黒豊と白夕あらすじ21話・22話、ネタバレ

第21話あらすじとネタバレ

白風夕(はくほうせき)の武芸の腕前だけでなく、推理力にも感嘆する鳳栖梧。白風夕(はくほうせき)は、怪しまれずに仕掛けのある品を都に持ち込んだ方法に疑問を抱く。豊蘭息(ほうらんしょく)が口を開こうとした瞬間、鳳栖梧は、祝いの時期には各地の劇団(げきだん)が都にやって来て、道具や舞台装置に紛れ込ませて持ち込んだ可能性が高いと指摘する。劇団は通常、上元(じょうげん)節(じょうげんせつ)の後まで都に留まるため、盗まれた国庫金(こっこうきん)はまだ彼らの手元にあるはずだと推測。豊蘭息(ほうらんしょく)は部下に劇団の捜索を命じる。

白風夕(はくほうせき)と鳳栖梧が街に遊びに出かけると、豊蘭息(ほうらんしょく)はこっそりと後をつけるが、まるで邪魔者のような気分になる。鍾離(しょうり)は、物語の中の才子佳人は身分を隠してこそ美人の心を射止めると言い、豊蘭息(ほうらんしょく)に仮面を用意して白風夕(はくほうせき)と踊るように勧める。しかし、豊蘭息(ほうらんしょく)はプライドが邪魔をして、自分の気持ちを表すことができない。

鳳栖梧は白風夕(はくほうせき)の好物を用意し、彼らの推理に合緻するのは南城の大福班(だいふくはん)だけだと話す。捜査の難しさに直面した白風夕(はくほうせき)は、正々堂々と調べようと提案し、豊蘭息(ほうらんしょく)に協力を求める。真相に近づくため、二人は庶民の服に著替え、大福班に弟子入りする。班主(ばんしゅ)は豊蘭息(ほうらんしょく)の歌の上手さに感心し、彼を劇団に残すことにする。これは隠れ蓑(かくれみの)となる一方、もし彼らが役人だとバレれば命取りになる危険も孕んでいる。

夜、白風夕(はくほうせき)は黒装束(くろしょうぞく)に身を包み、顔を隠してある部屋に忍び込むが、班主に発見され、大声で「泥棒!」と叫ばれる。白風夕(はくほうせき)は素早く逃走する。班主は豊蘭息(ほうらんしょく)を見つけ、騒ぎを見に行かなかった理由を尋ねる。豊蘭息(ほうらんしょく)は芝居の稽古(けいこ)に夢中で気づかなかったと説明する。白風夕(はくほうせき)の居場所を聞かれると、豊蘭息(ほうらんしょく)は動揺しながら知らないと答える。その後、劇団員たちは棚から物音がすることに気づき、開けてみると中に隠れていた白風夕(はくほうせき)を発見する。

白風夕(はくほうせき)はとっさに、豊蘭息(ほうらんしょく)は自分の夫で、駆け落ちしてきたと嘘をつく。自分は李家の娘で、夫は有名な役者の尚(しょう)老板だと名乗り、父親に結婚を仮対されているため身分を隠していると説明する。捜索したものの国庫金は見つからず、今日の行動で相手に気づかれたと判断した白風夕(はくほうせき)は、明日に持ち越すことに決める。疑いを避けるため、豊蘭息(ほうらんしょく)は白風夕(はくほうせき)にその晩、劇団に泊まるよう手配する。

翌朝、白風夕(はくほうせき)は稽古中の豊蘭息に朝食を用意する。彼女は屋根を見上げ、国庫金がそこに隠されているかもしれないと考える。二人は屋根に上がり瓦を外すと、案の定、国庫金を見つける。豊蘭息はすぐに鍾離に犯人逮捕を命じるが、犯人たちの供述は既に口裏を合わせており、真相を聞き出すのは難しい。刑部(けいぶ)から、豊莒(ほうきょ)が周忠(しゅうちゅう)の無実を証明する十分な証拠を見つけたという知らせが届き、朝議(ちょうぎ)前に関連証拠を見つけなければならない状況に追い込まれる。

白風夕(はくほうせき)は、見せしめの処刑をすると見せかけて、班主に共謀者が戸部(こぶ)倉金部(そうきんぶ)主事の李大人(りだいじん)であることを自白させることを提案する。鳳栖梧は、白風夕(はくほうせき)の型破りな行動と男性を凌駕する知恵に改めて感嘆する。鍾離は李大人の逮捕を報告し、帳簿が周忠の無実を証明する鍵となる。豊蘭息は鍾離に物語での愛情表現の仕方を尋ねるが、彼の心はまだ戦場での戦いに囚われており、恋愛とは程遠い。

朝議で、鳳栖梧は雍王(ようおう)に、国庫の盗難は周忠ではなく、戸部金部主事の李穆(りぼく)らによる内部犯行だと報告する。彼らは罪を恐れて周忠に濡れ衣を著せたのだと説明する。鳳栖梧は証拠と李穆の自白書を提示し、雍王は大功一件だと褒めるが、勅命(ちょくめい)もなく勝手に捜査したことを咎め、功過相抵(こうかさそうてい)として、鳳栖梧と豊莒(ほうきょ)に戸部の不正事件の徹底捜査を命じる。

玉無縁(ぎょくむえん)は部下からの報告を受け、豊莒(ほうきょ)が激怒して問い詰めに来たことを知るが、意に介さない。彼は、豊蘭息がまだ自分の計略に気づかず、罠にはまっていると考えている。玉無縁(ぎょくむえん)は、豊蘭息の才知を油断させるには一度の勝利が必要だと考えている。国庫金の盗難は敵を誘い出すための策であり、真の目的は豊蘭息から隠泉水榭(いんせんすいしゃ)を奪い、天下を争う資格を失わせる事にある。

豊莒(ほうきょ)の非難に対し、玉無縁(ぎょくむえん)は彼の望み、つまり世子の座を手に入れるのを手伝うと申し出る。そのために必要なのは、雍王に豊蘭息への疑念を抱かせることだと語る。玉無縁(ぎょくむえん)は豊莒(ほうきょ)に錦囊(きんのう)を渡し、中には豊蘭息に対抗する方法が記されている。そして、豊莒(ほうきょ)にある芝居を演じるように指示する。

第22話あらすじとネタバレ

任如松(じんじょしょう)は良城の状況を詳しく調査し、豊蘭息(ほうらんしょく)に報告した。良城は長年、節度使の于鳴(うめい)に支配されており、王命さえも届きにくい状況だ。于鳴(うめい)は良城への支配を強固にするため、王に怒水上流に堤防を建設するよう進言したが、工事は遅々として進んでおらず、実際には口実に使われている。豊蘭息(ほうらんしょく)が良城に入るには、まず于鳴(うめい)の問題を解決しなければならない。

鍾離の報告によると、豊莒(ほうきょ)は退朝後すぐに玉無縁(ぎょくむえん)を訪ねたが、滞在時間は短く、出ていく時は不機嫌な様子だった。二人の間に亀裂が生じたようだ。その後、玉無縁(ぎょくむえん)はすぐに雍京を去った。豊蘭息(ほうらんしょく)は玉無縁(ぎょくむえん)が簡単に諦めるような人物ではないことを知っており、何らかの事情で雍京を離れざるを得なかったのだろうと推測し、豊莒(ほうきょ)の幹渉もその一因ではないかと考えた。

白建徳(はくけんとく)は二人の護令者との会談で、偽造された令牌を使って混乱を引き起こしている者がいると述べた。密かに調査した結果、製令者の公冶製が姿を消していることが判明し、公冶製が誰かと共謀して令牌を偽造したのではないかと疑い、他の護令者の身元の調査への協力を依頼した。

初雪が降り、気持ちを伝える良い機会だと人々は言う。鍾離は豊蘭息(ほうらんしょく)に緊張するなと励まし、自分と白風夕(はくほうせき)は知り合って長いので、彼女も好意を持ってくれているはずだと告げた。豊蘭息(ほうらんしょく)は鍾離の頭を軽く叩き、緊張などしていないと言いながら、白風夕(はくほうせき)に告白しようと決意し、鍾離に彼女を呼ぶように頼んだ。

その時、白風夕(はくほうせき)は鳳棲梧(ほうせいご)と外で鍋料理を楽しんでいた。鳳棲梧(ほうせいご)は白風夕(はくほうせき)が青(せい)州の料理に詳しいことに驚き、彼女が青(せい)州出身ではないかと尋ねた。白風夕(はくほうせき)は頷き、鳳棲梧(ほうせいご)は青(せい)州には惜雲公主という伝説の人物に続き、今また白風夕(はくほうせき)のような傑物が現れたと感嘆した。その後、白風夕(はくほうせき)は翌日、男装して馬で遊びに出かけ、女性の身分から解放されようと鳳棲梧(ほうせいご)に提案し、鳳棲梧(ほうせいご)は快諾した。

一方、豊蘭息(ほうらんしょく)は庭で白風夕(はくほうせき)を待っていたが、彼女が一日中鳳棲梧(ほうせいご)と一緒にいたと知り、少し不満げだった。鍾離は花火を見に誘うなど、他の機会もあると慰めた。豊蘭息(ほうらんしょく)はその提案を受け入れ、準備を整え、白風夕(はくほうせき)の来訪を待った。しかし、夜になっても白風夕(はくほうせき)は現れなかった。鍾離が探り回ると、彼女と鳳棲梧(ほうせいご)が男装して香楽坊に入ったことが分かった。それを聞いた豊蘭息(ほうらんしょく)は香楽坊へ行き、白風夕(はくほうせき)を無理やり連れ出し、自分の言葉を軽視したことを責めた。白風夕(はくほうせき)は初めは少し申し訳なさそうにしていたが、豊蘭息(ほうらんしょく)の態度に怒り、立ち去ろうとした。豊蘭息(ほうらんしょく)は慌てて彼女を引き止め、その様子を見た鍾離は場を和ませようと花火を打ち上げるよう指示した。

花火が打ち上がると、豊蘭息(ほうらんしょく)は白風夕(はくほうせき)を抱き寄せ一緒に見上げたが、白風夕(はくほうせき)はこんな古臭いことを誰が考えたのかと文句を言った。豊蘭息(ほうらんしょく)は腹を立てて部屋に戻り、白風夕(はくほうせき)を一人残した。しかし、彼は諦めず、様々な物語を読み始め、上元(じょうげん)節に白風夕(はくほうせき)を灯籠見物に誘う計画を立てた。

環娘(かんじょう)は偶然、豊蘭息と鍾離の会話を聞き、ある考えを思いついた。彼女は任如松(じんじょしょう)を訪ね、豊蘭息が本当に白風夕(はくほうせき)を好きなら、どんな困難があっても彼女を娶るだろうとほのめかした。環娘(かんじょう)は任如松(じんじょしょう)に、白建徳(はくけんとく)を通して白風夕(はくほうせき)に身を引くよう説得してほしいと頼んだ。任如松(じんじょしょう)はその頼みを断り、そのようなことをすべきではないと考えたが、環娘(かんじょう)は既に独断で彼の名刺を白建徳(はくけんとく)に送っていた。任如松(じんじょしょう)はこれに非常に不満だったが、環娘(かんじょう)はかつて豊蘭息を守ることを任されたことを持ち出し、全ては豊蘭息のためだと主張した。

最終的に、任如松(じんじょしょう)は白建徳(はくけんとく)と会い、白風夕(はくほうせき)と豊蘭息の関係について話し合った。天霜門(てんそうもん)は名門ではあるが、江湖(こうこ)の門派であり、白風夕(はくほうせき)が豊家に嫁ぐとなると多くの困難に直面するだろうと告げた。白建徳(はくけんとく)は任如松(じんじょしょう)が二人を引き裂こうとしていることに気づいたが、その裏にある複雑な事情も理解した。