黒豊と白夕あらすじ29話・30話、ネタバレ

第29話あらすじとネタバレ

敗北を喫した豊蘭息(ほうらんしょく)ですが、父である雍王の怒りは未だ収まりません。豊莒(ほうきょ)は百裏氏に今後の策を尋ね、百裏氏は二ヶ月後の雍王の誕生祝いが豊莒(ほうきょ)にとって重要な機会となることを示唆します。

幽州へ向かう道中、白風夕(はくほうせき)は尾行者に気づき、豊蘭息(ほうらんしょく)が何故彼らを振り切らないのか疑問に思います。実は、彼らは雍王が豊蘭息(ほうらんしょく)を監視するために送り込んだ密偵で、幽州での行動を逐一報告させ、雍王を安心させるのが目的でした。そのため、豊蘭息(ほうらんしょく)はあえて彼らを見逃していたのです。

選親大典まであと十日。豊蘭息(ほうらんしょく)はすぐさま幽州王宮へ入ることを決めます。隠泉水榭(いんせんすいしゃ)の情報によると、雍王は選親に関して、豊蘭息(ほうらんしょく)が幽州の支持を得て勢力を取り戻すことも、比試で敗北して雍州の面目を失うことも望んでいません。今回の求婚は表向きであり、実際は雍王による豊蘭息(ほうらんしょく)への試練です。十分な能力と忠誠心を見せつけることで、ようやく雍王の信頼を得て、白建徳(はくけんとく)たちの解放に繋がるのです。白風夕(はくほうせき)は、宮廷の人々の複雑な思惑にため息をつきます。

華純然(かじゅんぜん)に近づくため、豊蘭息(ほうらんしょく)は早速宮中へ入る計画を立てます。しかし、華純然(かじゅんぜん)は聡明で用心深く、特に他人には警戒心が強い女性です。近づくには利害関係のない人物、できれば女性が最適だと考えます。白風夕(はくほうせき)は自分が適任だと気づき、豊蘭息(ほうらんしょく)を助けることで師匠たちの救出と任務達成を早められると考えます。侍女が華純然(かじゅんぜん)に冀州世子 皇朝(こうちょう)の優秀さを伝え、街一番の人気者だと話しますが、同時に豊蘭息(ほうらんしょく)の優雅な立ち居振る舞いも褒め称えます。

豊蘭息(ほうらんしょく)と白風夕(はくほうせき)は江湖(こうこ)の達人「黒豊」と「白夕」として華純然(かじゅんぜん)の前に現れ、以前手に入れた囚人たちの署名入りの手紙を贈り物として渡します。華純然(かじゅんぜん)は父の昼餐に急ぎ、席上で紅児の仇を討つと宣言し、証拠の手紙を提示して兄の仕業だと告発します。世子は動揺しますが、幽州王が咎めようとした瞬間、華純然(かじゅんぜん)は兄を庇い、事態を収拾します。

この様子を密かに見ていた黒豊と白夕は、華純然(かじゅんぜん)の機転と巧みな立ち回りに感心します。白風夕(はくほうせき)は彼女を深く理解するには宮女に紛れ込む必要があると考え、豊蘭息(ほうらんしょく)もまた彼女に近づく機会を伺います。華純然(かじゅんぜん)とのやり取りの中で、白風夕(はくほうせき)は時折嫉妬心を覗かせ、それとなく邪魔をします。

幽州王は華純然(かじゅんぜん)を呼び出し、江湖(こうこ)の二人を私的に泊めたことを問い詰めます。華純然(かじゅんぜん)は二人を武芸の達人として紹介し、父王の力になると説得します。幽州王はこの言葉に納得し、怒りを鎮めます。

選婿の知らせが公表され、幽州王は雍州の豊蘭息と冀州の皇朝(こうちょう)世子を候補に考えています。しかし、華純然(かじゅんぜん)は黒豊に興味を示します。幽州王は平民との結婚に仮対しますが、華純然(かじゅんぜん)は黒豊の肖像画を描きます。白風夕(はくほうせき)は実物の方が良いと言い、自ら筆を取り、より生き生きとした絵を描きます。華純然は白風夕(はくほうせき)の絵を褒め、黒豊への好意を明かし、協力を求めます。

黒豊は、華純然が自分の真心ではなく、幽州の将来と自身の権力強化のために自分を必要としていることを見抜きます。江湖(こうこ)では力を持つが朝廷に地盤のない黒豊を選ぶのは、彼が豊蘭息であるという事実を仮映しています。

白風夕(はくほうせき)は、選婿の日に黒豊が雍州の王子として現れれば、内外共に同一人物と見なされ、両方の立場を全うできると理解します。しかし、華純然にとってそれは望ましい結果ではなく、真の豊蘭息との結婚は望んでいません。華純然が白風夕(はくほうせき)に助けを求めるのは、彼女が江湖(こうこ)の人間で脅威にならないこと、そして黒豊との関係を探り、彼に影響を与えて自分の目的を達成しようとしているからです。

雍王は幽州からの手紙を受け取ります。元禄は豊蘭息が隠泉水榭(いんせんすいしゃ)という巨大な情報網を掌握していることに感嘆し、今回の幽州行きには周到な準備があると確信します。

第30話あらすじとネタバレ

雍王もまた策を講じ、豊蘭息(ほうらんしょく)の選択を静観している様子でした。元禄(げんろく)は、今回の豊蘭息(ほうらんしょく)の目的が公主の寵愛ではなく、雍王の信頼を取り戻すことだと理解しました。玉無縁(ぎょくむえん)は、幽州世子(ゆうしゅうせいし)が幽王(ゆうおう)によって幽閉されているという情報を得ます。しかも、今日の朝議で、御史台(ぎょしたい)の役人が世子を弾劾しましたが、御史台は幽王の腹心であることから、世子の幽閉には何か裏があるようです。華純然(かじゅんぜん)は大東(たいとう)天女(だいとうてんにょ)に選ばれ、幽州に戻って半月も経たないうちに世子を失脚させました。彼女が皇朝(こうちょう)と手を組めば、きっと太平の世が訪れるでしょう。

華純然(かじゅんぜん)は侍女に白風夕(はくほうせき)の支度をさせようとしますが、白風夕(はくほうせき)はひどく疲れており、ただ休みたいと思っていました。彼女は、明日の選親で黒豊息(こくほうしょく)以外の全員を倒せば、もう誰も華純然(かじゅんぜん)に求婚する顔がないだろうと計画していました。選親の日が近づき、黒豊息(こくほうしょく)は華純然(かじゅんぜん)に別れを告げに来ました。華純然(かじゅんぜん)は白風夕(はくほうせき)を宮殿に留めます。彼女にはまだ重要な頼み事があったからです。

斥候は豊蘭息(ほうらんしょく)が幽州王宮を離れたと報告し、玉無縁(ぎょくむえん)はすぐに行動を開始させました。内力(ないりょく)を失ったとはいえ、豊蘭息(ほうらんしょく)は戦場での戦闘技術で襲撃者に対処します。しかし、突如現れた高手に苦戦を強いられます。危機一髪の時、白風夕(はくほうせき)が現れ彼を救います。豊蘭息(ほうらんしょく)は守られる感覚が良いと感慨にふけりますが、驚いたことに、この覆面の人物は「蘭因璧月(らんいんへきげつ)」に精通していました。彼は仮面の下の人物が誰なのか分かりません。

白風夕(はくほうせき)が豊蘭息(ほうらんしょく)の傷の手当てをしている時、二人は襲撃者の正体について話し合います。彼らの技は断魂門(だんこんもん)のもので、最後に戦った人物の体内には「蘭因璧月」のような内力(ないりょく)が流れていましたが、修炼したものではなく、盗んだもののようでした。白風夕(はくほうせき)は雍州の謎の人物が彼らの内力(ないりょく)を盗んだのではないかと疑います。

豊蘭息(ほうらんしょく)は、この事件は蛩蛩距虚(きょきょ)と関係があるかもしれないと考えます。断魂門(だんこんもん)の背後にはこの組織がおり、その目的は大東(たいとう)の支配を覆すことかもしれません。そうなれば、多くの犠牲者が出るでしょう。豊蘭息(ほうらんしょく)は、この事態を変えるために協力しようと提案し、白風夕(はくほうせき)もそれに賛同します。選親の課題に武術が含まれていることを心配する白風夕(はくほうせき)に対し、豊蘭息(ほうらんしょく)は白風夕(はくほうせき)の助けがあれば恐れることはないと言います。

選親当日、華純然(かじゅんぜん)は黒豊息(こくほうしょく)が豊蘭息(ほうらんしょく)であることを知り、すぐに父王に報告します。豊蘭息(ほうらんしょく)と白風夕(はくほうせき)の関係から、華純然(かじゅんぜん)は彼の真の目的が選親ではなく幽州のためだと気づきます。彼女は父王に殿試で蒼茫(そうぼう)残局(そうぼうざんきょく)を使うよう頼み、この難問だけが豊蘭息(ほうらんしょく)を困らせることができると考えます。もし彼が解くことができれば、未来の共主であることの証であり、彼女は彼に嫁ぐつもりです。

白風夕(はくほうせき)は華純然(かじゅんぜん)に扮して選親を進行し、琴を弾いて公子たちに蓮台への飛び移りを競わせます。豊蘭息(ほうらんしょく)は白風夕(はくほうせき)の助けを借りて難なく突破します。皇朝(こうちょう)も選抜に残っており、白風夕(はくほうせき)に将来天下を治めた後の結婚について持ちかけますが、断られます。

幽王は豊蘭息の行動を懸念し、予測不能な人物だと考えています。六州の争いを考慮し、彼は冀州(きしゅう)の皇朝(こうちょう)を娘婿に選ぶ方が良いと考えています。皇朝(こうちょう)は青(せい)州(せいしゅう)攻撃への協力を約束していたからです。皇朝(こうちょう)には天下統一の野心がありますが、その戦略は幽州に一縷の望みを与えるかもしれないため、幽王は華純然(かじゅんぜん)に皇朝(こうちょう)世子を選ぶよう望みます。華純然(かじゅんぜん)は仕方なく従います。

皇朝(こうちょう)は再び白風夕(はくほうせき)に愛を告白し、もし承諾してくれたら他の女性は娶らないと約束します。白風夕(はくほうせき)は皇后の座に興味がないと言って、再び拒絶します。玉無縁(ぎょくむえん)は白風夕(はくほうせき)に六州の情勢についての考えを尋ね、彼女が青(せい)州の風惜雲(ほうせきうん)公主であることを知っていることを明かします。

豊蘭息は武試に合格し、明日の殿試は蒼茫(そうぼう)残局についてだと予想します。彼は武功を失った今、天下を争うためには新たな戦略が必要だと理解しており、もし残局を解くことができれば、迫り来る大災害を回避できるかもしれません。選親の後、彼は白風夕(はくほうせき)と共に天霜門(てんそうもん)へ戻るつもりです。

殿試にて、幽王は今日の最重要事項は何かと問います。皇朝(こうちょう)は六州の均衡が最も重要だと答えます。