第25話あらすじとネタバレ
華純然(かじゅんぜん)は天女の称号を強く望んでおり、これこそがライバルと対等に渡り合い、交渉の切り札を握り、ひいては王朝をも眼中に入れずに済む唯一の道だと考えている。幼い頃、豊蘭息(ほうらんしょく)、風惜雲(ほうせきうん)、皇朝(こうちょう)、そして華純然(かじゅんぜん)は互いに知り合いだった。幼い華純然(かじゅんぜん)はいつか皇后の冠を戴くことを夢見ていたが、今回、彼女に冠を授けるのは一体誰になるのだろうか?
白風夕(はくほうせき)は、華純然(かじゅんぜん)が幽州一の美女であり、今や大東(たいとう)天女にも封じられたことから、将来誰と結婚しようと、たとえ相手が豊蘭息(ほうらんしょく)や皇朝(こうちょう)であっても、結婚生活において不利になることはないと感嘆する。華純然(かじゅんぜん)の婿選びの噂が諸州の王室の間で広まっていることを知った白風夕(はくほうせき)は、自分もその噂を知っていることに驚き、豊蘭息(ほうらんしょく)の追及を巧みにかわす。彼女は、豊蘭息(ほうらんしょく)が惜雲公主に会えばきっと驚くのではないかと考えている。豊蘭息(ほうらんしょく)が惜雲公主は華純然(かじゅんぜん)に劣ると思うかと尋ねると、白風夕(はくほうせき)は激しく否定し、豊蘭息(ほうらんしょく)を困惑させる。
鍾離がお茶を運んできた際、白風夕(はくほうせき)の様子がおかしいことに気づき、彼女が嫉妬していることをそれとなく伝える。それを聞いた豊蘭息(ほうらんしょく)は大喜びし、白風夕(はくほうせき)の心に自分がいる証拠だと考える。鍾離は豊蘭息(ほうらんしょく)に白風夕(はくほうせき)の気持ちをうまく宥めるように助言し、青(せい)州の軍営が活発に動き、まもなく良城に迫るだろうと伝え、対策を練る必要があると話す。豊蘭息(ほうらんしょく)は、この戦は避けられないようだが、民を苦しめることのないよう平和的な解決を望むと嘆息する。大王的戦の命令に従うべきかという鍾離の問いに、豊蘭息(ほうらんしょく)は外では君命は必ずしも絶対ではないとし、青(せい)州世子風写月(ほうしゃげつ)に手紙を書くことを決める。相手が協力すれば問題は解決するが、警戒を怠らず墨羽騎(ぼくうき)を待機させる必要があると指示する。
青(せい)州の軍営では、風写月(ほうしゃげつ)が作戦計画を練っていたところに、白風夕(はくほうせき)が突然現れる。「兄上」と呼ぶ彼女は、実は豊蘭息(ほうらんしょく)が話していた青(せい)州公主風惜雲(ほうせきうん)だったのだ。今回の訪問は和平を求めるためで、于鳴(うめい)が既に亡くなり、良城を治めているのが雍州二殿下豊蘭息(ほうらんしょく)であることを風写月(ほうしゃげつ)に伝え、兄に直接豊蘭息と話し合うことを提案し、両州に戦火が及ぶのを避けるように進言する。風写月(ほうしゃげつ)は翌日、使者を良城へ派遣することを決め、白風夕(はくほうせき)と共に酒を酌み交わすことにする。
白風夕(はくほうせき)が一夜帰ってこなかったのを見て、鍾離は、豊蘭息が深く自分を責め、白風夕(はくほうせき)の自分への深い情に気づいていなかったことを知る。実際、白風夕(はくほうせき)は兄風写月(ほうしゃげつ)と酒を飲みながら語り合い、父王の容態を尋ねていた。父王は白風夕(はくほうせき)のことを心配しつつも誇りに思っており、彼女の身分が露見することを恐れていなければ、とっくに江湖(こうこ)に名高い白風夕(はくほうせき)が青(せい)州公主風惜雲(ほうせきうん)であることを世間に公表していただろう。
風写月(ほうしゃげつ)は白風夕(はくほうせき)と豊蘭息の関係に興味を持ち、白風夕(はくほうせき)は全てを説明し、兄に自分の正体を豊蘭息に明かさないように頼む。風写月(ほうしゃげつ)は翌日、豊蘭息の人物を見極め、妹の婿にふさわしいかどうかを判断しようと考える。白風夕(はくほうせき)は、先ほど自分が豊蘭息について話す時の笑顔を隠しきれておらず、それを聞いた風写月(ほうしゃげつ)は豊蘭息をしっかり試そうと決意するが、白風夕(はくほうせき)は兄が豊蘭息を困らせることを良しとしない。
白風夕(はくほうせき)が戻ると、一夜未帰のことで豊蘭息が怒っているかと思いきや、彼は優しく彼女を気遣い、尽くしてくれる。豊蘭息が青(せい)州の風惜雲(ほうせきうん)のことを気にしていると話すと、白風夕(はくほうせき)は驚き、自分の正体を知られたと勘違いする。しかし、豊蘭息がもうその名前は口にしないと続けると、白風夕(はくほうせき)は今度は豊蘭息が自分の身分を守るためにそう言ったのだと誤解する。豊蘭息が白風夕(はくほうせき)に近づき、今にもキスをしようとした瞬間、穿雨が現れ、その場を中断させる。
穿雨は、青(せい)州世子風写月(ほうしゃげつ)が停戦交渉のために使者を送ってきたこと、そして翌日自ら来訪することを報告する。豊蘭息はすぐに皆を集めて偏厅で会議を開き、二つの策を立てる。一つは良城の守備隊と墨羽騎(ぼくうき)を統合して城門の安全を確保すること、もう一つは都府内に伏兵を配置し、風写月(ほうしゃげつ)の不測の事態に備えることだ。会議後、豊蘭息が今日、華純然(かじゅんぜん)と風惜雲(ほうせきうん)の話をしたことに触れると、白風夕(はくほうせき)はようやく豊蘭息が自分の正体を知らないことに気づき、この二日間確かに嫉妬していたことを認め、気にしないでほしいと伝える。
冀州王が皇朝(こうちょう)と囲碁を打っている時、家臣が冉太傅が殺されたことを報告し、冀州王は激怒し、皇朝(こうちょう)に君主としての仁慈がないと非難する。その後、冀州王は突然倒れるが、幸い玉無縁(ぎょくむえん)がすぐに解毒剤を与え、一命を取り留める。皇朝(こうちょう)は、父殺しの罪を自分に擦り付けようとする黒幕を憎悪する。彼らは讒言によって皇朝(こうちょう)に災いをもたらし、皇朝(こうちょう)に汚名を著せて新君を擁立しようとしているのだ。皇朝(こうちょう)は大王のために祈福するため争天騎(そうてんき)を集めるよう命じ、祭天を行い奸臣を罰する準備をする。
豊莒(ほうきょ)は雍王に如玉軒(じょぎょくけん)が国を盗もうとしていることを報告する。調査の結果、如玉軒(じょぎょくけん)は江湖(こうこ)組織隠泉水榭(いんせんすいしゃ)に属し、その首領黒豊息(こくほうしょく)は豊蘭息、皇朝(こうちょう)、玉無縁(ぎょくむえん)と共に天下四公子と呼ばれていることが判明する。各地に散らばる商(しょう)舗の裏には情報収集網が張り巡らされている。雍王は豊莒(ほうきょ)の結婚について尋ね、豊莒(ほうきょ)は両親の決めた通りにすると言うので、雍王は正式に豊莒(ほうきょ)と梁国公の娘との結婚を命じる。その後、雍王は張仲革(ちょうちゅうかく)に如玉軒(じょぎょくけん)を密かに調査させ、もし本当に国を盗もうとしているなら掌櫃を逮捕するよう命じる。隠泉水榭(いんせんすいしゃ)については、利用できればそれが最善の結果だと考える。
当日、豊蘭息は風写月(ほうしゃげつ)との和平交渉に臨み、白風夕(はくほうせき)も風写月(ほうしゃげつ)に会うためだと言って同席する。豊蘭息は嫉妬する。豊蘭息は良城に堤防を築く計画を立てている。それは民の水害の悩みを解消し、農業を発展させるためだけでなく、雍州の勢力を固め、この地を守るためでもある。風写月は豊蘭息が賢明な指導者であると称賛し、翌日撤兵することを決める。彼にも守るべき大切な人がいるからだ。風写月の視線が白風夕(はくほうせき)に向けられ、豊蘭息は再び嫉妬する。和平交渉が成功した後、豊蘭息は鍾離に風写月の接待を任せ、白風夕を散歩に誘うが、断られてしまう。
第26話あらすじとネタバレ
白風夕(はくほうせき)は兄の風写月(ほうしゃげつ)と再会しました。風写月(ほうしゃげつ)は妹の目に狂いはなく、豊蘭息(ほうらんしょく)が民のことを思う賢明な君主だと称賛します。そして、今回の訪問には二つの目的がありました。一つは和平交渉、もう一つは豊蘭息(ほうらんしょく)の白風夕(はくほうせき)に対する態度を見ることでした。会話中、風写月(ほうしゃげつ)は時折白風夕(はくほうせき)に視線を向け、豊蘭息(ほうらんしょく)が白風夕(はくほうせき)に深い愛情を抱いていることに気づきます。愛する人ならば、常に彼女の身を案じ、本当の身分がバレないかと心配するものだからです。しかし、白風夕(はくほうせき)はそれを気にしていません。豊蘭息(ほうらんしょく)は他のことには冷静沈著でも、彼女のこととなると夢中になり、心の中に彼女しかいないと信じているからです。
二人が話していると、突然豊蘭息(ほうらんしょく)が現れ、白風夕(はくほうせき)は慌てて隠れます。豊蘭息(ほうらんしょく)は風写月(ほうしゃげつ)に、なぜ白風夕(はくほうせき)を見つめていたのか尋ねます。風写月(ほうしゃげつ)は、自分も白風夕(はくほうせき)に一目惚れしたと告げ、豊蘭息(ほうらんしょく)に彼女を譲ってくれるかと試探します。豊蘭息(ほうらんしょく)は、白風夕(はくほうせき)は取引の対象ではなく、自分の意思を持つ独立した人間だと断言します。そして、もし白風夕(はくほうせき)が去りたいと言うなら、その選択を尊重すると言います。さらに風写月(ほうしゃげつ)は、自分の妹の風惜雲(ほうせきうん)が絶世の美女だと仮定し、彼女が豊蘭息(ほうらんしょく)に想いを寄せたらどうするかと尋ねます。豊蘭息(ほうらんしょく)は迷わず、白風夕(はくほうせき)は自分にとって唯一無二の存在で、誰にも代えられないと答えます。
その後、白風夕(はくほうせき)は豊蘭息(ほうらんしょく)に追いつき、一緒に散歩しようと誘います。豊蘭息(ほうらんしょく)は先ほどの出来事で少し不機嫌でしたが、白風夕(はくほうせき)の熱意に負け、承諾します。二人は歩きながら語り合い、白風夕(はくほうせき)は民たちの顔に笑顔が増えていることに気づきます。それは豊蘭息によってもたらされた変化でした。彼女は乱世で民を守るには、江湖(こうこ)の義侠心ではなく、朝廷の力が必要だと悟ります。そして、豊蘭息がこのような善政(まつりごと)を続けるなら、共に戦いたいと告げます。
突然、雨が降り出し、豊蘭息は急いで白風夕(はくほうせき)に雨よけをします。雨宿りの場所を見つけ、豊蘭息は傘を買いに行きます。雨の中、自分のために傘を買ってきてくれた豊蘭息の姿を見て、白風夕(はくほうせき)は雨の日にも良いことがあると感慨にふけります。傘が小さいため、豊蘭息は白風夕(はくほうせき)をおんぶして歩きます。その光景は、とてもロマンチックで甘いものでした。
その後、豊蘭息は風写月(ほうしゃげつ)に良城の水利工事を見学させ、運河開通の可能性について話し合い、共に協力していくことを約束します。風写月(ほうしゃげつ)は、青(せい)州は豊蘭息の最も頼もしい味方になると答えます。
冀州王は目を覚ますと、皇朝(こうちょう)が夜通し付き添っていたことに深く感動し、天下を取るには仁慈の心が必要であり、私利私欲のために殺生を増やすべきではないと諭します。皇朝(こうちょう)は必ず民のことを思い、期待に応えると誓います。冀州王は罪己詔を出し、皇朝(こうちょう)の忠誠心と仁愛の心を世に示し、朝廷内の噂を封じ込めることにします。そして、皇朝(こうちょう)に今日の約束を忘れないようにと告げます。玉無縁(ぎょくむえん)はこのことと、豊蘭息の良城での行動を知り、自分の計画を守るため、豊蘭息を排除しようと決意し、同時に部下に幽州の情報収集を命じます。
堤防建設の人手不足に対し、大臣たちは豊蘭息にまず食糧を支給し、民の生活を安定させてから工事に従事させるよう進言します。豊蘭息はこの提案を受け入れ、市場価格で食糧を買い、民に配給します。白風夕(はくほうせき)は水路を掘って金銭を得る方法で民を工事へ参加させようと提案し、この策は見事に成功し、多くの民が工事に参加します。感謝の気持ちとして、豊蘭息は自ら料理を作り、白風夕(はくほうせき)をもてなします。
雍王は張仲革(ちょうちゅうかく)の調査から、黒豊息(こくほうしょく)が雍州王室の末裔ではないかと疑い、如玉軒(じょぎょくけん)の店主を密かに捕らえ尋問させ、黒豊息(こくほうしょく)の身分を暴こうとします。良城からの報告を受け、雍王は大変満足し、豊蘭息に当面の間、良城の統治を任せ、褒美を与えることにします。豊莒(ほうきょ)は李甲賢に豊蘭息の良城での功績を広めるよう指示します。これはおそらく、功高震主を防ぐための策でしょう。
堤防の視察中、民たちは白風夕(はくほうせき)を「君夫人」と呼び、豊蘭息は内心喜びます。白風夕(はくほうせき)は照れながらも否定しません。水路が完成し、人々は歓声を上げます。任如松(じんじょしょう)は鳳栖梧に、隠泉水榭(いんせんすいしゃ)のことに注意するよう警告します。敵は闇中に潜んでおり、状況は複雑だからです。
白風夕(はくほうせき)はさらに医術を施し、食糧輸送中に怪我をした老人の治療を行い、民の薬の入手難の問題を解決します。豊蘭息は民に薬を配ります。
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