黒豊と白夕あらすじ31話・32話、ネタバレ

第31話あらすじとネタバレ

幽王は皇朝(こうちょう)の実力に感嘆し、豊蘭息(ほうらんしょく)の見解を尋ねた。豊蘭息(ほうらんしょく)は天下の行方は「気運」(きうん)次第だと答えた。その後、幽王は諸公子を内殿に招き、蒼茫(そうぼう)碁局で試練を与え、勝者には幽州の姫を娶らせることを約束した。

一方、豊莒(ほうきょ)は天牢に罠を仕掛け、天霜門(てんそうもん)の門徒を救出した後、配下を豊蘭息(ほうらんしょく)の府の人間に見せかけ、待ち伏せさせていた。天霜門(てんそうもん)の人間を一人も逃さず、禁軍に目撃させることで雍王を激怒させ、天霜門(てんそうもん)に大きな代償を払わせる計画だった。これは豊蘭息(ほうらんしょく)と雍王の仲を裂き、修復不可能なまでに悪化させる狙いがあった。

しかし、豊莒(ほうきょ)の配下が豊蘭息(ほうらんしょく)の部下を装って天霜門(てんそうもん)の門徒を救出した際、白建徳(はくけんとく)は一人の老人に一緒に逃げるかと尋ねた。老人は雍王の怒りを買ったとはいえ死罪ではないため、脱獄すれば罪が重くなると考え、留まることにした。その時、豊萇(ほうちょう)が現れ、白建徳(はくけんとく)にこれは豊莒(ほうきょ)の策略であり、城外へ誘き出してから豊蘭息(ほうらんしょく)に罪を著せるつもりだと告げた。陰謀を阻止するため、白建徳(はくけんとく)たちは天牢へ戻るしかなかった。

豊蘭息(ほうらんしょく)は皇朝(こうちょう)と対局し、皇朝(こうちょう)は豊蘭息(ほうらんしょく)が自分の試探を見破り、罠にかからなかったことに気づき、侮れない相手だと認識した。豊蘭息(ほうらんしょく)もまた、皇朝(こうちょう)を正攻法も奇策も使いこなす経世の才(けいせいのさい)と賞賛した。これまでの対局は全て序章に過ぎず、皇朝(こうちょう)は天下を盤に、民を駒として、豊蘭息(ほうらんしょく)との命懸けの勝負に臨んだ。

皇朝(こうちょう)は天下は守るのではなく、奪うものだと豊蘭息(ほうらんしょく)に説いた。しかし豊蘭息(ほうらんしょく)は守りはより良い攻めへの準備であり、万全の守備こそ大局を安定させると主張した。皇朝(こうちょう)は斬竜(ざんりゅう)に失敗し、先手と勢いを失っており、勝利は難しいと指摘した。皇朝(こうちょう)は天下を争うには一気呵成の勇気が必要だと信じ、豊蘭息はどんなに小さな捨て駒でも、肝心な時に形勢逆転の力になり得ると考え、全ての人間を利用すべきだと主張した。彼にとって天下は民の天下であり、それは太陰(たいいん)と天機(てんき)二人の師の願いでもあった。皇朝(こうちょう)は対局の続行を望んだが、豊蘭息は投瞭し、幽王は皇朝(こうちょう)世子を勝者と宣言した。

張仲革(ちょうちゅうかく)は雍王に、天霜門(てんそうもん)の門徒たちはまだ天牢に囚われており、脱獄の兆候はないと報告した。雍王は豊蘭息の賢明さに驚き、幽州での彼の選択を見守ることにした。豊蘭息は白風夕(はくほうせき)と会い、数々の物語を見てきたこの男は片膝をついて白風夕(はくほうせき)への愛を告白し、彼女の顔を優しく包み込み、深くキスをした。温かい空気が二人を包んだ。

その後、雍京から豊莒(ほうきょ)の計画が失敗したという知らせが届いた。玉無縁(ぎょくむえん)はもはや豊莒(ほうきょ)に期待しておらず、皇朝(こうちょう)と華純然(かじゅんぜん)の結婚を待ち、冀州(きしゅう)と幽州の力を結集して天下を争うつもりだった。偶然にも、ずっと探していた玉彫刻師が雍州の天牢にいることが分かり、玉無縁(ぎょくむえん)は自ら天霜門(てんそうもん)へ赴き、状況を確かめることにした。

幽州からは華純然(かじゅんぜん)が皇朝(こうちょう)世子を選んだという知らせが届いた。雍王は豊蘭息が幽州の姫を娶る機会を放棄したのは、隠泉水榭(いんせんすいしゃ)が本当に彼の自保のための手段だったからだと推測した。元禄は豊蘭息が父子愛を重んじていると考え、雍王もそれに同意し、天霜門(てんそうもん)の門徒を釈放するように命じた。

豊蘭息は任如松(じんじょしょう)に良城(りょうじょう)へ隠居するように勧める手紙を送った。任如松(じんじょしょう)は豊蘭息が華純然(かじゅんぜん)を娶らなかったことで幽州の支持を失い、雍王と戦う際に不利になることを懸念した。豊萇(ほうちょう)は世子争いから降りたものの、豊蘭息と豊莒(ほうきょ)の争いはまだ始まったばかりだった。

鳳栖梧(ほうせいうご)は豊蘭息が完全に手を引くつもりだと感じ、鍾離(しょうり)は豊蘭息からの伝言を伝えた。鳳家は雍州に深く根付いており、雍王も今後難癖をつけることはないだろう。鳳家はこの機会に雍王に仕えるべきであり、豊蘭息が提供した隠泉水榭(いんせんすいしゃ)の名簿は雍王がその勢力を掌握するのに役立つだろう、と。鳳栖梧はそれが賢明な判断だと考えた。

豊蘭息は白風夕(はくほうせき)と共に天霜門(てんそうもん)へ戻った。彼は華純然(かじゅんぜん)を娶る機会を放棄し、隠泉水榭(いんせんすいしゃ)を献上したことで、もはや雍王の標的ではなくなった。迫り来る戦乱の中、白建徳(はくけんとく)は豊蘭息に民を守ってくれるよう願った。

百裏氏(ひゃくりし)は雍王の考えを探ろうとしたが、実際には雍王は百裏氏の意図を理解していた。豊萇(ほうちょう)は既に世子位に興味がなく、豊蘭息も雍州を去った今、世子の座は豊莒(ほうきょ)だけになった。雍王は密告と脱獄事件はどちらも豊莒(ほうきょ)の仕業だと指摘した。南方の仮乱が激化しているため、豊莒(ほうきょ)が仮乱を鎮圧できれば、世子を継ぐ資格があると認めた。その時、玉無縁(ぎょくむえん)が天霜門(てんそうもん)に到著し、白建徳(はくけんとく)は彼に一つの玉佩(ぎょくはい)を見せ、鑑定を依頼した。

第32話あらすじとネタバレ

白建徳(はくけんとく)は、ある玉佩(ぎょくはい)が旧友の死に関係していることを明かし、玉無縁(ぎょくむえん)に護令者の正体を知っているか尋ねた。調査を進める中で、玉佩(ぎょくはい)は瓊林苑と繋がりがある可能性があると考えた。白建徳(はくけんとく)がこれほど多くの情報を持っていることに驚き、玉無縁(ぎょくむえん)は彼を殺す決意をさらに固めた。

夜、白建徳(はくけんとく)は白風夕(はくほうせき)を呼び、隠居して各地を旅したいという考えを伝えた。白風夕(はくほうせき)を次期掌門にふさわしいと考えているが、彼女の特別な身分では天霜門(てんそうもん)に残れないため、他に誰が適任者か尋ねた。白風夕(はくほうせき)は琅華を推薦し、久容を副掌門として支えることを提案した。

白建徳(はくけんとく)が白風夕(はくほうせき)の今後の予定を尋ねると、彼女は今の世の中は騒がしいが、青(せい)州にはまだ自分の助けは必要ないと答えた。そして、豊蘭息(ほうらんしょく)がいる場所が自分の居場所であり、ずっと一緒にいたいと告げた。白建徳(はくけんとく)は白風夕(はくほうせき)に、世間の危険を忘れず、常に用心深くいるようにと忠告した。実の娘のように思っている白風夕(はくほうせき)の本当の幸せを心から願っていた。

翌日、白建徳(はくけんとく)が殺害されたという知らせが届いた。昨夜が白風夕(はくほうせき)と父の最後の別れだった。琅華は、白風夕(はくほうせき)が掌門の座を狙って白建徳(はくけんとく)を殺したと非難した。豊蘭息(ほうらんしょく)は陰謀があると信じたが、琅華は豊蘭息(ほうらんしょく)と白風夕(はくほうせき)が、毒を盛った者と庇護する者だと糾弾した。豊蘭息(ほうらんしょく)は弁解せず、白風夕(はくほうせき)を連れてその場を去ろうとした。琅華はそれを罪の意識の表れだと考え、怒って白風夕(はくほうせき)の肩を刺した。激怒した豊蘭息(ほうらんしょく)は、隠泉水榭(いんせんすいしゃ)の黒豊息(こくほうしょく)としての身分で白風夕(はくほうせき)を連れ去った。玉無縁(ぎょくむえん)はそれを見て勝ち誇ったように見えた。

重傷を負った白風夕(はくほうせき)は豊蘭息(ほうらんしょく)に、もし自分が死んだら弱音を吐かないでほしいと言った。豊蘭息(ほうらんしょく)は、閻魔大王が白風夕(はくほうせき)を連れて行こうとしても、酆都城をひっくり返し、閻魔殿を壊してでも連れ戻すと、いつものように強引に答えた。白風夕(はくほうせき)は今の自分に満足し、豊蘭息(ほうらんしょく)に生きてほしいと願った。豊蘭息(ほうらんしょく)は白風夕(はくほうせき)に出会って初めて人生に悔いがないと感じ、彼女なしでは生きていけないと思った。

豊蘭息(ほうらんしょく)は太陰(たいいん)老人がくれた蘭因花を思い出し、白風夕(はくほうせき)を救おうとした。花びらを噛み砕き、自分の内力(ないりょく)で薬に変え、昏睡(こんすい)状態の白風夕(はくほうせき)に口移しで与えた。三日後、白風夕(はくほうせき)はついに目を覚まし、状況を尋ねた。豊蘭息(ほうらんしょく)は蘭因花で命を救った経緯を話し、自分の経脈も修復され内力(ないりょく)が戻ったことを伝えた。さらに、鍾離がずっと天霜門(てんそうもん)を密かに守っており、琅華が掌門になり、白建徳(はくけんとく)は二日前に埋葬されたことも告げた。

白風夕(はくほうせき)は師の死が不審だと語り、豊蘭息(ほうらんしょく)も白建徳(はくけんとく)の死因が自分の母の死と価ていることに気づき、同じ毒だと疑った。白風夕(はくほうせき)は誰かが自分を陥れようとしていること、天霜門(てんそうもん)を混乱させることが目的だと理解した。豊蘭息は白建徳(はくけんとく)の死と偽の玄極令(げんきょくれい)が関係しているのではないかと疑った。

韓朴が見舞いに来て白風夕(はくほうせき)の容態を気遣い、白建徳(はくけんとく)の遺体からは毒の仮応が出なかったことを伝えた。豊蘭息は銀針では検出できない毒があると話し、韓朴はそれが牽機(けんき)という大東(たいとう)皇室秘伝の毒薬だと確認した。韓家の祖先が宮廷で御医をしていた時に偶然その存在を知ったという。大東(たいとう)皇室が関わっている可能性があるため、豊蘭息は帝京へ行くことを決めた。その前に、白風夕(はくほうせき)は白建徳(はくけんとく)の墓参りに行きたいと言った。

青(せい)州王の病状は悪化し、余命は半年もないと宣告された。彼は自分の死期が近いことを悟り、風写月(ほうしゃげつ)に初心を忘れるなと諭し、幽州と青(せい)州の過去の確執、そして幽州の姫と冀州の世子の結婚による潜在的な脅威を思い出させた。青(せい)州の民を戦乱に巻き込まないよう、青(せい)州を守り抜くように命じた。また、娘に一目会いたいと願い、風写月(ほうしゃげつ)に風惜雲(ほうせきうん)を探させるよう指示した。

皇朝(こうちょう)と華純然(かじゅんぜん)は結婚し、二州は新たな同盟を結んだ。幽王は、この二ヶ月間風写月(ほうしゃげつ)が政(まつりごと)務を執っていたことを知り、玉無縁(ぎょくむえん)の言葉通り、青(せい)州を攻める好機だと考えた。

白風夕(はくほうせき)、豊蘭息、鍾離は大東(たいとう)に到著し、烏雲三十八寨の鉄大当家に出会った。白風夕は鉄大当家に三つの仮面を作ってくれるよう頼んだ。後で隠市へ行くためだ。