第25話あらすじとネタバレ
皇帝は王儇(おうけん)に、歴代皇帝の間で口伝えに伝わる秘密の場所について語り、徳宣太後の埋葬場所を知っているか尋ねた。王儇(おうけん)は皇室の伝統に従い、徳宣太后は皇陵に埋葬されているべきだと考えた。しかし皇帝は、肅宗と高宗(こうそう)の生母である徳宣太后は、皇位継承争いで肅宗が高宗(こうそう)を殺害するのを目撃し、憤慨して慈安寺に隠遁したと説明した。彼女の意思を尊重するため、肅宗は慈安寺に秘密裏に地下宮殿を築き、その最期の地とした。地下宮殿には二つの出口があり、一つは慈安寺に、もう一つは皇帝の寝宮に通じていた。皇帝は王儇(おうけん)にこの秘密の通路を使って密かに脱出するよう促した。
子律(しりつ)が寝宮に駆けつけ、皇帝に譲位の詔書をすぐに書くよう迫った時、皇帝は疲れていることを理由に拒否した。子律(しりつ)の怒りと圧力に対し、皇帝はせめて三日間だけ安らぎを与えてほしいと懇願した。この言葉に子律(しりつ)は心を動かされ、最終的に皇帝の願いを聞き入れた。
風池宮に戻る途中、王儇(おうけん)は皇后が幽閉され、昭陽殿には桓宓(かんひつ)が住んでいることを知った。一方、子律(しりつ)は詔獄を訪れ、王藺(おうりん)に自分の陰謀を阻止できなかったことを残念がり、実は桓宓(かんひつ)に好意を抱いていることを明かした。これは王藺(おうりん)にとって屈辱であり、復讐を決意した。
深夜、皇帝が危篤状態に陥り、王儇(おうけん)が薬を飲ませる以外受け付けないという報告を受けた子律(しりつ)は、王儇(おうけん)を寝宮に遣わした。王儇はこれが皇帝が作った脱出の機会だと理解した。皆を下がらせた後、王儇は地下通路から脱出し、皇帝の指示通り虎符を手に入れた。その後、慈安寺で長公主(ちょうこうしゅ)と会い、子律(しりつ)の仮乱を伝え、西郊大営に援軍を求めるため、夜を徹して出発することにした。身の安全を考慮し、長公主(ちょうこうしゅ)は王儇に宮殿に戻る危険を冒すべきではないと忠告したが、王儇は決意を変えなかった。
王儇は宋懐恩(そうかいおん)と合流し、共に魏邯(ぎかん)将軍の屋敷へ向かった。魏老夫人を人質にとり、魏邯(ぎかん)に密談を承諾させた。王儇は虎符と皇帝の密詔を見せ、緊急事態を説明し、京の乱の鎮圧への協力を要請した。二つの内容の異なる密詔に魏邯(ぎかん)は困惑したが、母の支持もあり、最終的に王儇を信じることにした。一刻を争う状況の中、王儇は宋懐恩(そうかいおん)に任務を託し、蕭綦(しょうき)に桓公(かんこう)の脅威を伝え、国の運命をこの信頼できる味方に委ねるよう指示した。
一方、鬼霧穀では、敵対勢力が新たな陰謀を企てていた。水源に毒が盛られ、蕭綦(しょうき)の軍隊に多くの病人が出ていた。困難な状況に直面しながらも、蕭綦(しょうき)は冷静さを保ち、予定通り謇寧(けんねい)王との戦いに向けて出兵の準備を進め、同時に事態の推移を注意深く見守っていた。
夜明けが近づくにつれ、長公主(ちょうこうしゅ)は王儇からの知らせを待ちわびていた。王儇はこれ以上城外に出ることは危険だと判断し、虎符と密詔を宋懐恩(そうかいおん)に託し、迅速に行動するよう指示した。この決断は王儇の知恵と勇気を示すだけでなく、今後の重要な局面の基礎を築くものとなった。
第26話あらすじとネタバレ
王儇(おうけん)が去った後、魏邯(ぎかん)は部下に箝口令を敷いた。魏老夫人は自ら慈安寺まで王儇(おうけん)に付き添った。道中、魏老夫人は、もし魏邯(ぎかん)が自分の指示に従わなかったらどうするのかと王儇(おうけん)に尋ねた。王儇(おうけん)は、魏老夫人には多少の苦痛を味わってもらうかもしれないと率直に答えた。魏老夫人は怒るどころか、危機に際しての王儇(おうけん)の決断力を称賛し、魏邯(ぎかん)は孝行者だが、自分のため大義を捨てることは決してないと付け加えた。
慈安寺に近づいた時、突然追手に襲われた。二人は急いで寺の中に逃げ込んだ。追手は長公主(ちょうこうしゅ)と魏老夫人を恐れ、引き上げていった。王儇(おうけん)は地下通路を使って宮殿に戻った。
皇帝は王儇の帰りを待ちわび、不安に駆られていた。子律(しりつ)の部下は、弔るされていた二人の大臣が既に死亡し、他の大臣たちが動揺していると報告した。そこに王儇が目撃されたという知らせが届き、子律(しりつ)は皇帝の寝宮へ向かった。幸いにも、この遅延のおかげで王儇は間一髪で戻ることができた。
王儇は皇帝の元に戻り、疲れたふりをした。皇帝はわざと彼女の裾を汚し、著替えに戻るように仕向けた。同時に子律(しりつ)は彼女に余計なことをするなと警告した。帰宅した王儇は、一夜不在を心配する子澹(したん)に対し、もし本当に自分のことを思うなら、外で子律(しりつ)を止めるべきだったと冷たく言い放った。子澹(したん)の行動は愚かな自滅行為で、何の役にも立たないと切り捨てた。子澹(したん)はこの言葉に深く傷ついた。時を同じくして、太医は皇帝がこの冬を越せないだろうと診断した。
鬼霧穀では、狼煙を見た謇寧(けんねい)王は桓公(かんこう)が成功したと思い込み、攻撃を命じた。しかし、蕭綦(しょうき)は既に待ち伏せしており、槍と矢の雨で敵を迎えた。謇寧(けんねい)王は素早く対応し、突破を図ったが、蕭綦(しょうき)が火罐を投げつけたことでその目論見は失敗に終わった。桓公(かんこう)の生死が不明なまま、謇寧(けんねい)王は内外挟撃の計画が失敗したことを悟り、撤退を命じた。寧朔(ねいさく)軍は追撃し、謇寧(けんねい)王を包囲した。それでも謇寧(けんねい)王は蕭綦(しょうき)との一騎打ちを望み、ついに捕らえられた。敗北後、謇寧(けんねい)王は真実を知りたいと願い、蕭綦(しょうき)は全てを打ち明けた。謇寧(けんねい)王は蕭綦(しょうき)に感服したが、降伏を拒み、潔く死ぬことを選んだ。蕭綦(しょうき)はその意を汲み、剣を渡し、謇寧(けんねい)王は寧朔(ねいさく)軍の前で自害した。蕭綦(しょうき)は謇寧(けんねい)王を厚葬するよう命じ、すぐさま都へ戻ることにした。
一方、子律(しりつ)は皇帝を連れて御花園を散歩し、孝行を尽くすかのように振る舞った。彼は幼い頃に太子(たいし)と子澹(したん)を羨ましく思っていたこと、皇帝に認められようと努力したことなどを語り、結婚のことも持ち出し、それが自分の憎しみの始まりだと皇帝を責めた。
また、宋懐恩(そうかいおん)は京畿大営に到著し、虎符と密詔を示したが、陸将軍(りくしょうぐん)に疑われ捕らえられた。陸将軍(りくしょうぐん)は彼を拘束し、尋問を始めた。
第27話あらすじとネタバレ
宮中にて、子律(しりつ)は再び皇帝に譲位の詔書の起草を促しますが、皇帝は巧みに話題を逸らします。皇帝は、子律(しりつ)は実子ではないものの、自分に一番価ていると語り、まるで父子愛で子律(しりつ)の態度を和らげようとしているかのようでした。しかし、皇帝の真の疑問は、なぜ子律(しりつ)は自分の父が謇寧(けんねい)王だと確信しているのか、ということでした。この問いに、子律(しりつ)は沈黙します。
王儇(おうけん)の行動と知らせ
一晩の逃避行の後、王儇(おうけん)は風池宮で束の間の休息を得ます。目を覚ますと、子澹(したん)が皇帝に謁見を求めていること、そして三日後に子律(しりつ)の婚礼が行われることを侍女から聞かされます。子澹(したん)が皇帝の寝宮に到著した時、偶然子律(しりつ)と遭遇します。子律(しりつ)は子澹(したん)への寛容は十分だと考えていましたが、子澹(したん)の態度は彼を天牢に投入することを決意させます。寝宮に入り挨拶をした際、子澹(したん)は王儇(おうけん)の窮状を自責し、皇帝に叱責されても意に介しませんでした。皇帝は彼の腑甲斐なさに怒り、王儇(おうけん)が彼に嫁がなくて幸いだったと嘆きます。権力闘争に敗れ、王儇(おうけん)を失った子澹(したん)ですが、今後の道を尋ねると、皇帝はただ「天下」の二文字を返答として残しました。その後、詔獄に送られた子澹(したん)は、先ほどの会話を繰り返し考え、もしかしたら天下を得ることこそが王儇(おうけん)の心を取り戻す道なのかもしれないと考えます。
子律(しりつ)の婚礼準備
一方、子律(しりつ)は桓宓(かんひつ)との時間を過ごしながら、部下から鬼霧穀の報告を受けます。この時、子律(しりつ)はまだ謇寧(けんねい)王と桓公(かんこう)の敗戦を知らず、盛大な婚礼を心待ちにしていました。彼はまた、王夙(おうしゅく)に離縁状を送るよう指示し、王藺(おうりん)に式典への出席を依頼します。王夙(おうしゅく)は離縁状を燃やしますが、王藺(おうりん)は出席すると笑って答えます。
静かに流れる陰謀
深夜、王氏の暗衛である申未(しんみ)が王儇(おうけん)を見つけます。王儇(おうけん)は申未(しんみ)が青雲(せいうん)道長であることに気づきます。実は、皇帝が即位した当初から、王藺(おうりん)は彼を宮中に潜入させていました。今、青雲(せいうん)道長は王儇(おうけん)を助けるために遣わされたのです。新たな助力を得た王儇(おうけん)は、申未(しんみ)に宮外の勢力と連絡を取り、宋懐恩(そうかいおん)か魏邯(ぎかん)の助けを求めるよう指示します。申未(しんみ)は暗衛の子乙を宮外に送り出し、子乙はまず豫章(よしょう)王府へ行き龐癸(ほうけい)と情報交換をした後、魏邯(ぎかん)を探します。
陸将軍(りくしょうぐん)の決断
陸将軍(りくしょうぐん)は王藺(おうりん)が謀仮を企てていると確信し、王儇(おうけん)が王藺(おうりん)の娘であることから、宋懐恩(そうかいおん)の到著に警戒を強めます。宋懐恩(そうかいおん)は子律(しりつ)こそが真の謀仮人だと主張しますが、陸将軍(りくしょうぐん)は王氏の謀仮を証明する文書に署名するように迫ります。重傷を負った宋懐恩(そうかいおん)は抵抗を試みますが、すぐに取り押さえられ、強製的に署名させられます。陸将軍(りくしょうぐん)はこの文書を持って京城へ向かいますが、魏邯(ぎかん)に阻止されます。
蕭綦(しょうき)の進軍
蕭綦(しょうき)の軍隊は臨梁関に到著します。守備隊長は開門を拒みますが、蕭綦(しょうき)の威名に圧され、やむなく門を開きます。
婚礼の異変
子律と桓宓(かんひつ)の婚礼当日、桓宓(かんひつ)は侍女に気絶させられ、浴槽に隠されます。替え玉が彼女の婚礼衣装を著ます。桓宓(かんひつ)に会えなかった子律は皇帝の寝宮に行き、譲位の詔書を要求します。今回は皇帝は引き延ばすことなく、既に用意していた詔書を渡します。子律が去ろうとした時、皇帝は自ら皆の前でこの詔書を読み上げると提案します。
大殿前の観礼
吉時は既に到来し、王家、謝家、そして豫章(よしょう)王妃は大殿前に集まり、式典を待っています。
第28話あらすじとネタバレ
子律(しりつ)と桓宓(かんひつ)の結婚式が盛大に執り行われたが、実は桓宓(かんひつ)は偽物だった。王夙(おうしゅく)は激昂し、二人を殺そうと飛び出すが、兵士に取り押さえられる。子律(しりつ)は偽物の桓宓(かんひつ)を連れ、皇帝に譲位詔書を読み上げさせる。詔書の読み上げが終わりに近づいた時、王儇(おうけん)の指示で偽桓宓(かんひつ)は子律(しりつ)に匕首を突き立てるが、失敗し、逆に兵士に殺される。
偽物だと気づいた子律(しりつ)は驚きつつも安堵し、王儇(おうけん)の元へ向かう。王儇(おうけん)は本物の桓宓(かんひつ)を人質に子律(しりつ)を牽製する。子律(しりつ)は江山も桓宓(かんひつ)も諦めないと宣言。激怒した子律は王儇(おうけん)に剣を向けるが、子澹(したん)が身を挺して庇い、倒れてしまう。子律が再び攻撃しようとした瞬間、蕭綦(しょうき)が兵を率いて到著し、矢で子律の剣を落とす。子律は皇帝を連れ去り後宮へ逃亡。蕭綦(しょうき)と王儇(おうけん)は皇帝の救出を最優先とする。太子(たいし)は皇帝の身を案じ後を追おうとするが、謝宛如(しゃえんじょ)に止められる。
蕭綦(しょうき)は追撃を開始し、仮乱軍を壊滅させる。皇帝を人質に取った子律だけが追い詰められる。抵抗を続ける子律だが、謇寧(けんねい)王の死を知り、動揺する。そこに王儇(おうけん)と桓宓が現れる。王儇は桓宓の生死は子律の選択次第だと告げる。王夙(おうしゅく)が突然現れ、子律は再び皇帝に剣を突きつける。王夙(おうしゅく)は子律が自分の妻を奪ったと責めるが、桓宓は自らの意思だと主張し、王藺(おうりん)の妨害がなければ既に子律の妻になっていたと語る。怒り狂った王夙(おうしゅく)は桓宓に剣を振り上げようとする。その隙に蕭綦(しょうき)の部下が矢を放ち、子律は乱箭に倒れる。全てを目の当たりにした桓宓は絶望し、自ら王夙(おうしゅく)の剣に飛び込み、子律と共に命を絶つ。
仮乱鎮圧後、大臣たちは蕭綦(しょうき)の功績を称え、皇后は王藺(おうりん)と武衛将軍への任命を相談するが、王藺(おうりん)は慎重な姿勢を見せる。九死に一生を得た太子(たいし)は恐怖と後悔に苛まれ、子律への警戒を怠ったことを悔やむ。皇后は太子(たいし)の弱腰を叱責し、謝宛如(しゃえんじょ)にも自分の権威に挑戦しないよう警告する。皇后が去った後、太子(たいし)は謝宛如(しゃえんじょ)を支えるが、謝宛如(しゃえんじょ)は太子(たいし)の頼りなさに失望し、夫としての支えを感じられない。
皇后は未だ不安を抱え、太子(たいし)に宮中の子律の残党を一掃したか確認する。太子は王藺(おうりん)が処理していると答え、皇后を安心させる。皇后は太子に王藺(おうりん)への依存を戒め、自分以外誰も信じるなと忠告する。
ようやく二人きりになれた王儇と蕭綦(しょうき)は、あの日の危機を振り返り、蕭綦(しょうき)は王儇を失う恐怖を初めて感じたと言う。王儇は蕭綦(しょうき)を慰め、なぜ一万の兵しか連れて来なかったのか尋ねる。蕭綦(しょうき)は乾坤一擲の賭けだったと説明し、王儇が深宮で兵を動かせると思わなかったと語る。魏老夫人の件については、蕭綦(しょうき)は魏邯(ぎかん)の報復を心配していないと言い、王儇も既に説明済みだと答え、二人は穏やかな時間を過ごす。玉秀(ぎょくしゅう)は王儇の目覚めを聞きつけ見舞いに訪れる。蕭綦(しょうき)は命懸けで王儇を助けた玉秀(ぎょくしゅう)に感謝し、後日必ず厚く報いると約束する。長公主(ちょうこうしゅ)は豫章(よしょう)王府を訪れ、蕭綦(しょうき)が新婚初夜に屋敷を離れたことを咎める一方で、何度も王儇を危機から救ったことに感謝する。
子澹(したん)は昏睡から目覚め、謝宛如(しゃえんじょ)の姿を見ると、皇位を狙うなら謝家は協力してくれるかと尋ねる。食事の後、蕭綦と王儇は屋敷を散歩していると、蘇錦児(そきんじ)が補品を持って現れる。蘇錦児(そきんじ)は王儇が子澹(したん)を見舞うだろうと思い、事前に用意したと言う。蕭綦は不快感を露わにし、蘇錦児(そきんじ)が去った後、王儇に子澹(したん)の見舞いに行って欲しくないと伝える。
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