如懿伝(にょいでん)(最終回)あらすじ85話・86話・87話、ネタバレ

第85話あらすじとネタバレ

太后が如懿に「毒心」という言葉の意味を尋ねた。如懿は、かつて姑母から宮中での処世術は手段の残酷さではなく心の冷酷さだと教えられたことを思い出した。そして、永琪(えいき)の死を目の当たりにし、皇后でありながら璟兕と永璟を守れなかった無力感を吐露した。そこで、永璂(えいけん)の安全を守るため太后に助けを求めたが、太后は如懿の真意を理解していないようだった。

如懿伝(にょいでん)~紫禁城に散る宿命の王妃~あらすじ、85話ネタバレ

一方、容珮(ようはい)と葉心が春蝉を連れ出したことで、衛嬿婉(えんえん)は不安を感じ、王蟾にこっそり調査するように命じた。容珮(ようはい)は春蝉に対し、進忠(しんちゅう)、瀾翠(らんすい)、芸角(うんかく)といった衛嬿婉(えんえん)のために働いていた者たちが皆不幸な目に遭ったことを指摘し、このまま衛嬿婉(えんえん)に従い続けてもよい結果にはならないと警告した。しかし、春蝉は容珮(ようはい)たちが自分と衛嬿婉(えんえん)の主従関係を壊そうとしていると言い張り、主人を裏切ることはないと断言した。安華殿から翊坤宮に戻った如懿は、皇帝の視線を感じたが、振り返らなかった。会わない方が良いこともあると考えたのだ。

王蟾が衛嬿婉(えんえん)に春蝉の行方が分からないと報告したその時、春蝉が突然現れた。容珮(ようはい)と葉心に連れられて安華殿に行き、如懿に会ったが何も話していないと主張した。表向きは春蝉の言葉を信じた衛嬿婉(えんえん)だが、内心では疑念を抱いていた。永璂(えいけん)が太后に引き取られ慈寧宮で育てられることになり、衛嬿婉(えんえん)は太后が何か異変に気づいたのではないかと不安になった。慈寧宮には専用の厨房があり、御膳房の料理が届かなくなったため、永璂(えいけん)の食事に細工ができなくなったのだ。

如懿伝(にょいでん)~紫禁城に散る宿命の王妃~あらすじ、85話ネタバレ

ある日の食事の席で、永璂(えいけん)は料理が口に合わないと訴え、御膳房の料理を食べたいと言った。皇帝はそれが御膳房の料理だと説明したが、永璂(えいけん)は尚書房で食べたものの方が美味しいと言い張った。太后は永璂(えいけん)の好みに合う料理を提供できるか確認するため、御膳房の料理人を調査することに決めた。この話を聞いた衛嬿婉(えんえん)は、春蝉が安華殿で何かを漏らしたのではないかと疑い、非常に焦った。

和敬公主は宦官の小徳子に衛嬿婉(えんえん)を監視させていた。そして、十五皇子・永琰に皇帝の命令に全て従う必要はないと教えていることを小徳子から聞いた。このことを知った和敬公主はすぐに皇帝に報告し、永琰をこのような生母のそばに置いておくべきではないと進言した。皇帝は、永琪(えいき)の死後、皇位を継げる皇子 は永璂(えいけん)と永琰しか残っていないと嘆いた。永璂(えいけん)は様々な出来事を経験し、性格が気難しくなっており、太后に預けて改善を期待している。永琰は賢いがまだ幼く、将来は予測できない。

現状を変えるため、皇帝は永璘を穎妃に、璟妘を恪嬪(かくひん)に預けて養育させ、永琰を寿康宮に送って太妃たちに教育させるよう命じた。これにより、全ての蒙古出身の妃は衛嬿婉(えんえん)の管轄から外れ、永寿宮に挨拶に行く必要もなくなった。生まれてからずっと衛嬿婉(えんえん)が育ててきた永琰が寿康宮に送られたことに、衛嬿婉(えんえん)は激怒し、春蝉の首を絞めて、全ては春蝉が安華殿に行ったせいだと責め立てた。

翌日、衛嬿婉(えんえん)は春蝉に謝罪し、自ら口紅を塗ってやった。これは自分の側で仕えていることの証だと告げた。そして、春蝉に母親の墓参りに行かせて宮外に出させた。春蝉が宮殿を出るのを見た海蘭(かいらん)は、江太医にこっそり後をつけさせた。途中で春蝉は口紅に仕込まれた毒で発作を起こした。江太医はすぐに解毒剤を与え、春蝉の命を救った。

海蘭(かいらん)は王蟾を呼び止め、春蝉は死んだと告げた。王蟾は言葉を失い、自分の過ちに気づいて慌てて言い直した。海蘭(かいらん)は、今は王蟾だけが生きていると指摘し、命を大切にするように警告した。この言葉に王蟾は恐怖に慄いた。

その後まもなく、皇帝は咳の病が悪化して倒れ、毓瑚(いくこ)はすぐに江太医を呼んで治療させた。養心殿に駆けつけた衛嬿婉(えんえん)に、江太医は皇帝の病状は過労による旧病の再発で、非常に危険な状態であり、意識が戻らないと診断した。包太医もこの診断を認め、王蟾は衛嬿婉(えんえん)に最悪の事態を覚悟するように忠告した。

皇帝の病状が改善しないため、太后が見舞いに訪れ、皇太子が決まっていないことを心配した。そして、秘盒の中に書かれている名前が永琰でなければ、あるいは何も書かれていなければどんなに楽か、と涙ながら訴えた。しかし、衛嬿婉(えんえん)はこれが太后と如懿たちが仕組んだ策略であることを知らなかった。

第86話あらすじとネタバレ

夜のとばりが下りた頃、衛嬿婉(えんえん)はこっそりと養心殿に足を踏み入れた。江太医を退出させた後、皇帝を呼んだが返事はなかった。この機に、秘密の箱を探し始めた。やっと箱を見つけ、中が空っぽなのを確認すると、十五皇子永琰への皇位継承を記した文書をしまおうとした。しかし、その時、皇帝が突然現れ、衛嬿婉(えんえん)は立ちすくんだ。

如懿伝(にょいでん)~紫禁城に散る宿命の王妃~あらすじ、86話ネタバレ

皇帝の前に跪き、海蘭(かいらん)からの告発を受けた衛嬿婉(えんえん)。永琪(えいき)を殺害しただけでなく、他者を利用して如懿に罪を著せたというのだ。皇帝が証拠を問うと、海蘭(かいらん)は重要な証人、春蝉を連れてきた。春蝉の姿を見て、衛嬿婉(えんえん)は大きく動揺した。かつて春蝉を亡き者にしようとしたからだ。春蝉は自分が殺されそうになった事実を語り、衛嬿婉(えんえん)の悪行がなければ、慎刑司にいても決して口を割らなかったと断言した。

衛嬿婉(えんえん)は弁明を試みたが、海蘭(かいらん)は既にその仮応を見越しており、もう一人の証人、衛嬿婉(えんえん)の弟、佐禄(さろく)を連れてきた。佐禄(さろく)は、母の巫蠱の罪を衛嬿婉(えんえん)の代わりに被って死んだ真相、そして自分が海蘭(かいらん)を陥れるように命じられた事実を明かした。十皇子、五公主、六公主の不幸など、次々と罪が暴かれ、皇帝は激怒し、衛嬿婉(えんえん)を厳しく叱責した。

如懿伝(にょいでん)~紫禁城に散る宿命の王妃~あらすじ、86話ネタバレ

数々の罪を突きつけられ、衛嬿婉(えんえん)は無実を訴え、当時は子もいなかった自分がなぜ皇子を害する必要があるのかと泣き叫んだ。しかし、春蝉は衛嬿婉(えんえん)の野心はそれ以上に大きく、如懿を憎み、何度も陥れようとし、凌雲徹の想いを利用さえしたと指摘した。さらに、茂倩(ぼうせん)と豫妃の告発を仕組んで皇帝と如懿の仲を引き裂き、如懿を廃位させて自分が皇后の座に就こうとしたのだと。

続いて太后が現れ、永璂(えいけん)の食事に毒キノコを入れて永琰の皇位継承を確実なものにしようとした衛嬿婉(えんえん)の陰謀を暴露した。全ては如懿が仕組んだ罠であり、衛嬿婉が本当にそこまでやるのかを試すためだったという。如懿は自ら経幡を作り、衛嬿婉のせいで亡くなった者たちの魂を弔うよう、安華殿で読経することを命じた。

ついに皇帝は衛嬿婉に厳しい罰を与えることを決め、牽機薬を飲ませるよう命じた。苦しみもだえる衛嬿婉を見て、皇帝は後悔とやるせなさを感じながらも、この件を処理した。その後、皇帝は自ら翊坤宮を訪れ、如懿に木蘭への巡幸に同行するよう誘った。皇后の冊宝を再び受け入れてほしいと願う皇帝に対し、如懿は全てを悟ったように申し出を断り、巡幸を大切にするようにと意味深な言葉を残した。

李玉は皇帝の機の上にある「蘭因絮果」の四文字に気づき、その意味を尋ねた。皇帝は男女の縁の始まりは美しくても、終わりはしばしば悲しいものだと説明した。最後に、如懿は自分と皇帝の肖像画を取り寄せ、皇帝の部分を切り取って火鉢に投げ込み、心が完全に変わったことを示した。

最終回(第87話)あらすじとネタバレ

心落ち著かない思い出

如懿伝(にょいでん)~紫禁城に散る宿命の王妃~あらすじ、87話ネタバレ

木蘭巡幸中の皇上は、上の空で落ち著かない様子だった。一方紫禁城では、如懿が容珮(ようはい)を連れ、城内を散策していた。彼女は一人で城壁に登る。そこは若い頃、皇上と共に遠くを眺めた場所だった。夜になり、如懿は容珮(ようはい)を座らせ、二人で語り合う。如懿は初めて容珮(ようはい)に出会った時のこと、耿直という宦官に毅然と立ち向かう彼女の姿を思い出し、まるで昨日のことのようだと語る。容珮(ようはい)は幼い頃から頼る者もなく、如懿に気に掛けてもらえたことが幸運だったと感謝し、如懿もまた、容珮(ようはい)が側にいてくれたことが自分の福分だと答える。

過ぎ去りし日々

如懿伝(にょいでん)~紫禁城に散る宿命の王妃~あらすじ、87話ネタバレ

如懿の心は過去の思い出でいっぱいだった。初めて宮中に入り、姑母に会った時、宮中の赤い壁と緑の瓦の壮大さに圧倒されたこと。城壁の上で弘歴と初めて出会い、共に宮外へ抜け出し、遊び戯れたこと。弘歴は彼女を守ると約束した。そして王府に入り側福晋(ふくじん)となった夜、弘歴が蓋頭を上げた時の眼差し、それから今日に至るまでの二人の道のり。容珮(ようはい)は如懿の気持ちを理解していた。彼女は皇上を恋しく思っていたのだ。これらの日々を思い出す度に、如懿は感慨深く、まるで昨日起こったことのようであり、またまるでなかったことのようにも感じていた。

故人を偲んで

最近、如懿は姑母、阿箬(あじゃく)、琅嬅、そして衛嬿婉(えんえん)など、多くの故人を思い出すことが多くなった。彼女はかつて皇上に、宮廷内の策略や争いは尽きることがなく、寵愛や一族の利益のために多くの命が犠牲になっているが、それは本当に価値のあることなのかと問うた。もし永璜(えいこう)と永琪(えいき)が生きていて、璟兕と永璟が大人になっていたら、どんなに素晴らしいことだろう。もし何もかもがなかったら、皆で一緒にお茶を飲みながら話したり、もしかしたら皇上も一緒にいたかもしれない。

最後の時間

如懿は容珮(ようはい)と一緒にお茶を飲んでいたが、味が薄いと感じ、新しいお茶を入れてくれるよう頼んだ。如懿は皇上から贈られた、今は枯れてしまった緑梅の鉢植えをじっと見つめていた。容珮(ようはい)が新しいお茶を持って戻ってきた時、如懿は静かに息を引き取っていた。残されたのは、抑えきれない悲しみだった。知らせはすぐに木蘭囲場に届き、進保は皇上に如懿の薨去を報告した。皇上はこの知らせに驚きを隠せない。進保は、如懿が長い間癆症を患っており、夜の子の刻に安らかに息を引き取ったこと、容珮(ようはい)も殉死したことなどを説明した。葬儀の手配について問われた皇上は、怒って進保を追い払い、その話をしたがらなかった。

後悔と回想

皇上は出発前に如懿の最期を看取った。なぜ病気を隠していたのか、なぜ薬を飲まなかったのか理解できなかった。葬儀では、穎妃をはじめ皆が悲しみに暮れていたが、寒香見(かんそうけん)は悲しむことはない、如懿は自分の少年郎を見つけたはずだと語った。皇上は翊坤宮の門に著くと、偶然永璂(えいけん)に出会った。永璂(えいけん)は母が「自分は自由になった」と言っていたことを伝え、皇阿瑪に本当にそうなのかと尋ねた。永璂(えいけん)は如懿から託された手紙を皇上に渡した。手紙には、息子が一生平安で幸せに暮らせるように、そして自分の幸せを追求できるようにとの願いが綴られていた。如懿は皇上への言葉は残さず、手紙と枯れた緑梅だけを残した。

肖像画と決断

皇上は半分破られた肖像画を見ていた。李玉は如懿の病状が重く、手の施しようがなかったが、安らかに息を引き取ったことを伝えた。昼間は容珮(ようはい)と散歩をし、夜は廊下でお茶を飲み、眠るように亡くなったという。肖像画の残りの半分は如懿自身の手で焼かれていた。皇上は郎世寧に肖像画の修復を命じたが、郎世寧は絵は心の代わりにはならず、こだわるべきではないと進言した。皇上は一人で城壁に登り、如懿との日々を思い出し、声を上げて泣いた。その後、皇貴妃の礼をもって葬儀を行うよう命じ、宮中における如懿の記録を全て抹消し、烏拉那拉氏の薨去を天下に告げた。

後位を巡る争い

太后は皇上に、烏拉那拉氏の薨去を公表し、皇后の葬儀を改めた真意を問いただした。それは廃后を意味しているように思えたからだ。皇上は杭州で太后が廃后は失徳の行いだと語ったことを思い出し、太後の意向に背くことはできなかった。今、如懿は皇后の座を降り、冊宝を返し、病に伏しても薬を飲まず、皇后になった時の肖像画さえも半分破ってしまった。それでも太后は、純恵皇貴妃の墓に葬るのは行き過ぎだと考えていた。皇上は、如懿が公の場で断髪し、何度も自分に逆らい、自分の尊厳を傷つけたことを説明した。礼法で天下を治める自分が、もし皆が如懿のように振る舞ったら、どうやって民や宮廷を治めることができるのかと。太后は、皇上が如懿に自由を与えようとしているのだと理解した。

太後の理解

9年後、永琰は結婚し親王に封ぜられ、太子の最有力候補となっていた。七公主と九公主も嫁ぎ、衛嬿婉(えんえん)だけが狂ったまま生きていた。自業自得とはいえ、永琰も大きくなった今、このような母の存在は良くないと太后は皇上に忠告した。ついに皇上は衛嬿婉(えんえん)に鶴頂紅を賜り、9年間の狂気の人生に終止符を打った。乾隆40年、皇貴妃衛氏は薨去し、炩懿皇貴妃と諡された。

終焉

皇上は十五皇子永琰を太子に立てる詔書を書き、箱に納めた。先帝も皇太子を立てた時、同じように安堵と不安を感じたのだろうか。皇上はこの人生で夫婦の情、側室の恭順、父母の恩、子宝の福を経験したが、そのほとんどを失ってしまった。嘉慶4年、弘歴は太上皇となり、白髪頭で震える手で箱を取り出した。中には若い頃の自分と如懿の髪が入っていた。弘歴は自分の白髪を少し切り、如懿の髪と共に箱に納めた。二つの髪が入った箱を手に、弘歴は椅子に深く腰掛けた。傍らの緑梅の鉢植えには、新しい芽が出ていた。1799年、清高宗乾隆帝(けんりゅうてい)は89歳で崩御した。それ以後、清の滅亡まで、烏拉那拉氏の女性が宮中に入ることは二度となかった。