わり合いになりたくなく、沈璃を連れて立ち去ろうとしたが、王宝(ワン・バオ)に阻まれた。さらに、王宝(ワン・バオ)は沈璃を見て失礼なな視線を送り、軽蔑するような言葉を投げつけ、ついには行止を殴りつけた。
夕方、手をつなぎながら家路につく二人。沈璃は今日の行止の様子がいつもと違うことに気づいた。これほど怒っている彼を見るのは珍しい。行止は沈璃への無礼な態度が許せなかったと説明し、彼女の手にさらに力を込めた。夜、恨みを抱えた王宝(ワン・バオ)は仲間二人と共に小院に押し入った。沈璃はすでに気づいていたが、侵入者たちは緊張のあまり、入った途端に二人が倒れてしまい、王宝(ワン・バオ)は偶然にも沈璃の部屋に迷い込んだ。王宝(ワン・バオ)の厚かましい言動に対し、沈璃はうまく仕返しをした。そこに駆けつけた行止は、沈璃がこれ以上手を出さないように製止した。そして、行止は三人を簡単に追い出し、沈璃もそれを受け入れた。
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