第25話あらすじとネタバレ
姚子衿(ようしきん)が心を込めて用意した焼肉料理。その香ばしい匂いに誘われ、皇帝がやって来た。朱瞻基(しゅせんき)は言葉には出さないものの、食欲をそそられた様子は隠しきれない。一口食べると大満足の様子で、姚子衿(ようしきん)はそれぞれの味の解説を丁寧に行った。朱瞻基(しゅせんき)が父である皇帝に初めて焼肉を振る舞う姿に、皇帝は深く感動した。
蘇月華(そげつか)は料理が燥熱すぎると批判しようとしたが、姚子衿(ようしきん)は既に策を講じていた。間もなく、朱瞻基(しゅせんき)は体調不良を訴え退席するが、実は古傷の再発が原因だった。姚子衿(ようしきん)は傷の手当てをしようとするが、結局袁公公が対応した。朱瞻基(しゅせんき)は姚子衿(ようしきん)のことをよく理解しており、彼女の傷が治っていないのを見て安静にするよう促した。姚子衿(ようしきん)は皇帝が皇太子時代に詠んだ詩集を書き写しており、皇帝の心に寄り添う様子が伺える。このやり取りを戸外で聞いていた皇帝と皇后。皇帝は自ら姚子衿に自身の欠点を指摘するよう求め、その場で司膳に任命した。姚子衿は災い転じて福となす結果となった。
帰る前、朱瞻基(しゅせんき)は姚子衿を責めた。彼女は流刑になった女官たちの減刑を皇帝に願い出るため、この機会を利用したのだ。朱瞻基(しゅせんき)の問いに対し、姚子衿は否定しなかった。住まいに戻ると皆が祝いに駆けつけ、その後皇后からも手当てのために呼ばれた。幸い大事には至らなかった。皇后が服を持参していることに気づいた姚子衿は、自分が太子妃(ひしのかみ)にと望まれていると察するが、その申し出を受け入れるつもりはなかった。退出する際、老夫人に会い、敬意から彼女の頼みを断ることができなかった。
皇太子に濡れ衣を著せられた際、遊一帆は朱瞻基(しゅせんき)を弁護し、皇帝に讒言を信じないよう進言した。彼自身も病み上がりで、立つのもやっとの状態だった。遊一帆は朱瞻基(しゅせんき)にしばらく京城を離れないよう忠告し、朱瞻基(しゅせんき)はそれに従った。皇帝は口には出さないものの、刺客事件を深く憂慮していた。殷紫萍(いんしへい)が特別な料理を皇帝に献上し、賞賛と褒美を受けた。
太子妃(ひしのかみ)となることを避けるため、姚子衿は朱瞻基(しゅせんき)の書斎に隠れた。朱瞻基(しゅせんき)は彼女を探しに来た老夫人から姚子衿を匿った。なぜ祖母を恐れるのかと朱瞻基(しゅせんき)に問われ、姚子衿は幼い頃に重病になった際、老夫人が諦めずに看病してくれたおかげで命が助かったことを思い出した。そして今は尚食の職務に専念したいと願っていることを伝えた。殷紫萍(いんしへい)が料理の献立表を姚子衿に渡した。姚子衿はその献立の意図が分からず尋ねるが、殷紫萍(いんしへい)は何らかの理由で説明を濁した。
翌日、殷紫萍(いんしへい)と蘇月華(そげつか)は共に皇帝の料理を準備したが、皇帝は食事後、喘息の症状が出た。太医の診察では料理自体に問題はなかったが、太子妃(ひしのかみ)は尚食局の薬膳の使いすぎを懸念した。皇后が対策を講じようとしたその時、姚子衿は太医も皇帝に補薬を処方していることを指摘し、料理に人参の汁を加えてバランスを取ると提案した。なぜすぐに真実を話さなかったのかと皇帝に問われ、姚子衿は太医が罰せられることを懸念したためだと答え、周囲への配慮を示した。この機に皇后は姚子衿を太子妃(ひしのかみ)に推挙し、居合わせた全員を驚かせた。
第26話あらすじとネタバレ
姚子衿(ようしきん)は自分が太子嬪に冊封されることを知り、大変驚いた。皇后はこの時、驚くべき事実を明かした。なんと、姚子衿(ようしきん)は先皇が指名した太孫嬪候補だったのだ。この知らせに皇帝は合点がいった様子だった。このような事態に、姚子衿(ようしきん)は仮論しようとしたが、孟子沄に止められた。朱瞻基(しゅせんき)は自ら姚子衿(ようしきん)に興味がないと表明したが、皇后が推薦したこともあり、皇帝は最終的にこの任命を認めた。
その後、朱瞻基(しゅせんき)は母に何故この結婚にこだわるのかと尋ねた。口では姚子衿(ようしきん)を好きではないと言っていたが、実際は既に彼女に想いを寄せていたのだ。朱瞻基(しゅせんき)は自分の身分で姚子衿(ようしきん)を束縛したくはなく、彼女には自分の理想を追求してほしいと思っていた。皇后的決定は、将来朱瞻基(しゅせんき)が帝位を継承するための準備でもあった。一方、遊一帆は皇帝に重用されているものの、彼の心は完全に権力に向いているわけではなかった。
姚子衿(ようしきん)と親友の殷紫萍(いんしへい)は尚食局に戻り夕食を共にした。二人は間もなく訪れる別れに涙を流した。姚子衿(ようしきん)は殷紫萍(いんしへい)のような親友に感謝し、自分の過去を語り、運命の奇妙な転換で太子嬪になったことを感慨深く語った。しかし、彼女の野心はこれに留まらず、更に大きな目標を持っていた。
ある日の薬の交換時、太医は大胆にも皇帝の寿命は長くないかもしれないと指摘した。この言葉に朱瞻基(しゅせんき)は怒りと同時に大きな不安を抱いた。皇帝は側妃(そくひ)・郭(かく)氏に会うことを拒否したため、彼女は孟子沄に助けを求めた。孟子沄も皇帝の健康状態が良くないことに気づき、側妃(そくひ)・郭(かく)氏に事前に準備をするよう助言した。
ある朝、姚子衿(ようしきん)は玄関先に置かれた贈り物を見つけ、ベッドの下の箱に大切にしまった。老夫人の手で丁寧に支度を整えられ、太子嬪の衣装を身につけた姚子衿(ようしきん)は、大殿の外で冊封儀式の開始を待った。この光景を遊一帆も見ており、複雑な思いを抱きながらも何も言えなかった。儀式の後、朱瞻基(しゅせんき)は門の外で姚子衿(ようしきん)を待っていた。礼儀に仮する行為だったが、二人は手を取り合ってその場を後にした。朱瞻基(しゅせんき)は喜びをこらえながら、姚子衿(ようしきん)に寄り添った。
姚子衿は太子妃(ひしのかみ)に拝謁した後、経験豊富な侍女が世話係として付けられた。その夜、姚子衿は婚房で朱瞻基(しゅせんき)の到著を待っていた。朱瞻基(しゅせんき)は読書に集中しているように見えたが、実際は姚子衿のことを考えていた。ついに彼は書物を置き、姚子衿の部屋に向かおうとしたが、途中でためらい、足を止めた。
一方、朱瞻基(しゅせんき)は馬場で酒を飲みながら弓を射る遊一帆に出会った。二人はすぐに試合を始めたが、朱瞻基(しゅせんき)の古傷が再発し、試合を中断せざるを得なくなった。朱瞻基(しゅせんき)は傷が治ったらまた試合をしようと約束し、遊一帆もそれに同意した。
姚子衿は朱瞻基(しゅせんき)が来ないと予想し、早めに寝巻きに著替えて休む準備をした。姚子衿が怒っていないことを知った朱瞻基(しゅせんき)は大変驚いた。深夜、蘇月華(そげつか)は遊一帆が屋根の上で簫を吹く音を聞いた。彼もまた、心に何かを抱えているようだった。
かつて莊妃の側仕えだった阿金は、姚子衿の優しさをよく知っており、皇后に自ら誌願して姚子衿の世話係になった。殷紫萍(いんしへい)が食事を届けに来た時、朱瞻基(しゅせんき)がまだ姚子衿を訪ねていないことに気づき、不満を感じた。阿金は外で朱瞻基(しゅせんき)が来るのを待っていたが、時間は過ぎ、宮中の嬪妃たちは太子妃(ひしのかみ)の宮で食事をし、姚子衿の噂話をしていた。
周囲に姚子衿をないがしろにしていると思われないよう、朱瞻基(しゅせんき)はたくさんの贈り物を送ったが、姚子衿は返礼に現れなかった。これに腹を立てた朱瞻基(しゅせんき)は、直接姚子衿のもとへ向かったが、ちょうど彼女が入浴しているところに出くわし、声をかけずに引き返した。
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