第33話あらすじとネタバレ
戦いが終わり、韓燁(かんよう)と帝梓元(ていしげん)は共に軽傷を負った。互いの様子を見て、二人は自然と相手を気遣う仕草を見せた。帝梓元(ていしげん)は韓燁(かんよう)に薬を分け、韓燁(かんよう)は溫朔 (おんさく)に頼んで帝梓元(ていしげん)に食料を届けた。二人の間には、互いを思いやる気持ちが確かに存在していた。その頃、溫朔 (おんさく)は苑琴(えん きん)と話し込んでおり、韓燁(かんよう)は帝梓元(ていしげん)と話す機会を得る。彼は、帝梓元(ていしげん)が過去の恨みを乗り越え、共に戦ってくれたことに安堵を感じていた。
帝梓元(ていしげん)と韓燁(かんよう)がわだかまりを解き、協力し合う姿を見て、溫朔 (おんさく)は胸を撫で下ろした。韓燁(かんよう)は帝梓元に、このような結末を予期していたこと、そして帝梓元と共闘できるだけで満足だと語った。程なくして洛銘西も戦場に到著するが、三人はすぐに敵の罠にはまった可能性に気付く。
一方、安寧(あんねい)は援軍の到著を待ちわびながら、必死に城門を守っていた。少ない兵力で、敵の猛攻に耐え続けていたのだ。激戦の末、莫北(ばくほく)が現れ安寧(あんねい)に降伏を勧めるが、彼女はそれを拒否する。ついに安寧(あんねい)は重傷を負い、息絶える。最期まで屈することなく、太后の陰謀を偶然耳にしてしまったばかりに、このような窮地に陥ってしまったことを悔やんでいた。
安寧(あんねい)の死を知り、韓燁と帝梓元たちは深い悲しみに暮れる。洛銘西は到著寸前だったものの、帝梓元の安全を心配し、進路を変えてしまったのだ。兵士たちは韓燁に洛銘西の処罰を求めるが、帝梓元は彼に更生の機会を与えるよう何度も嘆願する。難しい判断を迫られた韓燁もまた、洛銘西を処刑しなければ兵の怒りを鎮められないというジレンマに苦しんでいた。
安寧(あんねい)の部下は、彼女が遺した手紙を韓燁と帝梓元に届ける。手紙には、帝家八万の将士への申し訳ない気持ちが綴られていた。それを読み、帝梓元は涙を流し、安寧(あんねい)の遺体を取り戻すと誓う。青南城を失った韓燁には休息の暇もなく、安寧の仇を討つことを決意する。
韓燁は安寧との日々を思い出し、悲しみに沈む。幼い頃から彼女を気にかけ、あの時の別れが永遠の別れになるとは思ってもみなかった。安寧の戦死を伝える文書を書く韓燁の目からは、涙が止まらなかった。帝梓元は牢にいる洛銘西を訪ね、必ず事態を好転させ、無駄死にさせないと伝える。
翌朝、帝梓元は韓燁に手紙を書き、青南城へ仇討ちに向かうこと、そして再び洛銘西の助命を嘆願する。韓燁はすぐに出兵しようとするが、説得され、兵士たちも共に戦うことに同意する。出発時、帝梓元は溫朔 (おんさく)が同行していることに喜びを感じる。青南城を陥落させたばかりの北秦軍は、まだ態勢を立て直せていない。今こそ、攻撃の絶好の機会だった。
帝梓元は莫北(ばくほく)を標的に定め、安寧の遺体を引き渡すよう迫る。しかし、莫北(ばくほく)は狡猾にも、安寧の苦しみは全て帝梓元のせいだと主張し、遺体と城の交換を提案する。帝梓元はこれを断固拒否。両者は衝突し、莫北(ばくほく)は負傷、帝梓元も深手を負い気を失ってしまう。駆けつけた韓燁たちによって莫北(ばくほく)の企みは阻止されるが、彼は逃亡に成功する。
第34話あらすじとネタバレ
帝梓元(ていしげん)は重傷を負い、三日三晩もの間、昏睡状態に陥った。その間、韓燁(かんよう)はずっと付き添い、献身的に看病し、彼女の身を案じていた。初めて帝梓元(ていしげん)に出会った時のことを思い出し、まるで昨日のことのように感じている韓燁(かんよう)。永遠に共に過ごせると思っていたが、運命は残酷だった。韓燁(かんよう)は、この世でただ一つ望むのは、帝梓元(ていしげん)と残りの人生を共に過ごすことだと心の中で誓った。
洛銘西が捕らえられ投獄された。韓燁(かんよう)は見舞いに行く。洛銘西の才覚は承知していたものの、まさか罠にかかるとは思ってもみなかった。実は、洛銘西は安寧(あんねい)からの手紙を受け取っていたが、韓燁(かんよう)には真相を告げずに、安寧(あんねい)の死の責任を取り、命をもって償おうとしていたのだ。
数日後、帝梓元(ていしげん)はようやく意識を取り戻した。苑琴(えん きん)から、韓燁(かんよう)がずっと傍にいたことを聞かされる。その時、突然太鼓の音が聞こえてきて、帝梓元(ていしげん)は胸騒ぎを覚える。案の定、韓燁(かんよう)は刑場で毒酒を飲もうとしていた。帝梓元(ていしげん)は駆けつけるも、洛銘西は既に毒酒を飲み幹し、彼女の腕の中で息絶えた。この光景に、帝梓元(ていしげん)は悲しみに暮れる。青南城を取り戻したのに、なぜ洛銘西の命を救えなかったのかと自問自答する。韓燁(かんよう)も深く詫びる。帝梓元(ていしげん)は洛銘西の遺体を引き取ろうとするが、韓燁(かんよう)に阻まれ、兵士たちによってその場で埋葬されてしまう。この出来事が、まだ完全に回復していない帝梓元(ていしげん)の心身を深く傷つけた。
溫朔 (おんさく)は、一日中何も食べていない韓燁(かんよう)を心配し、食事を摂るように勧める。部屋に戻った帝梓元(ていしげん)は、自らの軍服を眺め、韓燁(かんよう)への憎しみを募らせ、帝家軍を集結させて北秦を討つことを誓う。韓燁(かんよう)にも苦衷があった。帝梓元(ていしげん)の願いを聞き入れれば、大靖の民を裏切ることになるのだ。夜、苑琴(えん きん)が城楼で月を眺めていると、溫朔 (おんさく)がやって来る。二人は、深まる韓燁と帝梓元(ていしげん)の溝を心配し、いつか二人が敵対してしまうのではないかと危惧する。苑琴(えん きん)は溫朔 (おんさく)に好意を伝える。溫朔 (おんさく)は喜びを隠せない。
翌朝、韓燁は帝梓元が北秦への攻撃を計画していることを知る。彼女の心情は理解できるものの、軽はずみな行動は避けてほしいと願う。北秦への攻撃には、綿密な計画が必要だ。韓燁は同行を申し出るが、帝梓元は拒否する。帝家軍を集結させた帝梓元は、すぐさま攻撃を開始し、次々と失地を回復、目覚ましい戦果を挙げる。しかし、この知らせを聞いた皇帝は激怒する。帝梓元の行動が太子を危険に晒したと考え、太子を守ろうと決意し、北秦に責任を押し付ける。
一方、莫北(ばくほく)は仮撃に出ようとしており、まずは帝梓元を捕らえる計画を立てる。韓燁は安寧(あんねい)の墓参りに行き、そこで“生き返った”洛銘西と出会う。実は、韓燁は洛銘西に偽装死をさせていたのだ。そして安寧(あんねい)を救い出し、五日前、琳琅(りんろう)が莫霜(ばくそう)の従者の遺体と安寧(あんねい)の遺体をすり替えようとしていた事実も明るみに出た。こうして、安寧(あんねい)の遺体は無事に返還された。安寧(あんねい)は最期まで帝梓元を守ろうとしており、息を引き取る前に洛銘西に帝梓元の救出を託していたのだ。
韓燁と洛銘西は密告を受け、皇帝と北秦の両方が帝梓元の命を狙っていることを知る。洛銘西は韓燁に帝梓元の保護を懇願する。今回戻ってきたのも、彼女の安全を守るためだ。韓燁は帝梓元の安全を確保するため、彼女を青南城から別の場所へ移動させ、自分は青南城に残ることにする。
攻城中の帝梓元は、洛銘西からの手紙を受け取る。彼が生きていることを知り、安堵すると同時に、韓燁を誤解していたことに気づく。
再び韓燁と再会した帝梓元は、安寧(あんねい)の仇を討つため、莫北(ばくほく)を殺すと誓う。韓燁は彼女に青南城を離れ、靖南へ戻るよう指示し、くれぐれも気を付けるようにと告げる。実は、全ては帝梓元の安全を守るための韓燁の周到な計画だったのだ。
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