第7話あらすじとネタバレ
張屏(ちょうへい)は、蘭珏(らんかく)が胭脂案(えんじあん)捜査を妨害する黒幕ではないかと疑い始めた。暗渠(あんきょ)を発見した時など、捜査が進展する度に蘭珏(らんかく)が現れ、阻止しているように思えたからだ。 自分の考えを確かめるため、変装した張屏(ちょうへい)は蘭珏(らんかく)を尾行し、蘭珏(らんかく)の屋敷で出かける準備をしていたキョウ毓貞(きょういくてい)に遭遇する。張屏(ちょうへい)はキョウ毓貞(きょういくてい)を呼び止め、胭脂について問い詰める。キョウ毓貞(きょういくてい)は胭脂が自分の物だと認めるが、楚啓兒(チュ・チーアル)を殺すつもりはなかったと主張する。
キョウ毓貞(きょういくてい)は張屏(ちょうへい)に事の顛末を語る。楚啓兒はキョウ毓貞(きょういくてい)にある競争から降りるよう要求し、屈辱的な手段で彼女を追い詰めた。絶望の淵に立たされたキョウ毓貞(きょういくてい)は、毎日部屋に閉じこもって泣いていた。そんな時、謎の人物が現れ、楚啓兒の問題を解決する手助けを申し出た。キョウ毓貞(きょういくてい)はその人物と共謀したが、彼女の本来の目的は楚啓兒を傷つけることではなかった。
張屏(ちょうへい)がキョウ毓貞(きょういくてい)を共犯者だと責め立てた時、蘭珏(らんかく)が間に入り止めに入る。蘭珏(らんかく)は、龔尚書(ゴン・シャンシュー)がもうすぐ退官する予定であり、このスキャンダルが明るみに出れば彼の名声とキョウ毓貞(きょういくてい)の人生に影響が出ると指摘する。この話を聞いた龔尚書は、孫娘と共に責任を負うことを決意する。蘭珏は自嘲気味に、自分の行動こそが不当だったのではないかと感じる。
物語は進み、蘭珏は20年前の出来事を思い出す。父の通敵の罪により、多くの人からいじめられていた蘭珏を救ったのは、龔尚書だった。それだけでなく、龔尚書は蘭珏に仕事を与え、科挙に合格するまで学問を続けられるよう支援した。しかし、龔尚書は蘭珏が礼部尚書(しょうしょ)の地位を追及することで、故友である蘭林(らんりん)の「蘭珏を官界の争いから遠ざけるように」という遺言に背くことを危惧していた。
これらの事実を知った蘭珏は深く後悔し、胭脂の箱を残し、今後のことは龔家に任せることにする。しかしその後すぐに、キョウ毓貞(きょういくてい)が行方不明になったという知らせが入り、事態はさらに複雑化する。
その後、王墨聞は蘭珏から事の全てを聞き、張屏(ちょうへい)も議論に加わり、最近亡くなった孫神医(スン・シェンイー)の死因が楚啓兒と価ていることを指摘する。孫神医と楚啓兒の遺品を調べると、ある本の印鑑に異常があり、毒性のある赤い粉末が見つかる。さらに調査を進めると、この粉末が二人の死因である可能性が浮上する。
張屏は花びらに「因吉天(インジーティエン)」という三文字を発見する。これは古代の伝説、あるいは秘密結社の存在を示唆している。古貘国(こばくこく)建国時代の伝説によると、「因吉天」は六人の聖賢を地上に遣わし、人々を教化したという。孫神医と楚啓兒はその中の二人、医聖と舞聖だったのかもしれない。そして今、知恵の聖人が次の鍵を握る人物として浮かび上がってくる。
第8話あらすじとネタバレ
蘭珏(らんかく)と張屏(ちょうへい)は無名閣へ向かった。そこは封(ほう)家四聖と呼ばれる四つ子の才子が住まう場所だった。しかし、到著するとそこは惨状と化していた。バラバラになった遺体の一部、頭と腕のない三体の死体、そしてかろうじて原形をとどめている一体だけが残されていた。張屏(ちょうへい)は、犯人がこれらの遺体を使って六聖賢の像を模倣しようとしているのではないかと推測した。
刑(けい)部の検視の結果、これらの犠牲者は以前の楚啓児(そけいじ)たちと同じ状況で殺害されており、また、遺体には蚤に刺された痕跡があった。封(ほう)家四聖は名家出身で、無名閣は常に清潔に保たれているため、蚤がいるとは考えにくい。そこで張屏(ちょうへい)は、何者かが秘密の通路を使って侵入し、毒を盛ったのではないかと疑い、捜索を開始した。すると、棚の後ろに強い血の臭いを放つ隠し通路を発見、それは複雑な地下水路へと繋がっていた。犯人が水路を使って逃走する可能性を考え、蘭珏(らんかく)は旭東(きょくとう)に水門を閉じるよう指示し、水位が下がった後に手がかりを探すことにした。
探索中、二人は隠し部屋を見つけたが、そこで爆薬による攻撃を受けた。蘭珏(らんかく)はとっさに張屏(ちょうへい)をかばい難を逃れたものの、崩落してきた石で張屏(ちょうへい)は負傷し、退路も断たれてしまった。外にいる謎の人物は、そこは行き止まりであり、中の人間が死なない限り出られないと告げた。そして、キョウ毓貞(きょういくてい)を捕らえていることを認めながらも、まだ殺すつもりはないと語った。窮地に陥った蘭珏(らんかく)は、これまでの自分の過ちを張屏(ちょうへい)に告白し、協力を求めた。張屏は蘭珏(らんかく)への不信感を拭いきれていないものの、共に真相を追究することに同意した。謎の人物の言葉から、犯人は六聖賢にまつわる人物を、歴史上の順序に従って殺害していること、そして次の標的は楽聖に相当する人物であることに気づいた。
二人は無名閣で見た六聖賢の錦緞を思い出した。それは雲裳坊特製の赤霞鎏金緞で、呉娘子(ごじょうし)だけが織ることができるものだった。そこから、農桑之聖は呉娘子(ごじょうし)である可能性が高いと考えた。また、驚堂木の大理寺の紋章から、典獄(てんごく)之聖は大理寺の陶大人ではないかと推測した。張屏の機転で、二人は焼却炉の煙突から脱出し、王墨聞と合流、三人は次の標的を守るため、別々に動くことにした。
陶大人は自分が標的になっていることを知り、恐怖に慄いていた。そして、呉娘子(ごじょうし)がすでに殺害されたという知らせは、彼の恐怖をさらに増大させた。一方、張屏は字の読めない馬叔(ばしゅく)のために手紙を読んであげていた。その手紙には、馬叔(ばしゅく)の息子が南方に魂を奪う不思議な部族がいるという噂を耳にしたと書かれていた。この情報から、張屏と王墨聞は永宣元年に嶺南道越裳県摩箩村で起きた事件の記録を調べ、それが今回の事件と関連があるのではないかと考えた。
蘭珏(らんかく)のもとに戻ると、彼は父が永宣元年の4月に家を出て、3ヶ月後に戻る予定だったこと、それがちょうど摩箩村の事件が起きた時期と重なっていることを明かした。蘭林(らんりん)は10月に帰宅したが、それも村から京城に戻るのにかかる時間と一緻していた。蘭珏は兄に香袋を贈っていた。彼は、この二つの事件が父の本当の行動を解明する鍵になるかもしれないと考えていた。しかし、行動の荒い張屏にこのことを話すと余計な問題が起きるのではないかと懸念していた。
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