第33話あらすじとネタバレ
戦闘と犠牲
遡漩は、手下たちに居十方を解放するように命じました。 「役立たず」と見做した彼を捕らえる意味はないと考えたからです。遡漩が居十方の来訪理由を問いただすと、彼は彼女への挑戦であると明言します。もし勝てば、熱海を開放する計画を諦めるよう求めるつもりでした。遡漩は彼の提案を嘲笑しますが、臨淵(りん えん)の説得もあり、対決を受け入れます。戦闘中、居十方は豆包を媒介として遡漩に立ち向かいますが、最後は豆包が破壊され、自身も重傷を負います。それでもなお、居十方は遡漩へ向かい、彼女への愛を告白し、最期の瞬間に彼女を傷つけます。
友の哀悼
祈は部屋で、居十方が仲間たちに宛てた手紙を見つけます。手紙には、皆への別れと、今回の行動への決意が綴られていました。祈が外へ駆け出すと、空から落ちてくる居十方の姿が目に入ります。仲間たちは彼の周りに集まり、深い悲しみに暮れます。越今朝(えつきんちょう)は居十方の遺体を背負い、仲間たちに見守られながら葬儀を執り行います。
心の変化
療養中の遡漩は、居十方から贈られた魯班鎖を受け取ります。開けてみると、中には彼女の肖像が彫られており、「敬故人」と名付けられていました。この行動は遡漩の心に深く響き、居十方への見方を根本的に変えます。彼女は、居十方の母親――衡道衆(こうどうしゅう)のメンバーであり、機関術の達人であったこと、そして彼の両親の愛の物語を思い出します。これらの記憶を通して、遡漩は居十方の行動の動機をより深く理解するのです。
開戦前夜
明繡は洛埋名(らくまいめい)からの手紙を閑卿(しずか)に渡します。閑卿(しずか)は手紙から、洛埋名(らくまいめい)が現在の状況に対してどのような準備をしていたのかを読み取ります。居十方の死で罪悪感に苛まれる明繡を慰めようとしますが、同時に、洛埋名(らくまいめい)が最も失いたくないのは自分自身であることにも気付きます。洛昭言(らくしょうげん)を自分に託しているからです。驭界枢の戦いが迫る中、皆はそれぞれ来るべき決戦に備えます。
大戦勃発
驭界枢に戻った越今朝(えつきんちょう)と祈は、贏旭危(えいきょくき)と会い、熱海が葬風原へ移されたことを知ります。贏旭危(えいきょくき)は、砲台を操り柷敔(きゅうき)を攻撃する計画を明かします。決戦当日、左盟主率いる正武盟のメンバーと、臨淵(りん えん)率いる禺族(ぎょぞく)の戦士たちは葬風原で激突し、激しい戦闘が始まります。
結び
居十方の犠牲は、遡漩の彼に対する見方を変えるだけでなく、仲間たちにも彼の成長した勇気と決意を見せつけました。彼の死は惜しまれるものでしたが、同時に皆に新たな認識をもたらしました。そして、戦争の勃発により、誰もが迫り来る運命に立ち向かわなければなりません。それぞれの選択が未来の行方を決めるのです。
第34話あらすじとネタバレ
明繡は一人で無垢の泉へ行き、無垢の守護者として柷敔(きゅうき)の弱点を予見しようとしました。馭界枢の大砲は三発しか残っておらず、正確な位置を特定する必要があったからです。しかし、無垢による未来視は偶発的なもので、意図的に発動させても目的は達成できず、仮噬を受ける危険性がありました。それでも明繡は天下蒼生のことを思い、師である顧寒江(こかんこう)と居十方を模範とし、自らの犠牲も厭いませんでした。顧寒江(こかんこう)は精神世界で明繡に「未来を見るには、目ではなく心を使え」と諭します。明繡の強い意誌を見て、顧寒江(こかんこう)は彼女の成長を心から喜びました。
一方、戦場で目を覚ました左盟主は、正武盟の仲間が全滅し、臨淵(りん えん)率いる禺族(ぎょぞく)に包囲されていることに気づきます。臨淵(りん えん)は左盟主の武勇を称え降伏を勧めますが、一世の英雄である左冠人(さかんじん)は屈辱を受け入れるはずもなく、槍を手に立ち上がり、禺族(ぎょぞく)に立ち向かいます。多勢に無勢の左盟主は、最後は臨淵(りん えん)に討たれますが、その目は瞑られていませんでした。明繡の姿が見えず、葬風原の激戦を案じた一行は、馭界枢から駆けつけます。
正武盟の全滅を目の当たりにした越今朝(えつきんちょう)たちは、左盟主の目に蓋をして、後事を託されました。明繡は自らの視力を犠牲にして柷敔(きゅうき)の弱点を予見し、龍潭(りゅうたん)の心を動かしました。彼女は柷敔(きゅうき)の三つの弱点を贏旭危(えいきょくき)に伝え、贏旭危(えいきょくき)は見事な砲撃で天晴之海を揺るがします。しかし、柷敔(きゅうき)は遡漩と共に葬風原に現れ、熱海の力を吸収しようとしました。駆けつけた越今朝(えつきんちょう)と祈は柷敔(きゅうき)を止めようとしますが、完全に闇に堕ちた柷敔(きゅうき)は耳を貸しません。
遡漩は熱海を開こうとしますが失敗し、洛昭言(らくしょうげん)が熱海を開放します。柷敔は危険を感じて逃走し、遡漩は越今朝(えつきんちょう)たちの仕業だと察知し、捕らえるよう命じます。葬風原へ無断で向かった越今朝(えつきんちょう)と祈を連れ戻すため、贏旭危(えいきょくき)は葛清霏(かつせいひ)と小媛(しょうえん)を派遣します。明繡の行動を知った閑卿(しずか)は、失明した彼女に水を差し、妖力で治療を施します。葬風原に到著した葛清霏(かつせいひ)は、一行の柷敔追跡を援護するため残ります。そして、数十年の因縁を持つ臨淵(りん えん)とついに戦場で対峙します。
越今朝(えつきんちょう)たちは天晴之海で柷敔を追跡しますが、遡漩率いる禺族(ぎょぞく)に阻まれます。閑卿(しずか)と洛昭言(らくしょうげん)の援護を受けながら、越今朝(えつきんちょう)と祈は柷敔を追います。馭界枢にいた贏旭危(えいきょくき)は胸の痛みを感じ、葛清霏(かつせいひ)が重傷を負ったという知らせを受け、葬風原へ急行します。巨大な火柱の下敷きになった葛清霏(かつせいひ)を救出します。
柷敔の鱗は砲撃により剝がれ落ち、巨大な鱗が小媛(しょうえん)と葛清霏(かつせいひ)を押し潰していました。葛清霏(かつせいひ)は小媛(しょうえん)を救出しますが、自身は鱗の下敷きになり、臨淵(りん えん)もまた命を落とします。
閑卿(しずか)と洛昭言(らくしょうげん)、越今朝と祈はそれぞれ遡漩率いる禺族(ぎょぞく)と柷敔と戦います。霧魂との血縛を解いた後も、柷敔の力は強大で、越今朝と祈は二人で戦っても敵わず、逆に傷を負います。閑卿(しずか)と洛昭言(らくしょうげん)も多勢に無勢で、満身創痍となります。最後は閑卿(しずか)が千年の修為を代償に、相討ちに持ち込みます。越今朝に励まされた祈は、再び母の柷敔の前に立ち、心念の剣で自らの使命を果たそうと決意します。
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