上陽賦~運命の王妃~(最終回)あらすじ65話・66話・67話・68話、ネタバレ

第65話あらすじとネタバレ

慈安寺に滞在中の王夙(おうしゅく)は、近頃母上の夢をよく見ると王儇(おうけん)に説明した。王儇(おうけん)は事前に知らされなかったことに不満を漏らし、寺の住職から子供の泣き声が聞こえるという話を持ち出した。しかし、王夙(おうしゅく)はそれを否定し、話題を徐姑姑(じょこくこ)の捜索へとすり替え、共に探すことを提案した。蕭綦(しょうき)も部下に徐姑姑(じょこくこ)の捜索を命じ、特に後山を徹底的に調べるよう指示を出していた。同時に、江夏王に何か隠しているものを感じ、彼についても調査を始めた。

上陽賦~運命の王妃~あらすじ、65話ネタバレ

江夏王は母のように慕っていた徐姑姑(じょこくこ)の不幸を嘆き、無力感に苛まれていた。王夙(おうしゅく)は王藺(おうりん)に、徐姑姑(じょこくこ)をわざと室内に誘い込んだのかと問い詰めたが、王藺(おうりん)は直接答えず、宋懐恩(そうかいおん)はもう後戻りできないと仄めかした。王夙(おうしゅく)は不安を覚え、もし王儇(おうけん)だったらどうしていたのかと尋ね、兄弟間の信頼に揺らぎを感じていた。

翌朝、蕭綦(しょうき)の部下は後山の木の下で徐姑姑(じょこくこ)の遺体を発見した。悲しみに暮れる王儇(おうけん)は、徐姑姑(じょこくこ)のために墓を建て、弔った。蕭綦(しょうき)は彼女を慰め、唐競が事件を捜査中であり、真相はすぐに明らかになると告げた。そして、事件当時、王夙(おうしゅく)が現場に居合わせたことを王儇(おうけん)に打ち明けた。王儇(おうけん)は驚きを隠せないながらも、心のどこかで予感していた。

上陽賦~運命の王妃~あらすじ、65話ネタバレ

屋敷に戻る途中、龐癸(ほうけい)に呼び止められた王夙(おうしゅく)は、王儇に呼ばれていることを知る。会談の重要性を認識していたものの、徐姑姑の遺体が発見されたことは知らなかった。王夙は徐姑姑の死は事故だと主張し、もはや多くのことは取り返しがつかないと語った。王藺(おうりん)との密謀には触れず、王儇に事態から手を引くよう忠告した。そして別れ際、京城で大きな変事が起きることを告げ、蕭綦(しょうき)と共に寧朔(ねいさく)へ戻るよう勧めた。

王儇は屋敷に戻るとすぐに蕭綦(しょうき)にこのことを伝えた。蕭綦(しょうき)は、今京城を離れれば様々な勢力が動き出すと判断し、静観して相手の出方を伺うことにした。

一方、蘇錦児(そきんじ)が早産し、生まれた皇子に子澹(したん)は違和感を覚えた。太医はついに、その子が自分の子ではないと認めた。激怒した子澹(したん)は子供を連れ去らせ、蘇錦児(そきんじ)を冷宮へ送った。知らせを聞いた王儇は自らこの件を処理すると申し出て、蘇錦児(そきんじ)を江南へ逃がし、静かに暮らせるよう手配した。

また、王藺(おうりん)の計画を熟考した宋懐恩(そうかいおん)は、翌日玉秀(ぎょくしゅう)と共に豫章(よしょう)王府へ向かい、王藺(おうりん)から受け取った証拠を蕭綦(しょうき)に渡すことにした。これは蕭綦(しょうき)と皇帝の対立を激化させ、蕭綦(しょうき)配下の十万の寧朔(ねいさく)軍も黙ってはいないだろう。証拠を受け取った蕭綦(しょうき)は、宋懐恩(そうかいおん)の謝罪を受け入れ、忽蘭(くらん)からの密書を確認し、楝羽山事件の真相がついに明らかになった。

第66話あらすじとネタバレ

忽蘭(くらん)から宋懐恩(そうかいおん)の密報を受け取った蕭綦(しょうき)は、その内容を完全に信じ込んだ。宋懐恩(そうかいおん)の巧みな演技、故郷を思い涙する姿さえ見せられ、蕭綦(しょうき)の決意はさらに固まった。彼は鎧を身につけ、十万の寧朔(ねいさく)軍も出陣の準備を整え、蕭綦(しょうき)の号令一下で行動を開始する態勢にあった。しかし、そこに王儇(おうけん)が駆けつけ、出兵を止めようとする。彼女は蕭綦(しょうき)に、真犯人は明らかになったとはいえ、皇帝である子澹(したん)の立場は軽視できず、いかなる行動も慎重を期すべきだと忠告した。

上陽賦~運命の王妃~あらすじ、66話ネタバレ

蕭綦(しょうき)は胡瑶(こよう)に証拠を王儇(おうけん)に渡させたが、それでも王儇(おうけん)は軽挙妄動を慎み、慎重に事を運ぶべきだと主張した。蕭綦(しょうき)は驚きを隠せない。王儇(おうけん)は既に真相を知っており、自分の行動も予測していたかのようだった。豫章(よしょう)王が今夜挙兵して復讐すれば、大成は必ずや大混乱に陥ると王儇(おうけん)は警告した。しかし、蕭綦(しょうき)は彼女の忠告を無視し、王儇(おうけん)を幽閉して幹渉できないように命じた。そして、十万の寧朔(ねいさく)軍を率いて皇宮へと向かった。

一方、王儇も入宮の準備を整えていた。蕭綦(しょうき)は軍を率いて迅速に宮殿に入り、大殿に辿り著いた。太后は知らせを聞いてひどく動揺し、子澹(したん)の身に降りかかるであろう運命を予感していた。寝宮の子澹(したん)は比較的落ち著いており、部下からは逃げるよう促されたが、来るべき運命に立ち向かうことを決意した。

上陽賦~運命の王妃~あらすじ、66話ネタバレ

蕭綦(しょうき)が次の行動に移ろうとしたその時、王儇が龐癸(ほうけい)たちと到著した。慈安寺にいた王藺(おうりん)もこの知らせを受け、蕭綦(しょうき)が皇帝に危害を加えれば、直ちに各地の勢力に挙兵を促し、都に攻め込ませる準備をしていた。大殿では、蕭綦(しょうき)が文武百官に密報を配っていた。温相は、子澹(したん)は大成の正統な皇帝なのだから、三思すべきだと蕭綦(しょうき)を諫めた。そのとき、子澹(したん)が現れ、すべての罪を認めた。満座が驚愕に包まれた。蕭綦は剣を抜いて先帝と楝羽山で無念の死を遂げた兄弟たちの仇を討とうとした。しかし、王儇の登場によって事態は膠著状態に陥った。彼女は蕭綦に剣を収めるよう求めた。蕭綦は怒りを抑えきれず、龍椅に剣を振り下ろすと、怒りに燃えたままその場を去り、兵士たちに仲間の遺骸を回収して寧朔(ねいさく)へ戻るよう命じた。

翌日、王儇は城壁の上から蕭綦が軍を率いて去っていくのを見送った。以前の約束を思い出し、これが危険な賭けであったことを改めて認識した。屋敷に戻った王儇は玉秀(ぎょくしゅう)と話をする中で、宋懐恩(そうかいおん)が京畿の各部隊の将軍たちと頻繁に接触していたことを知った。王儇は既に心当たりがあったが、玉秀(ぎょくしゅう)の不安を和らげようと努めた。

事態の進展は王藺(おうりん)と王夙(おうしゅく)の予想をはるかに超えていた。王夙(おうしゅく)は不安を口にし、王藺(おうりん)に臨機応変に対応するよう忠告した。王藺(おうりん)は、自分たちの行動は謀仮に等しいと断言し、もし王夙(おうしゅく)がこれ以上続けられないと思うなら、手を引いても構わないと言った。子澹(したん)は深く落ち込み、毎日酒に溺れていた。王儇は彼を慰めようとしたが、子澹(したん)は自分の過ちを悟り、蕭綦に皇位を譲ることを考え始めた。「王氏の女を娶った者が天下を得る」という言葉は確かに真実なのかもしれない、蕭綦こそが最もふさわしい後継者なのかもしれない、と子澹(したん)は示唆した。

第67話あらすじとネタバレ

蕭綦(しょうき)が都を離れた後、王藺(おうりん)は太后に静児の養育を自分が担うと伝えた。この知らせに太后は感涙し、まさか兄妹が協力して王氏の栄光を復興させるとは思ってもみなかった。王藺(おうりん)は太后に宮中の内通者となるよう頼み、翌日、城門を開けるように指示した。王藺(おうりん)が静児を即位させれば、太后は当然全力で助けるつもりだった。

上陽賦~運命の王妃~あらすじ、67話ネタバレ

一方、宋懐恩(そうかいおん)は王藺(おうりん)の屋敷にある龍袍を見て、不安に駆られていた。王藺(おうりん)に王氏の家係図に加わるか、それとも粛毅伯の地位に留まるか尋ねられると、宋懐恩(そうかいおん)は王氏と共に歩む道を選び、指示に従うと答えた。その後、王藺(おうりん)は王安(おうあん)に重要な任務を任せ、信頼しているからこそ彼に託したと告げた。しかし、王夙(おうしゅく)は家の外でそれを盗み聞きし、王藺(おうりん)が明日、王朝交代を企てていること、馬家の人間を生かしておけないこと、そして静児の運命について知ってしまった。王藺(おうりん)は王安(おうあん)に静児を始末するよう指示した。

宋懐恩(そうかいおん)は軍を率いて夜中に都を出ることに決めた。玉秀(ぎょくしゅう)は必死に引き止め、都の混乱で彼の身に危険が及ぶことを心配したが、宋懐恩(そうかいおん)の決意は固かった。玉秀(ぎょくしゅう)の懇願と自身の胸騒ぎを無視し、彼女を突き飛ばして下人に監視させた。玉秀(ぎょくしゅう)は絶望し、悲しみに暮れた。

上陽賦~運命の王妃~あらすじ、67話ネタバレ

王夙(おうしゅく)は王安(おうあん)を追跡し、森の中で襲って静児を連れ去った。王安(おうあん)は王夙(おうしゅく)の姿を目撃しただけであった。翌朝、龐癸(ほうけい)は宋懐恩(そうかいおん)が京畿の各営の兵馬を率いて都に向かっていると報告した。王儇(おうけん)はすぐに龐癸(ほうけい)を魏邯(ぎかん)将軍に遣い、軍隊を集結させるよう命じ、自分は胡瑶(こよう)を連れて宮中へ向かった。王藺(おうりん)は温首相ら大臣に慈安寺へ来るよう招待状を送った。この時、玉秀(ぎょくしゅう)は既に決意を固め、子供に玉の腕輪をつけ、涙を流しながら去っていった。王儇(おうけん)は王夙(おうしゅく)と太后が結託しているのではないかと疑い始めたが、父がまだ生きていることは知らなかった。温首相らが慈安寺に著いた時には、既に悪い予感がしていたが、王藺(おうりん)が現れた時には皆驚愕した。王藺(おうりん)は先帝が崩御前に密詔を自分に託したと主張したが、温首相は偽造だと考え、王藺(おうりん)を非難した。

翌日、時が熟し、太后はすぐに王藺のために城門を開け、孫の即位を迎え入れる準備をした。彼女は王藺が馬家を滅ぼそうとしていることを知らず、喜んで朝服を用意していた。ある兵士が温首相らに、乳母と数人の内侍が城門をこっそり開けようとしていたことを報告した。明らかに永安宮の人間だった。温首相らは太后と王藺が手を組んでいることに気づいた。

宋懐恩(そうかいおん)が攻城の準備をしている時、玉秀(ぎょくしゅう)が城壁の隅に現れ、彼の名前を叫んだ。玉秀(ぎょくしゅう)の出現に宋懐恩は驚きながらも感動したが、彼女は仮賊になるのではなく、家族のために兵を退かせるよう懇願した。しかし、宋懐恩はもはや後戻りできないと考え、矢を放った。その矢は冷たい風を切り裂き、玉秀を完全に絶望させた。最後に、玉秀は身を投げて諫め、城壁から飛び降りた。宋懐恩は攻城を命じ、戦いが開始された。

王儇(おうけん)は急いで子澹(したん)を呼び、大成の江山を守るために彼を連れて逃げようとした。当初は秘密の通路から逃げる予定だったが、宋懐恩に先を越されてしまった。龐癸(ほうけい)は子澹(したん)と王儇(おうけん)に先に逃げるように勧め、自分は残って殿軍を務めた。宋懐恩は胡瑶(こよう)にも容赦なく、すぐに彼女の命を奪った。この時の太后は、幻覚の中で子隆(しろう)と静児を見て、満足げに息を引き取った。子澹(したん)は最終的に逃げることを諦め、太極殿に行き、龍の椅子に座った。

最終回(第68話)あらすじとネタバレ

子澹(したん)が太極殿に座っていると、間もなく宋懐恩(そうかいおん)が兵を率いて宮殿を包囲しました。子澹(したん)はそれでも宋懐恩(そうかいおん)は操り人形に過ぎず、黒幕がいると確信していました。

上陽賦~運命の王妃~あらすじ、68話ネタバレ

宋懐恩(そうかいおん)が手を叩くと、王藺(おうりん)が姿を現しました。王儇(おうけん)と子澹(したん)は驚きを隠せません。王藺(おうりん)はなんと皇帝の衣装を身につけ、玉座へと進みます。宋懐恩(そうかいおん)は子澹(したん)を玉座から引きずり下ろし、王藺(おうりん)は悠然と座りました。激怒した子澹(したん)は抵抗し、王藺(おうりん)を殺そうとします。この時、王儇(おうけん)は全てが父・王夙(おうしゅく)と宋懐恩(そうかいおん)による陰謀だと悟ります。王儇(おうけん)は王藺(おうりん)に、それは王家のいるべき場所ではないと諭しますが、王藺(おうりん)は馬氏に後継者がいなければ王氏が天下を治めるべきだと主張します。王儇(おうけん)は王藺(おうりん)を説得しようと、自らの首に匕首を突きつけ、母の悲劇を繰り返してはならないと警告します。

しかし、緊迫した状況の中、王藺(おうりん)の背後にいた宋懐恩(そうかいおん)が突然剣を抜き、王藺(おうりん)を刺しました。誰もが予期せぬ出来事でした。同時に宋懐恩の部下が王儇(おうけん)を捕らえます。宋懐恩は蕭綦(しょうき)の全てを奪い、彼を超えると宣言します。そして、阿嫵(あぶ)と王儇(おうけん)を呼び、かつての婚礼で落としたかんざしを渡し、皇后になるよう迫ります。侮辱された王儇は宋懐恩を平手打ちしました。

上陽賦~運命の王妃~あらすじ、68話ネタバレ

事態がさらに緊迫する中、蕭綦(しょうき)の声が響き渡り、一本の矢が宋懐恩を射抜きました。寧朔(ねいさく)軍がなだれ込み、王儇と阿越を守りながらその場を脱出します。重傷を負いながらも、宋懐恩はなおも憧れの玉座に座ろうともがきます。蕭綦(しょうき)は剣を手に宋懐恩の前に立ち、裏切りは予想していたものの、黒幕が王藺(おうりん)だとは思わなかったと告げます。

死の間際、宋懐恩は蕭綦(しょうき)に寧朔(ねいさく)へ連れて帰ってほしい、二度と都には戻りたくないと懇願します。宋懐恩の死は蕭綦(しょうき)とその兄弟たちに深い悲しみをもたらし、かつての友情がこのような結末を迎えるとは信じ難い思いでした。蕭綦(しょうき)は多くの血と争いを引き起こした玉座に嫌悪感を抱きます。

都の騒動が収まると、王夙(おうしゅく)と顧採薇は王儇と蕭綦(しょうき)を寧朔(ねいさく)へ送り届けます。波乱の末、天下に平和が訪れ、蕭綦(しょうき)と王儇は新たな生活を始めます。宋懐恩と玉秀(ぎょくしゅう)の子は寧朔(ねいさく)へ向かい、子澹(したん)は正式に退位し、皇位を馬静(ばせい)に譲ります。江夏王となった王夙(おうしゅく)が丞相に就任し、温丞相らとともに国を治めます。こうして、全国で減税が行われ、農業と商業が振興され、崇光の治と呼ばれる新たな時代が始まり、天下泰平、盛世が到来しました。