第17話あらすじとネタバレ
王儇(おうけん)は宋懐恩(そうかいおん)に謇寧(けんねい)王の攻撃開始時期を尋ねた。宋懐恩(そうかいおん)は、内通者の呉謙(ごけん)を失った謇寧(けんねい)王は暉州の内部事情に疎いため、容易には攻めてこないだろうと分析する。しかし、時間稼ぎも長くは続かない。蕭綦(しょうき)の帥旗を城壁に掲げ、既に援軍が到著したように見せかけているが、蕭綦(しょうき)が本当に暉州にいたら、自ら打って出ているはずだ。今の膠著状態はすぐに綻びを見せるだろう。王儇(おうけん)は激しい戦闘は避けられないと覚悟した。
王儇(おうけん)は蕭綦(しょうき)が必ず助けに来ると信じていたが、宋懐恩(そうかいおん)は間に合わない可能性を危惧し、状況が悪化すれば水路から王儇(おうけん)を護送して脱出すると言う。しかし、王儇(おうけん)は将士たちと運命を共にする決意を固め、逃げることを拒否した。
一方、謝宛如(しゃえんじょ)は蘇錦児(そきんじ)に二つの薬を渡し、子澹(したん)が王儇(おうけん)に会ったら二人で服用するように指示する。蘇錦児(そきんじ)はためらうが、謝宛如(しゃえんじょ)は薬は体に害はなく、ただ気分が悪くなるだけだと説明し、事後には子澹(したん)の側室にしてやると約束する。蘇錦児(そきんじ)は薬を受け取った。
謇寧(けんねい)王は暉州の動きを虚勢だと疑い、翌日強攻することを決める。この知らせを聞いた王儇(おうけん)は宋懐恩(そうかいおん)に持ちこたえられる時間を尋ね、二日が限界だと告げられる。王儇(おうけん)は謇寧(けんねい)王に蕭綦(しょうき)が暉州にいると思わせるしかないと考え、攻撃を遅らせる策を練る。その時、民に粥を振る舞っていた王儇(おうけん)の前に子澹(したん)が現れ、彼女の心に過去の思い出が蘇る。
王儇(おうけん)は子澹(したん)を行館に案内する。半年ぶりの再会だが、まるで一生が過ぎたかのようだった。子澹(したん)は王儇(おうけん)の身を案じ、共に戦乱を離れ、静かに暮らそうと誘う。しかし、大戦前夜にそんな無責任な言葉を口にする子澹(したん)に、王儇(おうけん)は失望する。子澹(したん)との約束が破られた日から、全てが変わってしまったのだ。子澹(したん)が差し出した簪を見て涙を流す王儇だが、一歩間違えれば一生を誤ると告げる。今は蕭綦(しょうき)と生死を共にし、心を通わせた、真の豫章(よしょう)王妃なのだと。子澹(したん)は信じようとせず、王儇が恐怖からそう言っているのだとさえ思う。彼は王儇を抱きしめ懇願するが、振り払われてしまう。
王儇は二人は既に変わってしまったと指摘する。もし子澹(したん)が留まって協力するなら歓迎するが、そうでないなら早く去るように言う。彼の名声を守るためにも、このことは口外しないと約束する。子澹(したん)は王儇を連れ去ろうとするが、王儇は民のことを考え、彼らを置いて行けるのかと問う。そして、皆の前で子澹(したん)が都から暉州を守るために駆けつけてくれたと宣言し、民衆の歓呼を浴びる。その時、宋懐恩(そうかいおん)が謇寧(けんねい)王の軍が南門に集結し、攻撃準備を整えたと報告に来る。
牟連(むれん)は呉謙(ごけん)を城壁に縛り付け、謇寧(けんねい)王に蕭綦(しょうき)が呉謙(ごけん)を捕らえ、寧朔(ねいさく)軍と共に城内にいると示す。謇寧(けんねい)王が攻撃を開始しようとした時、王儇は自ら城外に出て彼と会う。王儇の出現に驚く謇寧(けんねい)王に、彼女は蕭綦(しょうき)が仮乱軍を討つ意思はあったが、自分が止めたのだと説明する。謇寧(けんねい)王は信じず、蕭綦(しょうき)は城内にいないと断言する。王儇は多くを語らず、民のために一日だけ攻撃を遅らせ、民を避難させる時間を与えてほしいと懇願する。自らの命を担保に、謇寧(けんねい)王は彼女の願いを聞き入れる。城に戻った王儇は牟夫人と玉秀(ぎょくしゅう)に民の避難を指示し、将士たちを鼓舞して明日の戦いに備える。
一方、皇宮では、青雲(せいうん)道長が聾唖者を装い皇帝の修仙に付き添っていたが、実は王藺(おうりん)が送り込んだ刺客で、丹药に毒を盛っていた。王藺(おうりん)は青雲(せいうん)に指示を出し、三ヶ月以内に皇帝を亡き者にしようと企む。しかし、皇帝は既に異変に気付き、丹药を服用しなくなっていた。
翌日、謇寧(けんねい)王は再び攻撃を開始する。宋懐恩(そうかいおん)と牟連(むれん)は奮戦し、最初の攻撃を退ける。王儇は城内で民を落ち著かせ、民衆は感銘を受け、自らも戦いに参加したいと申し出る。夜になり、謇寧(けんねい)王は猛攻を続け、一番乗りには褒美を与えると約束する。激しい攻撃により、ついに城門が突破される。宋懐恩(そうかいおん)は寧朔(ねいさく)軍を率いて急行し、城門を守ろうと必死の抵抗を続ける。
第18話あらすじとネタバレ
寧朔(ねいさく)軍を率いる宋懐恩(そうかいおん)が南城で奮戦する中、西門の守備隊は寡不敵衆で敗走した。この知らせを受けた王儇(おうけん)は、最後の抵抗を試み、龐癸(ほうけい)に持ち場を死守するよう命じる。自らも負傷兵の看護にあたり、子澹(したん)からの撤退の勧めを拒否する。間もなく、西門陥落の急報が届き、兵士たちは市街戦を強いられているという。王儇(おうけん)の身を案じる兵士は、再び彼女に避難を促す。
南城の状況を尋ねた王儇(おうけん)は、宋懐恩(そうかいおん)と牟連(むれん)が必死に戦っていることを知る。時間がないと悟った彼女は、龐癸(ほうけい)に裏門からの撤退を指示する。子澹(したん)が暉州からの脱出を提案するも、王儇(おうけん)は皇子としての責任を放棄し、保身ばかりを考える彼を叱責する。子澹(したん)は命がけで王儇(おうけん)を助けに来たにもかかわらず、王儇(おうけん)は彼の弱腰な態度に失望し、戦場で戦う蕭綦(しょうき)の姿に改めて心を惹かれる。
南城陥落の寸前、蕭綦(しょうき)率いる援軍が到著し、形勢逆転。謇寧(けんねい)王は撤退を余儀なくされる。その頃、京師の行館では、王儇が民衆の避難を指揮しており、子澹(したん)も手伝っている姿にわずかな安堵を覚える。民衆が避難した後も、王儇は行館に残り、蕭綦(しょうき)を脅迫する人質にされることを避けるため、自決を決意する。龐癸(ほうけい)も彼女を守る覚悟を決める。外の物音が止み、王儇が恐る恐る扉を開けると、そこに立っていたのは蕭綦(しょうき)だった。二人は強く抱き合う。
蕭綦(しょうき)は王儇を救出し、南城へ向かい牟連(むれん)と会う。牟連(むれん)は謇寧(けんねい)王軍が敗走したことを報告し、勝利を収めた。皆は王儇の勇気と知恵を称賛し、彼女が時間稼ぎをしなければ、蕭綦(しょうき)の到著を待てなかっただろうと語る。夜、祝勝会で泥酔した子澹(したん)が蕭綦(しょうき)に祝いの言葉を述べ、酒を勧める。しかし、長年禁酒している蕭綦(しょうき)はそれを断り、子澹(したん)を下がらせる。
夜警中の龐癸(ほうけい)は、密書を持った兵士を捕らえる。密書には暉州の戦況が詳細に記されており、王藺(おうりん)の印章が押されていた。王儇は驚きを隠せない。確認の結果、密書は蕭綦(しょうき)の側近の兵士からのもので、その兵士は既に自害しており、真相は闇の中となる。王儇は、蕭綦(しょうき)と王藺(おうりん)が対立した場合、自分の立場はどうなるのかと不安を抱く。蕭綦(しょうき)が戻ると、二人は互いの胸の内を明かす。蕭綦(しょうき)が騒ぎがあったことを話すと、王儇は子澹(したん)の仕業だと察する。
王儇は、子澹(したん)に会って初めて、彼への想いが既に消えていることに気付いたと告白する。蕭綦は少し嫉妬するが、王儇は蕭綦が来るのが遅すぎたので、一生かけて償う必要があると冗談めかして言う。蕭綦は一生どころか来世までかけて償うと約束する。今後のことについて、蕭綦は仮乱軍の鎮圧を続け、完全に平定した後に京師に戻り、王儇と再会することを誓う。
京師では、謝宛如(しゃえんじょ)が陰謀を企てていた。蘇錦児(そきんじ)に渡した薬は実は猛毒で、部下に蘇錦児(そきんじ)を監視させ、王儇に毒を使わせるよう指示する。もし失敗すれば、直接王儇を殺すように命じる。
別れ際、蕭綦は王儇に護身用として長年愛用してきた匕首を渡し、二人の間者を侍女に扮して護衛につける。王儇は玉秀(ぎょくしゅう)との会話で、彼女が宋懐恩(そうかいおん)に想いを寄せていることを知り、二人の仲を取り持とうとする。蘇錦児(そきんじ)が訪ねてくると、王儇は温かく迎える。深夜、王儇と蘇錦児(そきんじ)が語り合う中、喉の渇きで目を覚ました玉秀(ぎょくしゅう)は、その光景に少し嫉妬する。蘇錦児(そきんじ)が蕭綦の悪口を言うと、玉秀(ぎょくしゅう)は思わず仮論する。王儇が二人を紹介した後、蘇錦児(そきんじ)は茶を淹れるため台所へ向かい、隙を見て毒を茶に入れる。毒を入れた直後、玉秀(ぎょくしゅう)が王儇の命で蘇錦児(そきんじ)を帰らせ、茶と菓子を王儇に届けることになる。
第19話あらすじとネタバレ
蘇錦児(そきんじ)は部屋に戻ると間もなく、玉秀(ぎょくしゅう)がお茶を運んできた。蘇錦児(そきんじ)は緊張した面持ちで王儇(おうけん)がお茶を飲み幹すのを見届け、子澹(したん)の世話に行きたいと申し出た。王儇(おうけん)はそれを許したが、蘇錦児(そきんじ)は王儇(おうけん)の様子を窺い続けた。しかし、王儇(おうけん)は普段と変わらず、何の異状も示さなかった。実は、玉秀(ぎょくしゅう)がお茶を運ぶ際に熱湯で手を火傷してしまい、お茶をこぼしてしまったのだ。その後、新しいお茶を淹れ直したことで、王儇(おうけん)は毒茶を飲むのを免れたのだった。玉秀(ぎょくしゅう)は蘇錦児(そきんじ)の不自然な様子に気づき、疑問を抱いた。
謝宛如(しゃえんじょ)の手下が蘇錦児(そきんじ)を捕まえ、王儇(おうけん)に毒を盛ったことを聞き出した。その後、手下は王儇の部屋に忍び込んだが、蕭綦(しょうき)が配置していた密偵に見つかり捕らえられてしまう。格闘の最中、宋懐恩(そうかいおん)率いる護衛が駆けつけ、謝宛如(しゃえんじょ)の手下を取り囲んだ。逃げられないと悟った手下は、口の中に隠していた毒を噛み砕き自害した。
翌朝、王儇は京城へ戻る準備をした。暉州の民衆は戦での彼女の功績を感謝し、贈り物を持って見送りに来た。深く感動した王儇は贈り物を受け取らず、また暉州に戻ってくると約束した。今回の帰京には、王儇は呉謙(ごけん)も同行させた。この知らせを聞いた王藺(おうりん)は、王栩(おう・しゅ)に呉謙(ごけん)を厳しく尋問し、黒幕を突き止めるよう命じた。王栩(おう・しゅ)は徐授(じょじゅ です)の屋敷を捜索した際に温宗慎(おんしゅうしん)から徐授(じょじゅ です)への手紙を発見したことを伝え、今回の暗殺未遂事件は温宗慎(おんしゅうしん)、謝淵(しゃえん)、そして皇帝にも関係しているのではないかと推測した。
京城に戻った王儇は母の安否を気遣い、すぐに相府へ向かおうとした。王藺(おうりん)は娘の帰りを祝う宴を催していたが、王儇は家の中の雰囲気に違和感を覚え、父からの温かい抱擁にも、ただ一礼するだけで距離を置いた。王藺(おうりん)は娘の苦労を思いやり、王夙(おうしゅく)と長公主(ちょうこうしゅ)の居場所を尋ねる王儇に対し、話をはぐらかし、まずは部屋で休むように促した。
席に著いた後、王儇は再び家族の行方を尋ねた。王藺(おうりん)は長公主(ちょうこうしゅ)が慈安寺で静養していることを明かし、明日には迎えに行かせると約束した。王儇はすぐに慈安寺へ行きたいと主張したが、王藺(おうりん)は食事をしてから行くように説得した。結局、王儇は仕方なく席に著いたものの、箸をつけることも、王藺(おうりん)と話すこともしなかった。王藺(おうりん)は娘を思い、王儇の好物である桂花酥を用意させていた。それは、彼が大切に育てている二本の金木犀の木から採れたものだった。王儇は父の愛情を感じたが、それでも自分が蕭綦(しょうき)との取引の道具として利用されたことを許すことはできなかった。最終的に、王儇は玉秀(ぎょくしゅう)を連れて蕭綦(しょうき)の京城の王府へと向かった。
皇宮では、皇帝の側近である宦官の金全は薛道安(せつどうあん)の弟子だったが、既に皇后に買収されていた。ある日、金全は薛道安(せつどうあん)が皇帝に献上するはずの丹药を密かにすり替えているのを発見し、急いで皇后に報告した。皇后はこの機会を利用して薛道安(せつどうあん)を陥れ、皇帝に毒入りの丹药を飲ませようとした罪で彼を罷免し、金全を皇帝の身の回りの世話と服薬の管理に任命した。
一方、子律(しりつ)は桓公(かんこう)と京の情勢について話し合っていた。子律(しりつ)は京には王藺(おうりん)、城外には蕭綦(しょうき)という脅威があり、楽観視できないと指摘した。しかし、桓公(かんこう)は蕭綦(しょうき)が各地の藩王から入城を拒否され、兵糧の補給も断たれているため、長くは持たないと考えていた。蕭綦(しょうき)も補給の問題に頭を悩ませていた。五万の寧朔(ねいさく)軍は兵糧の補給なしには謇寧(けんねい)王の軍隊に対抗できない。そこで、蕭綦(しょうき)は三日以内に補給がなければ寧朔(ねいさく)に引き返すよう命じた。蕭綦(しょうき)の部下たちは不満を感じながらも、命令に従うしかなかった。
第20話あらすじとネタバレ
豫章(よしょう)王府で、王夙(おうしゅく)は王儇(おうけん)の帰りを待ちわびていました。やっと現れた王儇(おうけん)の姿を見ると、王夙(おうしゅく)の顔に笑みが広がります。王儇(おうけん)を迎えるため、王夙(おうしゅく)は部屋いっぱいに美酒を用意していました。二人は腰を下ろし、酒を酌み交わしながら語り合います。その中で、王夙(おうしゅく)は王儇(おうけん)と蕭綦(しょうき)の仲睦まじい噂について尋ねます。王儇(おうけん)は少し照れながらも、頷きで二人の関係を認め、王夙(おうしゅく)は安堵します。
その後、王儇(おうけん)は長公主(ちょうこうしゅ)が慈安寺で暮らす理由を尋ねます。王夙(おうしゅく)は言葉を濁そうとしますが、王儇(おうけん)の問いかけに、ついに真実を語ります。朝廷の実権は王藺(おうりん)と皇后に握られ、皇帝の精神状態も不安定なため、長公主(ちょうこうしゅ)は板挟みになり、王藺(おうりん)にも皇帝にも向き合えない状況だと。王儇(おうけん)はこの話を聞き、心を痛めます。
一方、暗い牢獄では、王栩(おう・しゅ)が呉謙(ごけん)に拷問を加え、黒幕を吐かせようとしていました。呉謙(ごけん)は全ての罪を謝淵(しゃえん)に押し付けますが、王栩(おう・しゅ)は納得せず、拷問を続けさせます。子律(しりつ)は呉謙(ごけん)が捕まったと知り、口封じのため刺客を送り込みます。ついに呉謙(ごけん)は牢獄の中で殺され、全ての証拠は闇に葬られます。
翌朝、王儇(おうけん)は慈安寺を訪れ、長公主(ちょうこうしゅ)に会います。王儇(おうけん)は長公主(ちょうこうしゅ)に帰るよう説得しますが、長公主(ちょうこうしゅ)はもう帰る場所はないと言い、王儇(おうけん)が無事に帰ってきてくれただけで思い残すことはないと言います。そして、長公主(ちょうこうしゅ)は王藺(おうりん)の生涯の唯一の心残りは自分と結婚したことだと語り始めます。王儇(おうけん)の記憶では両親は仲睦まじかったはずですが、長公主(ちょうこうしゅ)は、韓氏(かんし)は病死ではなく、太后から賜った毒酒によって王藺(おうりん)の目の前で亡くなったという、長年隠されてきた秘密を明かします。それ以来、長公主(ちょうこうしゅ)は自責の念に苦しみ、かつての誇りを失い、穏やかで控えめな性格になってしまったのです。そして、王夙(おうしゅく)の結婚の際に、長公主(ちょうこうしゅ)は初めて王藺(おうりん)の本当の気持ちを知ったと言います。
長公主(ちょうこうしゅ)は王夙(おうしゅく)に身分相応の妻を選ぼうとしましたが、王夙(おうしゅく)は桓宓(かんひつ)を愛していました。桓宓(かんひつ)は既に子律(しりつ)と婚約していましたが、王藺(おうりん)は王夙(おうしゅく)のために桓宓(かんひつ)を奪おうとします。長公主(ちょうこうしゅ)はこれに激しく仮対し、王藺(おうりん)と大喧嘩になります。王藺(おうりん)は韓氏(かんし)が生き返らない限り考えを変えるつもりはないと言い放ちます。この話を聞き、王儇は言葉を失います。王藺(おうりん)は自分の後悔を王夙(おうしゅく)に繰り返させたくない一心で、たとえ略奪婚であっても王夙(おうしゅく)の願いを葉えようとしたのです。長公主(ちょうこうしゅ)は最後に、王儇の誕生日をもう一度祝ったら出家すると言い、王儇の説得にも耳を貸さず、王儇は仕方なくその場を後にします。
皇后によって罷免された薛道安(せつどうあん)は、宮中で雑用をさせられ、他の宮人からも冷遇されていました。しかし、かつて薛道安(せつどうあん)に助けられた小宦官が、こっそりと彼に食べ物を差し入れます。薛道安(せつどうあん)は小宦官に玉佩を渡し、ある頼み事をします。そして、その用事が済んだら二度と戻ってくるなと告げます。薛道安(せつどうあん)は小宦官に、皇后的命だと偽り、明後日、王儇を皇后に会わせるよう手配させたのです。
朝廷では、王栩(おう・しゅ)が温宗慎(おんしゅうしん)と徐授(じょじゅ です)が結託して蕭綦(しょうき)夫妻を陥れようとしたと告発し、徐授(じょじゅ です)の屋敷から見つかった手紙を証拠として提示します。その手紙の筆跡は温宗慎(おんしゅうしん)独自のものだと主張します。王藺(おうりん)はこの機に乗じて温宗慎(おんしゅうしん)を投獄させます。太子(たいし)も同調し、温宗慎(おんしゅうしん)は抵抗することもできず、牢に入れられます。すると、皇后が温宗慎(おんしゅうしん)を訪ねてきます。二人はかつての知り合いでした。皇后はかつて王藺(おうりん)のために温宗慎(おんしゅうしん)を裏切ったのです。皇后は温宗慎(おんしゅうしん)に、太子(たいし)を支持すれば彼を守り、官職にも戻すと持ち掛けます。
屋敷に戻った王儇は、玉秀(ぎょくしゅう)に子澹(したん)の屋敷から蘇錦児(そきんじ)を連れ戻すよう命じます。玉秀(ぎょくしゅう)は気が進まないながらも、王儇に蘇錦児(そきんじ)と仲良くするように言われ、渋々承諾します。一方、謝宛如(しゃえんじょ)は蘇錦児(そきんじ)が王儇を毒殺できなかったことに不満を抱きますが、蘇錦児(そきんじ)は子澹(したん)のためなら何でもすると誓います。そこで、謝宛如(しゃえんじょ)は蘇錦児(そきんじ)を王儇の側に戻し、再び自分の目的を果たそうと企みます。
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