第15話あらすじとネタバレ
その頃、玄機(げんき)は妖術に対抗できず、一旦退却せざるを得ませんでした。それ以来、彼は笛の音に強い警戒心を抱くようになり、このことは蘭珏(らんかく)も知っていました。その後、蘭珏(らんかく)は笛の絵図を玄機(げんき)に見せると、玄機(げんき)はそれが摩箩族の装飾品であり、彼らの族徽だと説明しました。この謎めいた一族に対抗するため、玄機(げんき)は彼らの物品を多数収集し、箱に保管していました。蘭珏(らんかく)が確認すると、絵図は手元の笛と一緻しました。
玄機(げんき)は、長年蘭珏(らんかく)に真実を告げられなかった理由を明かしました。彼自身だけでなく、蘭珏(らんかく)の父もまた、この力の犠牲者だったのです。この妖術は人の心を読み、何もかも隠すことができません。具体的な妖術について聞かれると、玄機(げんき)は鏡花水月(きょうかすいげつ)を挙げ、張屏(ちょうへい)はすぐさま水器を見せました。まさにそれでした。
玄機(げんき)は当時を振り返り、妖術を使う女の傍らに二、三歳の子どもがいたこと、そして今は成人し、張屏(ちょうへい)と同じくらいの年齢になっていることを語りました。彼の言によると、彼らは摩箩村まで追跡しましたが、女は気づいたようで、子どもを連れて夜の闇に紛れて逃亡しました。玄機(げんき)たちが到著した時には、子どもと水器は既に姿を消していました。玄機(げんき)はさらに、水器を使うと低い音が鳴り響き、水面が波立ち、それを見た者、聞いた者は皆、心を惑わされるのだと付け加えました。それでも張屏(ちょうへい)は、自分がその子どもの子孫だという証拠にはならないと主張しましたが、蘭珏(らんかく)は、張屏(ちょうへい)の記憶にある笛と水器のことは説明がつかないと感じていました。
ある時、何者かが密室に侵入し、彼らを襲撃しました。蘭珏(らんかく)と張屏(ちょうへい)は敵わず、蘭珏(らんかく)は気絶してしまいます。張屏(ちょうへい)は負傷しながらも、侵入者を追跡しました。玄機(げんき)と侵入者が密室を出た後、張屏(ちょうへい)は一歩及ばず中に閉じ込められ、外の戦闘の音だけが聞こえてきました。ようやく脱出した時には、玄機(げんき)と侵入者は既に死んでおり、玄機(げんき)が最期に仕掛けを起動し、矢で相手を射殺したようでした。
蘭珏(らんかく)は目を覚まし、玄機の死を知って激怒しました。張屏(ちょうへい)は他の手がかりを探すことを提案しましたが、蘭珏(らんかく)は玄機が最後の希望だったため、怒りに任せて張屏(ちょうへい)に剣を向けました。張屏(ちょうへい)は深く悲しみ、蘭珏(らんかく)に自分を敵とみなしているのかと問いました。蘭珏(らんかく)は今後張屏(ちょうへい)とは一切関わりを持たないと告げ、張屏(ちょうへい)が重傷を負っていても、同情の念は抱きませんでした。
蘭(らん)府を去った張屏は、雨に濡れたことで傷が悪化し、道端で倒れてしまいます。陳籌(ちんちゅう)が駆けつけ、どうにか安全な場所へ運びました。玄機の死後、蘭珏は玄機の名で謝罪状を書き、真実を明らかにしようと計画します。旭東(きょくとう)は玄機の手稿と私印を持ってきましたが、偽造だと考えても蘭珏を止めることはできませんでした。王墨聞が訪ねてきて、この行為は無実の人々、特に当時まだ幼かった張屏を巻き込むことになると忠告しました。しかし、蘭珏は「母債子償」の考えを曲げず、王墨聞にこれ以上説得するなと告げ、十日後に謝罪状を受け取りに来るよう約束しました。玄機の筆跡を練習している時、蘭珏は猫の鳴き声を聞き、心の葛藤に苦しみます。すると玄機の霊が現れ、蘭珏の覚悟が足りないと言い放ちました。
張屏は雲頭山へ師匠に会うことを決意し、途中で再び倒れます。目を覚ますと、師匠が薬を替えてくれていました。師匠は重傷の理由を尋ねますが、張屏は答えませんでした。一方、蘭珏は偽の笛を作り、再び玄機の幻影を見ます。玄機は蘭珏を励まし、さらに進んで筆跡の模倣を試みるよう促しました。蘭珏は猫の鳴き声を聞くたびに捕まえようとしますが、猫に引っ掻かれ、猫は姿を消してしまいます。
数日後、蘭珏は外出し、宿場の老兵を偽証者として見つけました。老兵はかつて異民族の女が呪禁科の令牌を持って邪法を使い、自分の父を惑わしたのを見たことがあると証言しました。玄機の霊は再び現れ、蘭珏がますます自分に価てきたと言い、今は自分の字を書けるだろうと告げました。こうして人証物証が揃い、あとは玄機の謝罪状だけとなりました。
第16話あらすじとネタバレ
張屏(ちょうへい)はこれまでずっと睡眠が浅く、師匠が枕元に蘭の鉢植えを置いてくれてからようやく落ち著いて眠れるようになった。翌朝、張屏(ちょうへい)は自分の出自について、拾われた場所、当時の様子、著ていた服など詳しく師匠に尋ねるが、師匠は口を閉ざしたままだった。
蘭珏(らんかく)は張屏(ちょうへい)の身世の秘密を書き綴ろうとするが、うまくいかない。特に張屏(ちょうへい)の名前を書く段になると、筆が進まない。その時、猫の鳴き声が聞こえ、苛立ちを感じた蘭珏(らんかく)は猫を探し始める。すると、再び玄機(げんき)が現れ、張屏(ちょうへい)の正体を明かせない蘭珏(らんかく)を責め、猫一匹すら対処できないと嘲笑う。ようやく猫を見つけた蘭珏(らんかく)は香炉を手に取るが、結局床に投げ捨て、猫を傷つけることはしなかった。そして、張屏(ちょうへい)の母親が罪を犯したとしても、張屏自身に罪はなく、巻き込むべきではないと考える。
ある日、師匠は買い出しに誘い、張屏も同行することに。道中、張屏は再び自分の出自を尋ねるが、師匠は話を逸らし、京城から帰ってきて値切り交渉を覚えた張屏をからかう。山を下りると、村人たちは張屏の姿を見て喜び、新鮮な果物などを贈る。あるおばさんは、幼い頃の張屏の素直で優しい様子を思い出し、夜遅くに提灯を持って自分の帰りを待っていた心温まるエピソードを語る。
突然雨が降り出し、張屏と師匠は雨宿りする。そこで、生きる希望を失った3人の乞食に出会う。師匠は快く銅貨で占いを行い、彼らが将来、商人、将軍、そして侯爵になると予言する。この言葉で3人は再び希望を取り戻す。一方、師匠はほろ酔い気分で歌を口ずさみながら、張屏と共に山へと戻る。
山に戻ると、蘭珏(らんかく)は張屏の過去を追求しないと決めていた。たとえ母親に非があったとしても、当時の張屏はまだ子供だったのだと理解したのだ。師匠は張屏に真実を語る。張屏は師匠が旅の途中、森の中で見つけた子供だった。異民族の服を著ており、周りの家族はすでに亡くなっていた。当時、村には奇妙な赤い霧が立ち込めており、危険を感じた師匠はすぐに張屏を連れてその場を離れたのだった。
幼い頃の張屏はよく泣き止まなかったが、身に付けていた香袋の匂いを嗅ぐと落ち著くのだった。その香袋には珍しい蘭が入っており、その香りを絶やさないよう、師匠は苦労して西川(せいせん)で種を見つけ、裏山に植えたのだ。張屏が悪夢にうなされる度に、師匠はこの蘭を使った香で彼を安眠させていた。張屏はその蘭を見て、蘭珏(らんかく)の家の蘭とよく価ていることに気づき、香袋に刻まれた「珏」の字から、蘭珏のものかもしれないと考える。師匠は、張屏が京城でやり残したことは蘭珏と関係があるかもしれないと推測する。
最後に、張屏は旅立ちの準備をする。師匠は自分が占いはできないこと、ただ人々に心の拠り所を与えたかっただけだと明かし、3枚の銅貨を記念に張屏に渡す。張屏は師匠に別れを告げ、京城へと戻る。一方、蘭珏の屋敷では、猫の鳴き声の問題に対処していた蘭珏が、張屏が猫のために作った小さな小屋を偶然発見する。「拉麺神探」と書かれた札が小屋に掛けられており、過ぎ去った日々を物語っていた。
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