第11話あらすじとネタバレ
任安楽(じんあんらく)は韓燁(かんよう)に連れられて来た場所の理由を尋ねた。韓燁(かんよう)は祖父の話を持ち出し、実は任安楽(じんあんらく)は既にそれを知っていた。韓燁(かんよう)は祖父に任安楽(じんあんらく)を受け入れてもらいたい、そして彼女と共に大靖の繁栄を築きたいと願う気持ちを伝えた。しかし、任安楽(じんあんらく)は多くを語らなかった。
韓燁(かんよう)は、彼女の助けが必要だと切実に訴え、そばに留まるよう頼んだ。すると意外にも、任安楽(じんあんらく)は彼の「知己」(ちき)となることを快諾した。太子妃には今はなれないとしても、いずれは必ずなると宣言した。その時、尾行に気づき、韓燁(かんよう)はあえてその者を誘き出した。これは韓燁(かんよう)の計画で、潜在的な脅威を炙り出すためだった。以前から韓燁(かんよう)はこの人物が侯爺の送り込んだ間者ではないかと疑っていた。先の襲撃事件で失敗したのは、韓燁(かんよう)への恩義があったからかもしれない。
韓燁(かんよう)は情けをかけようとしたが、相手は韓燁(かんよう)に迷惑をかけまいと自害を選んだ。任安楽(じんあんらく)は韓燁(かんよう)が彼に生路を与えようとしたこと、そして相手の頑固さを理解した。別れ際、任安楽(じんあんらく)は「もし自分が刀を向ける日が来たらどうするのか」と問う。韓燁(かんよう)は「用人不疑、疑人不用」(ようじんふぎ、ぎじんふよう)と答えた。
この一件は聖上の耳にも入り、韓燁が任安楽(じんあんらく)を先帝に会わせたこと、そして先帝が彼女に好印象を抱いたらしいことが伝えられた。しかし、侯爺との対立は避けられず、前途は多難だ。鍾礼文が捕まったと知った洛銘西は、侯爺への警告として彼に製裁を加えることにした。任安楽(じんあんらく)と韓燁が無事でいることに不満を抱く侯爺だが、いずれは二人を屈服させられると確信し、皇帝も今は二人に手出しはしないと踏んでいた。侯爺は任安楽(じんあんらく)の功績を称えるため、表向きは祝賀として聖上に謁見するが、実際は別の目的があった。
城門をくぐると、韓燁は任安楽(じんあんらく)に引き続きそばにいてほしいと願う。任安楽(じんあんらく)は「未来のお義父様に会いに行く」と言い、自分の気持ちをアピールした。二人の関係は城中に広まり、これは洛銘西の働きかけだけでなく、韓燁自身も後押ししていた。韓燁は今でこそ自分に優しくしてくれるが、任安楽は過去の出来事を決して忘れまいと心に誓った。
洛銘西は戻ってきた任安楽に連絡を取り、墜子の本名が鍾海だと知るが、彼の行方は依然として不明だった。任安楽は復讐心に取り憑かれ、韓家への復讐もその中に含まれていた。聖上は韓燁に、任安楽を太子妃と内定し、祝宴を開くと告げた。宴席には侯爺も現れ祝辞を述べるが、任安楽は冷淡な態度をとる。酒に酔った任安楽は、わざと酔ったふりをし、その様子は韓燁に見抜かれていた。帝梓元(ていしげん)の話を持ち出されると、任安楽は怒ったふりをして席を立った。
韓燁は洛銘西を呼び出し、任安楽の功績に関する話を持ち出し、洛銘西が彼女を重要視している理由を尋ねた。洛銘西は任安楽を自分に譲ってほしいと頼むが、韓燁は拒否する。太子妃選考が近づくにつれ、韓燁は下山する帝梓元(ていしげん)が注目されることを懸念していた。太后は帝梓元(ていしげん)が改名しない限り下山を認めないと強く仮対する。これは帝梓元(ていしげん)にとって大きな屈辱であり、任安楽も韓家に完全に失望した。
毎日酒を飲む安寧(あんねい)は帝梓元(ていしげん)との友情を思い出し、彼女の無事を祈っていた。偽の帝梓元(ていしげん)は毎日嫌々ながらも琴の練習をし、下山の日が近づいていた。任安楽は洛銘西に会い、過去の助けに感謝し、事が済んだら偽の帝梓元(ていしげん)を解放すると約束した。
韓燁は帝梓元(ていしげん)の筆跡を見て喜ぶが、手紙を任安楽に奪われ、二人は手紙の取り合いになる。任安楽は嫉妬心を露わにし、父の汚名を晴らすと誓った。
第12話あらすじとネタバレ
帝承恩(ていしょうおん)、ついに岱山を下りる時が来た。長年の待ち侘びた末の下山、改名という屈辱はあったものの、自由への喜びはそれを上回っていた。かつて拾われなければ、今頃生きてはいなかったかもしれない。岱山での長年の辛抱の日々も、ようやく報われるのだ。
下山の準備を整え、衣替えをしていると、慕青(ぼせい)が訪ねてきた。帝承恩(ていしょうおん)は慕青(ぼせい)を怒らせてしまった時はいつもこのようにして謝っていた。今回、慕青(ぼせい)は一緒に下山することに同意し、帝承恩(ていしょうおん)は大いに喜んだ。一方、韓燁(かんよう)は帝梓元(ていしげん)のために眉を描いていたが、筆が描くのは任安楽(じんあんらく)の姿だった。帝梓元(ていしげん)が改名して下山することを聞き、韓燁(かんよう)は驚いた。かつてあれほど誇り高かった彼女が、屈辱を受け入れてまで下山を選ぶとは、岱山での生活で何か変化があったに違いない。
安寧(あんねい)は父に、なぜ帝梓元(ていしげん)に改名させるのかと問いただしたが、父は安寧(あんねい)が他人のために自分に逆らうことに立腹した。帝府(ていふ)が刑部大牢(けいぶだいろう)になるという聖上の決定にも、安寧(あんねい)は心を痛めていた。帝梓元(ていしげん)との楽しかった日々を思い出し、刑部となる故地を前に、安寧(あんねい)は未練を隠せない。全てが夢であってほしいと願う安寧(あんねい)を、韓燁(かんよう)は優しく慰めた。数年の幽閉の後、帝梓元(ていしげん)はついに下山できる。たとえ改名という恥辱を負っても、彼女はそれを受け入れる覚悟だった。
任安楽(じんあんらく)はうっかり物音を立ててしまい、洛銘西(らくめいせい)を連れてその場を離れなければならなくなった。公務で来たのだと弁明する任安楽(じんあんらく)。帝梓元(ていしげん)のことをもっと知りたいと、嫉妬を装う彼女に、安寧(あんねい)は思わず笑ってしまった。韓燁(かんよう)は任安楽(じんあんらく)に、これ以上この場所に来るなと忠告した。
その後、一行は翎湘楼(れいしょうろう)で食事をした。席上、任安楽(じんあんらく)の提案で鼓を叩いて花を回し、花を受け取った者が質問に正直に答えるという遊びが始まった。韓燁(かんよう)に順番が回ってきた時、彼は任安楽(じんあんらく)の質問に答える代わりに酒を飲んだ。続いて安寧(あんねい)にも、なぜ帝梓元(ていしげん)の下山を見送らないのかという質問が飛んだ。彼女は韓家への恩義を忘れず、帝家が謀仮を起こしたとは信じられないと答えた。夜、安寧は一人剣の稽古をしていた。それは帝梓元から教わった剣術だった。彼女は帝梓元がまだ自分を恨んでいるのではないかと案じていた。
帝承恩(ていしょうおん)は正式に下山し、二度と岱山には戻らないと誓った。琳琅(りんろう)は彼女のために住まいを用意していたが、侍女たちは新しい主に対してあまり敬意を払っているようには見えなかった。しかし、帝承恩(ていしょうおん)は気にしなかった。彼女の心の中には、韓燁(かんよう)が待っているという思いしかなかった。だが、慕青(ぼせい)は、韓燁が待っているのは本当の帝梓元なのだと釘を刺した。洛銘西は、帝承恩(ていしょうおん)が帝梓元の代わりになれるかどうかを試すためにやって来たが、彼女は難なく対応した。洛銘西は慕青(ぼせい)に、帝承恩(ていしょうおん)の安全を確保し、万が一にも何かあってはならないと念を押した。もしものことがあれば、取り返しがつかないことになるからだ。慕青(ぼせい)は当然、そんなことはさせないつもりだった。彼女には、帝承恩に対して特別な感情があったのだ。
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