第35話あらすじとネタバレ
雁回(イエンフイ)は天耀(ティエンヤオ)と共に銅鑼村に戻ったが、村は異様な雰囲気に包まれていた。隣村で怪事が発生し、人々が突然発狂して暴れ出し、村の上空には不気味な黒い気が渦巻いていたのだ。雁回(イエンフイ)はこれが黒気と関係があると察し、落ち著いてから調査することにした。
相変わらずの小姑根性を見せる叔母は、雁回(イエンフイ)と天耀(ティエンヤオ)が留守の間、家を貸して小銭を稼ごうとしていた。二人の突然の帰還に慌てて賃貸の看板を隠す叔母。前回の雁回(イエンフイ)の叱責を思い出し、卵は腐る心配があったから食べただけで、他は何も触っておらず、家は綺麗にしていると弁明した。
天耀(ティエンヤオ)は空っぽの鶏小屋を見て、雁回(イエンフイ)に焼き鳥を作ってあげようと鶏を捕まえようとする。雁回(イエンフイ)は天耀(ティエンヤオ)が何かを思い出したのかと思ったが、実際には何も思い出していなかった。部屋に戻ると、雁回(イエンフイ)は天耀(ティエンヤオ)に二人の最初の出会いを語る。当時、彼女は天耀(ティエンヤオ)を蛇の妖怪だと勘違いし、退治しようとしたのだ。雁回(イエンフイ)を見ながら枕を撫でる天耀(ティエンヤオ)は、過去の自分が見せた冷淡な態度を思い出し、深く自責の念に駆られた。雁回(イエンフイ)は天耀(ティエンヤオ)に家で過去の記憶を辿るように勧めた後、黒気の発生源を調査するため一人で出かけることにした。
手がかりを探す途中、雁回(イエンフイ)は森を彷徨い、流火珠を探している様子の、正気を失った栖雲真人(セイウンシンジン)の掌門)に偶然出会う。雁回(イエンフイ)は阿茶(アーチャー)が言っていた「阿雲(アウン)」のことを思い出し、目の前の栖雲こそがその人物だと気付く。彼女は栖雲真人(セイウンシンジン)をあやしながら家に連れ帰った。
凌霄(リン・シアオ)は雁回(イエンフイ)を探しに行こうとする天耀(ティエンヤオ)を止め、二人は衝突する。しかし、凌霄(リン・シアオ)はこの機会を利用して天耀(ティエンヤオ)に戦闘技術と呼吸法を教える。それを見た雁回(イエンフイ)は凌霄(リン・シアオ)の教え方が良いと思い、天耀(ティエンヤオ)が彼に師事することに仮対しなかった。凌霄(リン・シアオ)は栖雲真人(セイウンシンジン)の状態を調べ、辰星山の掌門しか使えない霜華術にかかっていると判断する。雁回(イエンフイ)はそれを疑うが、凌霄(リン・シアオ)は20年前は自分が掌門ではなく、栖雲に霜華術をかけたのは前任掌門の清広(セイコウ)真人だろうと説明する。栖雲が水係の術にかかっていることを知った天耀(ティエンヤオ)は、霊火で治療を試みるが、霊力が足りず失敗する。霊力を早く高めるため、天耀(ティエンヤオ)は凌霄(リン・シアオ)に教えを乞い、凌霄(リン・シアオ)はそれを承諾する。千年霊龍の天賦を持つ天耀(ティエンヤオ)は、数日で凌霄(リン・シアオ)を傷つけるほどの力を持つまでに成長した。雁回(イエンフイ)は凌霄(リン・シアオ)に謝罪し、膏薬を渡す。凌霄(リン・シアオ)はこの機会に、雁回(イエンフイ)の封印は清広(セイコウ)真人が施したもので、彼女を山から下ろしたのも清広(セイコウ)の最後の命令に従ったものだと明かす。しかし、清広(セイコウ)の体は既に伏陰(フクイン)に乗っ取られており、全ては伏陰(フクイン)の陰謀だったと付け加える。それでも雁回(イエンフイ)は凌霄(リン・シアオ)を許すことができず、薬を塗ってもらった後、その場を去る。
雁回(イエンフイ)が凌霄(リン・シアオ)に薬を渡すのを見て、天耀(ティエンヤオ)は複雑な気持ちになる。雁回(イエンフイ)が戻ると、天耀(ティエンヤオ)は痛くもないのに甘えて雁回(イエンフイ)にも薬を塗ってくれるよう頼む。そして、次回は自分が薬を渡すと主張し、雁回(イエンフイ)に凌霄(リン・シアオ)のところに行かせないと約束させる。雁回(イエンフイ)は渋々同意する。
その後まもなく、銅鑼村は混乱に陥る。黒気を纏った集団が村を襲い、村人たちは逃げ惑い、悲鳴が響き渡る。凌霄(リン・シアオ)、天耀(ティエンヤオ)、雁回(イエンフイ)はすぐさま行動を起こし、村人たちを救う。凌霄(リン・シアオ)は仙術で黒気を纏った者たちを防御し、天耀(ティエンヤオ)は霊火で空中の黒気を払う。しかし、普通の人間は黒気に侵されると霊火に耐えられないため、凌霄(リン・シアオ)は天耀(ティエンヤオ)に霊火の使用を止めさせ、羅針盤で黒気を吸収させる。あまりにも多くの黒気のため、羅針盤は限界に達しようとしていた。雁回(イエンフイ)は戦闘中に相手が自分の黒気を吸収できることに気付き、仮撃を試みる。大量の黒気を体内に吸収することで村人たちを救うことに成功する。しかし、村人たちは感謝するどころか、凌霄(リン・シアオ)に雁回を処刑するように要求する。これに激怒した天耀(ティエンヤオ)に対し、凌霄(リン・シアオ)は村人たちを叱責し、雁回を追い出せば辰星山の加護を失うと警告する。その言葉を聞いた村人たちは恐れおののき、凌霄(リン・シアオ)に自分たちを見捨てないでくれと懇願する。
かつて殞星台(いんせいたい)で刑に処された時、雁回は凌霄(リン・シアオ)に見捨てられたと思っていた。しかし今、凌霄(リン・シアオ)は10年間の師弟関係を惜しむ言葉を口にする。雁回は凌霄(リン・シアオ)が大義と自分の命の両方を守ろうとしていることを責める。凌霄(リン・シアオ)は辰星山での10年間が楽しかったかどうかを尋ねる。凌霄(リン・シアオ)の教えや大師兄の愛情を思い出し、星とはいえ凌霄は決して自分を蔑ろにすることはなかったことを認め、雁回は楽しかったと答える。彼女は門派を守ることがどれほど大変かを察し、凌霄は心の中で、どんなに困難でも全ては価値のあることだと呟く。
第36話あらすじとネタバレ
天耀(ティエンヤオ)は深い眠りから覚めると、雁回(イエンフイ)のことを真っ先に思い出しました。しかし、目の前にいたのは凌霄(リン・シアオ)でした。凌霄(リン・シアオ)は天耀(ティエンヤオ)が自分の武器をすぐに使いこなせることに驚き、雁回(イエンフイ)を守る本能によるものだと知ると、失憶中にも関わらず雁回(イエンフイ)を守ろうとする天耀(ティエンヤオ)を褒め称え、安堵しました。
阿茶(アーチャー)が栖雲を訪ねると、雁回(イエンフイ)を見て大喜びしました。雁回(イエンフイ)が以前のことを尋ねると、阿茶(アーチャー)は栖雲と流火珠を連れて洞窟に住んでいたこと、龍骨山の洞窟のおかげで栖雲の病状がかなり良くなったことだけは覚えていましたが、黒気に操られていた時の記憶は全くありませんでした。天耀(ティエンヤオ)も阿茶(アーチャー)のことを覚えておらず、雁回(イエンフイ)にこっそり「阿茶(アーチャー)はどうしてあんなに間が抜けているんだ?」と尋ねました。阿茶(アーチャー)は天耀(ティエンヤオ)に熱心に挨拶しましたが、天耀(ティエンヤオ)は仮応せず、逆に阿茶(アーチャー)も天耀(ティエンヤオ)の様子がおかしいと感じました。天耀(ティエンヤオ)が記憶を失ったと知ると、阿茶(アーチャー)は深く同情しました。栖雲が霜華術に侵されていると聞き、阿茶(アーチャー)はすぐに凌霄(リン・シアオ)に仕返しに行こうとしましたが、雁回(イエンフイ)がそれを止め、まずは天耀(ティエンヤオ)に栖雲を治療させようと提案しました。
解呪の術を使うため、一行は龍骨が封印されている洞窟へ向かうことにしました。そこには龍気が残っており、術を使うのに最適な場所でした。天耀(ティエンヤオ)は龍気を感知すると術を試みましたが、うまくいきませんでした。一度目は失敗、二度目は霜華術を解くことはできましたが、伏陰(フクイン)の死の呪いが発動してしまいました。意識を取り戻した栖雲は、自分がもう長くはないことを悟り、凌霄(リン・シアオ)に霊龍の体を探し出し、霊龍を復活させるように言い残しました。栖雲を失うという現実に、阿茶(アーチャー)は悲しみに暮れました。その時、雁回(イエンフイ)は自らの力で伏陰(フクイン)の死気を吸収し、栖雲を救いましたが、自身も黒気の影響を受け、体調を崩してしまいました。そばにいた天耀(ティエンヤオ)は雁回(イエンフイ)を慰めながら、かつて雁回(イエンフイ)に危害を加えようとした時のことを思い出し、深く後悔しました。雁回(イエンフイ)の状態を心配した凌霄(リン・シアオ)は、彼女の識海に入り込んで調べると、多くの黒気があるにも関わらず、識海は静かで波一つ立っておらず、大変驚きました。その後、雁回(イエンフイ)は凌霄(リン・シアオ)の体内の黒気を浄化し、凌霄(リン・シアオ)は深く感謝しました。
一行は全ての黒幕が伏陰(フクイン)であることを理解し、力を合わせて戦うことを決意しました。凌霄(リン・シアオ)は天耀(ティエンヤオ)と雁回(イエンフイ)に同行して龍心を取り戻しに行こうとしましたが、二人は既に功法を完成させているため、手可摘星辰(てかさぐせいしん)を守り、天耀(ティエンヤオ)に火種を求めて防御を固めることにしました。凌霄(リン・シアオ)は既に準備を整えており、天耀(ティエンヤオ)に火種の取り方を教えていました。雁回(イエンフイ)は凌霄(リン・シアオ)の周到さに感心しつつも、少し疲れた様子でした。凌霄(リン・シアオ)は常に天下の大義を優先し、手可摘星辰(てかさぐせいしん)を守り抜き、仲間たちに時間を稼ぐことを約束しました。
栖雲は全ての功法を失いましたが、掌門として伏陰(フクイン)に立ち向かう仲間を集めようと決意し、斉雲観へ戻ることにしました。阿茶(アーチャー)は栖雲と別れがたく、追いかけて行くと、栖雲は彼を嫌っているのではなく、危険に巻き込みたくないだけだと分かりました。20年の歳月を経て、阿茶(アーチャー)は栖雲に深く想いを寄せ、栖雲もまた同じ気持ちでした。最終的に、栖雲は阿茶(アーチャー)を連れて行くことを承諾し、阿茶は大喜びしました。
別れ際、凌霄(リン・シアオ)は背を向け去ろうとしました。雁回(イエンフイ)は何度も声をかけようとしましたが、「師父」と呼ぶことができませんでした。凌霄(リン・シアオ)の期待と雁回(イエンフイ)の未練に気づいた天耀(ティエンヤオ)が理由を尋ねると、雁回(イエンフイ)はすぐに気持ちの切り替えは難しいと言い、次に会う時に師父と呼ぶことにしました。凌霄(リン・シアオ)の遠ざかる背中を見つめながら、雁回(イエンフイ)は胸が締め付けられるような思いで、涙が止まりませんでした。
蕭老太太の墓前で、天耀(ティエンヤオ)は雁回(イエンフイ)から過去の話を聞き、蕭老太太の愛情を思い出すと同時に、ここで雁回(イエンフイ)を傷つけようとした時のことを思い出し、苦しみに苛まれました。雁回(イエンフイ)は天耀(ティエンヤオ)を慰め、全てを知っていると伝えました。天耀(ティエンヤオ)は誰かを傷つけようとしたことはなく、彼の心は今も純粋です。今、雁回(イエンフイ)にとっても、この世界にとっても、天耀(ティエンヤオ)が記憶を取り戻すことが必要なのです。
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