第21話あらすじとネタバレ
洛埋名(らくまいめい)は自宅で天体観測を行い、間もなく貴客が訪れることを予感していました。案の定、衡道衆(こうどうしゅう)の贏旭危(えいきょくき)が洛家を訪れました。二人は挨拶を交わした後、洛埋名(らくまいめい)は来訪者の身分を尋ねました。贏旭危(えいきょくき)は霧魂の守護者であり、衡道衆(こうどうしゅう)の統領であることを明かし、今回の来訪は熱海の件で、天晴之海の柷敔(きゅうき)に対抗するため、洛埋名(らくまいめい)と手を組みたいと申し出ました。洛埋名(らくまいめい)が協力による利益を尋ねると、贏旭危(えいきょくき)は彼と熱海の間の血縛を解くことを提案しました。この提案は洛埋名(らくまいめい)の望むところであり、彼はすぐにこの申し出を受け入れました。しかし、贏旭危(えいきょくき)は血縛を解くには至親の血脈の助けが必要だと告げ、洛埋名(らくまいめい)はそれを承知していました。
その頃、洛昭言(らくしょうげん)は一行を連れて洛家を訪れ、洛埋名に明繡たちと共に忘龍潭(りゅうたん)へ行き、顧寒江(こかんこう)を目覚めさせるよう依頼しました。皆を落ち著かせた後、洛埋名は洛昭言(らくしょうげん)だけを呼び止め、彼女と狼妖の関係を問い詰め、以前の約束を破ったと非難しました。洛昭言(らくしょうげん)は決して約束を忘れたことはないと主張しました。その後、洛埋名は洛昭言(らくしょうげん)に贈り物を渡し、彼女が元の女性の姿に戻れるようにしました。沐浴し著替えた洛昭言(らくしょうげん)を見た洛埋名の目には複雑な感情が浮かんでいました。男装の洛昭言(らくしょうげん)が元の姿に戻ったのを見た閑卿(しずか)は、彼女の美しさに目を奪われました。洛昭言(らくしょうげん)は照れくさそうに閑卿(しずか)の腕に抱きつき、一緒に散歩しようと誘いました。
居十方たちは女装の洛昭言(らくしょうげん)を見て、その美しさに驚嘆しました。越今朝(えつきんちょう)は居十方と祈を連れ出し、閑卿(しずか)と洛昭言(らくしょうげん)二人の時間を邪魔しないようにしました。翌日、洛埋名は皆を率いて熱海を通って龍潭(りゅうたん)に入りましたが、閑卿(しずか)は洛昭言(らくしょうげん)が同行していないことに不安を感じていました。龍潭(りゅうたん)に入った後、一行は閑卿(しずか)がいなくなっていることに気づき、明繡は顧寒江(こかんこう)を連れ戻そうと焦るあまり、龍潭(りゅうたん)の守護の罰を受け、幼い頃の記憶に囚われてしまいました。同時に、洛昭言(らくしょうげん)は洛埋名に囚われ、贏旭危(えいきょくき)に教えられた方法で熱海との血縛を解こうとしていました。
洛昭言(らくしょうげん)は洛埋名に迷いを捨てさせようと説得し、自分の命を使って彼の寿命を延ばすという約束を改めて伝えました。しかし、洛埋名は彼女と閑卿(しずか)の仲に嫉妬し、二人に復讐を誓っていました。洛昭言(らくしょうげん)が閑卿(しずか)を助けるよう懇願する中、閑卿(しずか)は既に彼女の危機を察知し、幾重もの障害を突破して助けに来ました。閑卿(しずか)は千年の狼妖でしたが、洛埋名の修練の前には無力でした。自分を助けるために閑卿(しずか)が苦しめられるのを見て、洛昭言(らくしょうげん)は心を痛め、洛埋名に閑卿(しずか)を傷つけるのをやめるよう懇願しました。
閑卿(しずか)の洛昭言(らくしょうげん)への真心を試すため、洛埋名は彼に命を維持する妖丹を渡すよう強要しました。それが死を意味することを知っていても、閑卿はためらうことなく妖丹を渡しました。一方、龍潭(りゅうたん)の守護は明繡への罰を続け、彼女を幼い頃の辛い記憶から抜け出せなくしていました。明繡は母親の惨死と、師匠である顧寒江(こかんこう)がどのように彼女を窮地から救い出したかを思い出しました。顧寒江(こかんこう)は、生きている者がしっかりと生きることが、亡くなった者への最高の弔いだと彼女を慰めました。
妖丹を失った閑卿は息も絶え絶えに倒れ込み、洛昭言(らくしょうげん)は激しく動揺し、鎖を断ち切って閑卿を守ろうと駆け寄りました。彼女は洛埋名にこれ以上の過ちを犯さないよう訴え、血縛を解くのは二人の間のことであり、罪のない者を巻き込むべきではないと主張しました。洛昭言(らくしょうげん)の強い意誌に直面し、洛埋名はついに妖丹を返し、洛昭言(らくしょうげん)に閑卿を連れて去るように告げました。
第22話あらすじとネタバレ
洛昭言(らくしょうげん)は傷ついた閑卿(しずか)を支えながら牢を出た。彼女は心に不安を抱えていた。閑卿(しずか)を巻き込んで怪我をさせてしまった罪悪感と、洛埋名(らくまいめい)の洛家に対する数百年に渡る「血縛・熱海」への怨念への理解が入り混じっていた。彼女は血縛を解くための犠牲になろうとしたが、洛埋名(らくまいめい)はそれを受け入れなかった。苦悩する洛昭言(らくしょうげん)を見て、閑卿(しずか)は永遠に傍にいると慰めた。
明繡は師匠を取り戻す一心で、龍潭(りゅうたん)衛戍(えいじゅ)が仕掛けた記憶の罠に囚われてしまう。しかし、師匠の言葉を思い出し、記憶の異常に気付き、虚構の世界に留まってはいけないと悟る。心を落ち著かせ、幻術から脱出した明繡の前に、もはや誰も捕らえられないと悟った龍潭(りゅうたん)衛戍(えいじゅ)は去っていった。
その後、宿何(しゅか)の姿で再び現れた龍潭(りゅうたん)は、明繡の願いを知りつつも、自分は万能ではなく、失われた命を取り戻すことはできないと告げる。願いを葉えるには、願う者の命とそれにまつわる全ての記憶を代償に、望む命を再構築する必要があるという。明繡の目に希望の光が灯る。師匠と心を通わせるためなら、どんな犠牲も払う覚悟だった。しかし、祈と居十方は、明繡が皆の記憶を失ってしまうと知り、止めようとする。師匠の言葉を思い出し、生きている者が精一杯生きることが、亡くなった者への最大の慰めだと悟った明繡は、師匠の想いを胸に、未来での再会を願いながら生きていくことを決意する。
明繡と居十方は龍潭(りゅうたん)を去り、越今朝(えつきんちょう)の心にはまだ多くの疑問が残っていた。宿何(しゅか)は彼と祈を呼び止め、記憶の墟へと導く。そこで祈は前世の記憶を取り戻し、師匠の扁絡桓(へんらっかん)との日々を思い出す。一方、越今朝(えつきんちょう)は前世の記憶のかけらも見つけることができなかった。落胆する越今朝(えつきんちょう)に、祈は何があっても傍にいると慰め、二人は深く抱きしめ合い、キスを交わした。
一同は与春山に戻り、沈痛な面持ちで顧寒江(こかんこう)を見送る。記憶を取り戻せない越今朝(えつきんちょう)が落込んでいることを知った閑卿(しずか)は、彼を顧寒江(こかんこう)の墓へと連れて行く。顧寒江(こかんこう)が生前、どんな困難にも負けず強く生きるようにと越今朝(えつきんちょう)に語っていた言葉を思い出し、彼は運命に屈せず、自らの力で未来を切り開く決意を固める。
まるで天が顧寒江(こかんこう)を悼むかのように、激しい雨が降る。祈は三年前に師匠と過ごした記憶を取り戻しながらも、越今朝(えつきんちょう)と過ごした三年の日々も大切に思っていた。雨の中、越今朝を訪ねた祈は、彼が自暴自棄になるのではなく、自分を守り、共に生きていく決意をしたことを知る。
皆は祈と共に天晴之海へ向かい、啓元(けいげん)珠の謎を解き明かそうとする。明繡が執著を捨て、皆と共に歩もうとしている姿に閑卿(しずか)は安堵する。数々の出来事を乗り越え、明繡は大きく成長していた。天晴之海で柷敔(きゅうき)に会った祈は、彼が魂魚を吸い込んでいるのを目撃し、彼が謎の溟主(めいしゅ)ではないかと疑念を抱く。
コメントする