第5話あらすじとネタバレ
東方青蒼(とうほうせいそう)が去った後、皆は安堵の息をつき、喜びを分かち合った。しかし、小蘭花(しょうらんか)が逃亡犯隠匿の罪で罰せられるのではないかと心配する声も上がった。小蘭花(しょうらんか)の喜びを耳にした東方青蒼(とうほうせいそう)は、胸にわずかな痛みを感じたが、小さな草の気持ちなど気にしないと強がった。
ところが、小蘭花(しょうらんか)は話題を変え、大強の良いところを褒め始めた。昊天(こうてん)塔に閉じ込められた大強に同情し、彼との日々が寂しくなかったこと、彼を助けるためなら罰を受けても構わないと語った。この言葉に、東方青蒼(とうほうせいそう)の心は温かくなった。
人々が散っていくと、東方青蒼(とうほうせいそう)は小蘭花(しょうらんか)に露を渡した。冷水を飲めない小蘭花(しょうらんか)のために、面倒だと思いつつも温めて、さらに熱すぎるからと冷ましてやった。ちょうど良い温度になった時、小蘭花(しょうらんか)は東方青蒼(とうほうせいそう)が苦労して集めた露を簡単に飲んではいけないと思い、彼に返して走り去ってしまった。東方青蒼(とうほうせいそう)は露を投げ捨てそうになったが、ぐっと堪えた。
一方、帝君は長珩(ちょうこう)を呼び出し、長珩(ちょうこう)の傍らにあったハンカチについて尋ねた。帝君は、長珩(ちょうこう)が失踪した神女(しんじょ)との婚約を解消し、ハンカチの持ち主と結ばれることを望んでいると推測した。長珩(ちょうこう)は小蘭花(しょうらんか)を傷つけたくないと思い、自分の気持ちを否定したが、帝君には見抜かれていた。帝君は長珩(ちょうこう)に、神女(しんじょ)に申し訳ないことをするなと釘を刺した。
夜、長珩(ちょうこう)はハンカチを手に、500年前小蘭花(しょうらんか)が自分を癒してくれた時のことを思い出していた。当時、小蘭花(しょうらんか)の霊力は弱かったが、彼女は長珩(ちょうこう)を守ろうとしてくれた。その頃の彼は、彼女が有名な戦神だとは知らなかった。長珩(ちょうこう)はハンカチと蘭の花を箱にしまい、小蘭花(しょうらんか)の安全を心配し、彼女のために煉製した仙丹を処分するように命じた。
東方青蒼(とうほうせいそう)は小蘭花(しょうらんか)が寒がりで温かい場所を好むことを知り、彼女の部屋に暖長明火を設置した。小蘭花(しょうらんか)は感激し、これは東方青蒼(とうほうせいそう)が自分に気がある証拠だと考えた。彼女は改めて想い人がいることを告げたが、東方青蒼(とうほうせいそう)は誰を好きであろうと、小蘭花(しょうらんか)は自分のものだと断言した。この言葉で、小蘭花(しょうらんか)は東方青蒼(とうほうせいそう)への想いをさらに深め、彼に自首して昊天(こうてん)塔から早く出るよう勧めた。
東方青蒼(とうほうせいそう)は小蘭花(しょうらんか)の言葉に耳を貸さず、彼女の世話に集中した。司命(しめい)殿に陽が当たらないため、小蘭花(しょうらんか)や草花が弱っていることを理解した東方青蒼(とうほうせいそう)は、小蘭花(しょうらんか)を連れて帝君の住む雲中水(うんちゅうすい)閣へ日光浴に出かけた。最初は巡邏の兵士に見つかるのではないかと怯えていた小蘭花(しょうらんか)だが、東方青蒼(とうほうせいそう)の術で姿を隠していたため安心した。緊張が解けると、美しい景色に感動し、喜んだ。東方青蒼(とうほうせいそう)は誰にも見つからないと約束し、小蘭花(しょうらんか)は上仙以上の力を持つ東方青蒼(とうほうせいそう)のような人物が三界にいるのかと不思議に思った。
夕方、東方青蒼(とうほうせいそう)は突然激しい痛みを感じた。小蘭花(しょうらんか)の部屋へ駆けつけると、彼女が体質に合わない薬を飲んでおり、もう少し遅ければ灰になっていたであろうことが分かった。死を覚悟した小蘭花(しょうらんか)は、東方青蒼(とうほうせいそう)に自分の遺品について頼み事をした。東方青蒼(とうほうせいそう)はすぐに彼女の体内の熱を取り除いた。小蘭花(しょうらんか)は師匠が百花羹を作ってくれた時のことを思い出し、涙を流した。
自分の部屋に戻った後も、東方青蒼(とうほうせいそう)は小蘭花(しょうらんか)の悲しみを感じていた。呪いを解かない限り、彼女と喜びも悲しみも分かち合わなければならない。この感覚に耐え切れなくなった東方青蒼(とうほうせいそう)は、小蘭花(しょうらんか)のために百花羹を作った。百花羹で目を覚ました小蘭花は、東方青蒼(とうほうせいそう)が自分のために作ってくれたと聞き、感激の涙を流した。東方青蒼(とうほうせいそう)は彼女が悲しんでいると勘違いし、二度と泣くなと命じた。小蘭花が嬉し泣きだと説明すると、東方青蒼(とうほうせいそう)は安堵した。
小蘭花は東方青蒼(とうほうせいそう)を怒らせないよう、百花羹の味がおかしいと感じながらも全て飲んでしまった。東方青蒼は一口飲んで吐き出してしまったが、それでも小蘭花の笑顔が見たいと思っていた。
第6話あらすじとネタバレ
東方青蒼(とうほうせいそう)は小蘭花(しょうらんか)にどうすれば彼女が喜ぶのか尋ねた。小蘭花(しょうらんか)はすぐに、彼のために料理を作り、昊天(こうてん)塔へ送り返すと提案したが、東方青蒼(とうほうせいそう)はそれを断った。彼女は続けて、仙試に合格し、湧泉宮に仕えることができれば嬉しいと言い、長珩(ちょうこう)への憧憬を隠さず口にした。この言葉に、東方青蒼(とうほうせいそう)はわずかな不快感を覚えた。小蘭花(しょうらんか)の言葉から、彼女が想いを寄せているのは長珩(ちょうこう)だと知り、心中に一抹の不機嫌さが広がった。
小蘭花(しょうらんか)は東方青蒼(とうほうせいそう)に、他の仙女ともっと交流すれば、自分の特別さが薄れると提案した。しかし、東方青蒼(とうほうせいそう)にとって、小蘭花(しょうらんか)は三界で最も特別な存在だった。彼女は、その特別扱いを自分に気があるのだと勘違いし、改めて長珩(ちょうこう)への想いを強調した。
翌日、目を覚ました小蘭花(しょうらんか)の傍らには長珩(ちょうこう)が立っていた。彼は永遠に彼女と共にいると告げた。しかし、その冷たい表情から、小蘭花(しょうらんか)は彼が東方青蒼(とうほうせいそう)の変身であることを見抜いた。彼女は本当の長珩(ちょうこう)に会いたい、幻ではなく本物の彼に会いたいと願った。湧泉宮で長珩(ちょうこう)に仕えることこそが彼女の望みであり、それが葉わなければ、彼女は決して幸せにはなれないと訴えた。
仙女の丹音(たんいん)は修練のしすぎで仮動を受け、父親の仙尊・灃沅に見つかった。湧泉宮に入るためだけに仙試に合格しようと躍起になっている娘を心配した灃沅は、無理をせず、暴走しないよう諭した。そして、長珩(ちょうこう)には既に婚約者がいるため、彼に関わると不幸になると忠告し、距離を置くように言った。
丹音(たんいん)は小蘭花(しょうらんか)の元を訪れ、命簿(めいぼ)を見ようとしたが拒否された。怒りに駆られた彼女は命簿(めいぼ)樹を壊し、偶然にも樹の穴から未来を垣間見た。そこには、新郎衣裳の長珩(ちょうこう)と一人の女性が結婚する様子が映し出されていた。そして、花嫁の顔が小蘭花(しょうらんか)のものへと変化した。実はこの樹の穴は天極鏡であり、過去と未来を覗き見ることができるのだ。丹音(たんいん)はそれを信じず、小蘭花(しょうらんか)を平手打ちした。東方青蒼(とうほうせいそう)は丹音(たんいん)を罰しようとしたが、小蘭花(しょうらんか)に止められた。
仙試の準備中、小蘭花(しょうらんか)は仙女たちの噂話を耳にした。長珩(ちょうこう)が七日間かけて丹薬を練り、丹音(たんいん)に贈ったというのだ。丹音(たんいん)は仙試の内定者だと皆が噂していた。人混みの中で小蘭花(しょうらんか)を見つけた長珩(ちょうこう)は、五百年前、北冥之星を持ち帰ると約束したことを思い出した。そして、約束を果たすため、奇幻流螢石を紛失したと偽った。
仙女たちは森に入り、仙獣を捕らえる試練に挑んだ。四十八人中、九人だけがこの栄誉を勝ち取ることができる。仙獣を降伏させれば、仙試合格となる。恐怖を感じながらも、姿を隠した東方青蒼(とうほうせいそう)に背中を押され、小蘭花(しょうらんか)は勇気を振り絞って森に入った。森に入る前、長珩(ちょうこう)は皆に救難信号を配った。
東方青蒼(とうほうせいそう)は殤闕と共に森に入った。臆病な小蘭花(しょうらんか)がなぜ皆が恐れる東方青蒼(とうほうせいそう)を怖がらないのか、殤闕は不思議に思った。小蘭花(しょうらんか)を助けるため、殤闕はわざわざ仙獣を捕まえて彼女の前に放ったが、その大人しい仙獣でさえ、小蘭花(しょうらんか)は見逃してしまった。東方青蒼(とうほうせいそう)は、仙獣が自分の存在を感じて逃げたのだと気づき、仙獣を怖がらせないよう距離を置いた。
小蘭花(しょうらんか)は食べ物で英招(えいしょう)という仙獣をうまく降伏させたが、丹音(たんいん)たちに囲まれてしまった。丹音(たんいん)は小蘭花(しょうらんか)に仙獣を諦めるよう要求したが、彼女は断固として拒否し、自分の成果を守ろうとした。怒った丹音(たんいん)は小蘭花(しょうらんか)の修為を奪おうとしたが、東方青蒼(とうほうせいそう)が密かに力を貸し、撃退された。英招(えいしょう)も小蘭花(しょうらんか)を守り、珠を贈って自ら降伏した。小蘭花(しょうらんか)は大喜びした。
突然、東方青蒼(とうほうせいそう)は邪気を察知し、急いで調査に向かった。小蘭花(しょうらんか)の護衛は殤闕に任せた。ところが、英招(えいしょう)は突然巨大化し、小蘭花(しょうらんか)を追いかけ始めた。彼女の身を案じた長珩(ちょうこう)は駆けつけようとしたが、容昊(ようこう)に阻まれた。この様子は帝君に目撃されていた。
殤闕は間一髪で小蘭花を救出したが、英招(えいしょう)は他の仙女たちの元へ行ってしまい、小蘭花も丹音(たんいん)も捕獲できなかった。小蘭花は皆を連れて樹の穴に逃げ込み、皆の仙球を使って英招(えいしょう)をおびき寄せた。英招(えいしょう)が襲いかかろうとしたその時、長珩(ちょうこう)はついに我慢できなくなり、森へ駆け出した。容昊(ようこう)もその後を追った。英招(えいしょう)に追われる小蘭花は、恐怖のあまり叫び声をあげ、助けを求めた。
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