第29話あらすじとネタバレ
慕灼華(ぼしゃくか)の突然の訪問に劉衍(りゅうえん)は驚きを隠せない。慕灼華(ぼしゃくか)は劉衍(りゅうえん)に手紙の真意を問いただす。劉衍(りゅうえん)は、手紙で書いた通り、恋愛事に疲れたので関係を終わりにしたいと説明する。しかし、慕灼華(ぼしゃくか)には信じられない言葉だった。劉衍(りゅうえん)はそれ以上説明せず、部屋に戻ってしまう。
慕灼華(ぼしゃくか)は劉衍(りゅうえん)を追いかけるが、既に扉は閉ざされていた。彼女は外で待つことに決め、後から来た郭巨力(かくきょりき)も事情がわからないまま一緒に待つ。夜になり、雨が降り始めるが、慕灼華(ぼしゃくか)は立ち去ろうとせず、郭巨力(かくきょりき)も付き添い続ける。執墨(しゅうぼく)が傘を持ってきて、郭巨力(かくきょりき)が慕灼華(ぼしゃくか)に差し掛ける。
雨に濡れ続ける慕灼華(ぼしゃくか)を心配した執剣(しゅうけん)は、彼女に帰るよう説得するが聞き入れられない。劉衍(りゅうえん)は、慕灼華(ぼしゃくか)が帰りたいなら帰っていいと言う。だが、郭巨力(かくきょりき)が雨に打たれて倒れ、駆けつけた執墨(しゅうぼく)に抱えられて運ばれてしまう。その後、慕灼華(ぼしゃくか)も倒れてしまい、劉衍は慌てて彼女を部屋に運び込む。
趙院使(ちょういんし)の診察の結果、慕灼華(ぼしゃくか)は大事には至らず、薬を飲めば回復するとのことだった。看病する劉衍は、なぜ自分を諦めないのかと慕灼華(ぼしゃくか)に問う。別れが来るのなら、慕灼華(ぼしゃくか)の苦しみはより深くなるだけだと彼は考える。一方、刘皎 (りゅうきょう)は母の墓前で今の状況が一族の問題を解決する好機だと心の中で語る。沈驚鴻(しんきょうこう)は刘皎 (りゅうきょう)を訪ね、用件を伝えようとするが、彼女が足を捻挫していることに気づき、持っていた薬で治療する。
目を覚ました慕灼華は、傍にいる劉衍に看病してくれたのかと尋ねる。劉衍は否定し、郭巨力(かくきょりき)が全てしてくれたと言う。そして、回復したら家に帰るように勧めるが、慕灼華はなぜ劉衍が自分を部屋に入れたのか理解できない。劉衍は、雨の中で苦しむ動物でさえ可哀想に思うからだと答える。この言葉に慕灼華は自分がペットのように扱われていると感じ、劉衍の優しさはそれと同じなのかと問う。
劉衍は何も言わずに去るが、その後、慕灼華は再び彼を探しに行く。劉衍の体から強い薬の匂いを感じ、彼が何か病気を隠していることに気づく。慕灼華は、一人で抱え込まずに一緒に乗り越えようと伝え、劉衍を守りたいという強い思いを込めて彼にキスをする。
劉衍を救うため、慕灼華は多くの医書を読み、治療法を学ぶ。病状が悪化する中、彼女は新しく学んだ鍼治療を試みるが、劉衍が血を吐いたため大きなショックを受ける。それでも彼女は劉衍の傍を離れず、諦めたくない、彼を人生の通過点にしたくないと伝え、生きるよう励ます。
ついに劉衍は目を覚ます。自分が慕灼華を守るために別れを選んだことが、かえって彼女を傷つけてしまったことを悟る。趙院使(ちょういんし)の診察で劉衍の体内の毒が消えたことがわかり、皆は安堵する。再び劉衍を見舞った慕灼華と劉衍は、見つめ合い、互いの絆はより深まったようだった。
第30話あらすじとネタバレ
沈驚鴻(しんきょうこう)の進言
沈驚鴻(しんきょうこう)は劉琛(りゅうしん)に謁見し、世家製度の弊害を指摘した。まず、世家の子弟は高い教育資源を独占し、一般庶民は学ぶ機会が乏しい。その結果、官僚には無能な世家子弟が増え、行政の効率が低下している。次に、世家は広大な田畑を所有し、農民に高額な租税を課しているため、民は年がら年中働いても生活が困難で、災害や緊急事態が発生するとたちまち窮地に陥る。最後に、世家は朝廷を掌握し、権力が少数者に集中していることを、劉琛(りゅうしん)自身も実感しているはずだと述べた。これらの理由から、劉琛(りゅうしん)は世家の勢力を抑制する必要があると考えた。
慕灼華(ぼしゃくか)の願いと会話
慕灼華(ぼしゃくか)はこの地を気に入り、引退後は田園に帰り、野菜を育てたり家禽を飼ったりする生活を夢見ている。ある日、彼女は粥を炊いていたが、忙しさのあまり焦がしてしまったため、劉衍(りゅうえん)と外食に出かけた。そこで、劉衍(りゅうえん)がかつて北涼(ほくりょう)に勝利した武勇伝を語る語り部に出会い、慕灼華(ぼしゃくか)は興味深く詳細を尋ねた。
劉衍(りゅうえん)の勝利戦略
劉衍(りゅうえん)は当時の出来事を振り返り、巧みな外交手段で敵の戦力を削いだ経緯を語った。彼は北涼(ほくりょう)の将軍を捕虜にした後、丁重にもてなして送り返した。この行為により、北涼(ほくりょう)王はその将軍に猜疑心を抱き、 最終的に処刑を決断した。有能な将軍を失った北涼(ほくりょう)軍は士気が低下し、劉衍(りゅうえん)はこの機に乗じて北涼(ほくりょう)を打ち破ったのだ。
執墨(しゅうぼく)の気まずい状況と劉衍(りゅうえん)の思考
執墨(しゅうぼく)は「投我以木瓜、報之以瓊琚」を引用して想いを伝えようとしたが、郭巨力(かくきょりき)は食べ物を贈られたと勘違いして木瓜を食べてしまい、気まずい雰囲気になった。一方、劉衍(りゅうえん)は太皇太后(たいこう)の以前の発言を思い出し、北涼(ほくりょう)のスパイは彼女が送り込んだものではなく、また長年軍に駐屯している薛笑棠(せつしょうとう)もスパイと接触する機会は少ないことに気づいた。これは背後に別の見えない力が暗躍していることを示唆している。自身の体調回復と朝廷内の不穏な動きを考慮し、劉衍(りゅうえん)は都へ戻ることを決意し、慕灼華(ぼしゃくか)も同行を申し出た。
朝廷での対立
孫尚書が独断で奏上を処理したことに劉琛(りゅうしん)は激怒し、大臣たちが自分の職務を侵奪し、ほぼ全てを支配しようとしていると感じた。朝議で、劉琛(りゅうしん)は冗官のリストを作成し削減する意向を表明したが、大臣たちは猛反発し、恩蔭制度は先祖伝来の制度であり、安易に変更すべきではないと主張した。その時、劉衍(りゅうえん)が現れ、短い言葉で群臣を黙らせたが、同時に劉琛(りゅうしん)に官吏削減を一時延期するよう進言した。
権力基盤の強化の重要性
退朝後、劉衍(りゅうえん)は新帝である劉琛(りゅうしん)はまず権力基盤を固めるべきであり、強力な世家の利益にすぐさま手を付けるのは得策ではないと説明した。その後、劉衍(りゅうえん)は太皇太后(たいこう)を訪ね、黒幕を明かそうとした。しかし、太皇太后(たいこう)は既に話すことができず、劉衍(りゅうえん)の手の甲に噛み跡を残しただけだった。
噛み跡の秘密
この場面を目撃した慕灼華(ぼしゃくか)は、太皇太后(たいこう)が刘皎 (りゅうきょう)の手にある同様の噛み跡を示唆しているのではないかと推測した。調査結果と合わせ、劉衍は刘皎 (りゅうきょう)が遺詔をすり替えた真相に徐々に近づいていく。実は、大総管と宮女の杏児(きょうじ)は深い仲であり、杏児(きょうじ)こそが刘皎 (りゅうきょう)の実母だったのだ。
危機迫る状況
真相を知った執剣(しゅうけん)は刘皎 (りゅうきょう)を捕らえようとするが、包囲されてしまう。危機一髪、執墨(しゅうぼく)が助けに入り、自身は負傷してしまう。慕灼華(ぼしゃくか)は執墨(しゅうぼく)の傷の手当てをし、郭巨力(かくきょりき)に見張りをさせた。執剣(しゅうけん)は家の外で跪き続ける。慕灼華(ぼしゃくか)は彼の心情を理解しつつも、唯一の肉親である執墨(しゅうぼく)の気持ちを考えるように諭した。
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