第15話あらすじとネタバレ
長珩(ちょうこう)は再び帝君の前に現れ、小蘭花(しょうらんか)を救出するため外へ出ることを強く求めますが、帝君の命令により昊天(こうてん)塔に閉じ込められてしまいます。結黎(けつれい)と殤闕は、それぞれの過去を語り始めます。殤闕は幼い頃から疎外され、たとえ誰かが彼を保護しようとしても、それは彼の竜の皮を狙っているからでした。一方、結黎(けつれい)は絶え間ない欺瞞の中で育ち、「騙されるより、騙す方がましだ」という考えを持つようになっていました。殤闕はこの考えを厳しく批判し、その誤りを指摘します。
容昊(ようこう)は蝶衣(ちょうい)に結黎(けつれい)の一挙手一投足を監視させ続け、蒼塩海から逃げ出そうとした際にはすぐに捕らえるよう命じています。結黎(けつれい)が落ち込んでいるのを見た小蘭花(しょうらんか)は、東方青蒼(とうほうせいそう)から贈られた骨蘭を結黎(けつれい)に渡し、逃げる手助けをしようとします。しかし、東方青蒼(とうほうせいそう)との約束があるため、自身はそこを離れることができません。そこで結黎(けつれい)は小蘭花(しょうらんか)に逃亡の手助けを頼みます。東方青蒼(とうほうせいそう)が自分の居場所を感知し、結黎(けつれい)の安全が脅かされることを懸念し、小蘭花(しょうらんか)は躊躇します。しかし、結黎(けつれい)は藏心簪を小蘭花(しょうらんか)に渡し、これを使えば東方青蒼(とうほうせいそう)の感知を遮断できると説明し、逃げた後は簪を必ず返すと約束します。
二人が外に出ると、待ち構えていた蝶衣(ちょうい)に遭遇します。小蘭花(しょうらんか)はすぐさま腕輪を結黎(けつれい)に渡し、逃げるよう促します。蝶衣(ちょうい)は小蘭花(しょうらんか)に鞭を振りかざしますが、その頃、東方青蒼(とうほうせいそう)は重傷を負っていました。しかし結黎(けつれい)は一人で逃げず、東方青蒼(とうほうせいそう)に助けを求めるため戻ってきます。蝶衣(ちょうい)が小蘭花(しょうらんか)の命を奪おうとしたその時、長珩(ちょうこう)が突然現れ、小蘭花(しょうらんか)を救出します。そして、赤地女子(せきちじょし)の命簿(めいぼ)を修復させるため、司命(しめい)殿だと称する場所に小蘭花(しょうらんか)を連れて行きます。
実はこの司命(しめい)殿は容昊(ようこう)が作り出した幻であり、小蘭花(しょうらんか)を騙して命簿(めいぼ)を修復させるための罠でした。東方青蒼(とうほうせいそう)も小蘭花(しょうらんか)を探し回り、千重幻境にまで足を踏み入れます。命簿(めいぼ)の修復を終えた小蘭花(しょうらんか)は、謝婉清という人間の女性の名前を見つけます。容昊(ようこう)は命簿(めいぼ)を奪おうと焦りますが、小蘭花(しょうらんか)は彼の偽装を見破り、これが幻術だと気づきます。正体を現した容昊(ようこう)は、小蘭花(しょうらんか)が幻術から逃れられないことを告げ、命簿(めいぼ)を奪い取ります。その瞬間、雷鳴が轟き、小蘭花(しょうらんか)は東方青蒼(とうほうせいそう)が到著したことを悟ります。容昊(ようこう)は東方青蒼(とうほうせいそう)が命簿(めいぼ)を狙っていると勘違いし、逃げようとしますが、東方青蒼(とうほうせいそう)に捕らえられます。小蘭花(しょうらんか)は隙を見て命簿(めいぼ)を取り戻し、東方青蒼(とうほうせいそう)が容昊(ようこう)の仮面を剝がそうとした時、蝶衣(ちょうい)の妨害により容昊(ようこう)は逃亡に成功します。
小蘭花(しょうらんか)は東方青蒼(とうほうせいそう)に謝り、自分が意図的に逃げたのではないと説明します。東方青蒼(とうほうせいそう)は感情を爆発させ、彼女を叱りつけ、二度と勝手に離れるなと警告します。小蘭花(しょうらんか)はおとなしく従い、東方青蒼(とうほうせいそう)の怒りも少し収まります。東方青蒼(とうほうせいそう)は陽光を呼び寄せ、海市(かいし)の氷雪を溶かします。小蘭花(しょうらんか)は急いで命簿(めいぼ)を彼に渡します。なぜ今回はこんなに早く修復できたのかと問われ、小蘭花(しょうらんか)は長珩(ちょうこう)の顔を見たからだと認めつつも、偽物の長珩(ちょうこう)を見破ったことを誇らしげに語ります。自分がどのように見つかったのかを尋ねると、東方青蒼(とうほうせいそう)は真剣な表情で、どこにいても、何人いようとも、必ず見つけられると告げます。小蘭花(しょうらんか)は満足そうに微笑みますが、直後に気を失って倒れてしまいます。
蝶衣(ちょうい)は負傷した容昊(ようこう)を洞窟に連れて行き、助けを求めます。すると黒い気が現れ、容昊(ようこう)を救います。容昊(ようこう)は息山(しょくさん)神女(しんじょ)を見つけたら、黒い気が外に出られるよう手助けすると約束します。黒い気は三界に東方青蒼(とうほうせいそう)のような強敵がいることに興奮を示します。
東方青蒼(とうほうせいそう)は小蘭花(しょうらんか)が驚きと空腹で倒れたのだと気づき、彼女のために魚を焼いて食べさせます。小蘭花(しょうらんか)の髪に藏心簪を見つけ、小蘭花は結黎(けつれい)との約束だからと渡したがりませんでしたが、東方青蒼(とうほうせいそう)は簪の機能を知り、保管はしても身につけてはいけない、命の危険にさらされるからだと命じます。小蘭花は東方青蒼(とうほうせいそう)に自分の心を読まれたくない、また、いつでも自分の意識に入り込まれたくないと考えており、この意見の相違が再び二人の間に小さな波風を立てます。
第16話あらすじとネタバレ
東方青蒼(とうほうせいそう)と小蘭花(しょうらんか)は部族の村で一夜を過ごした。翌朝、小蘭花(しょうらんか)は村人たちの忙しそうな様子を目にし、多くの女性が双塩花を身につけていることに気付く。自分も試してみようと手に取ると、一人の女性に止められた。その女性は、双塩花は夫を亡くした女性が身につけるものだと説明する。長引く戦争で、男たちは徴兵されたり戦死したりし、村には女性と子供しか残っていないのだ。小蘭花(しょうらんか)は花を静かに置き、失われた命のため息をつく。花はまた咲く日が来るが、失われた命は二度と戻らない。
その時、東方青蒼(とうほうせいそう)が現れ、人々は跪いて敬意を表す。しかし族長だけは、三万年もの間どこにいたのか、出徴した兵士たちをなぜ連れ戻さないのかと東方青蒼(とうほうせいそう)を問い詰める。族長の詰問に対し、東方青蒼(とうほうせいそう)は何も言わずに立ち去り、人々を不安にさせる。小蘭花(しょうらんか)は東方青蒼(とうほうせいそう)の後を追い、彼の気持ちを理解しようと、なぜ弁解しないのかと尋ねる。東方青蒼(とうほうせいそう)は幼い頃、父と鞠遊びをした楽しい記憶を思い出す。多くを語らない東方青蒼(とうほうせいそう)だが、小蘭花(しょうらんか)は彼の心の奥底にある優しさを感じ、彼の情根を癒やしたと確信する。
夜、東方青蒼(とうほうせいそう)は幼い頃の夢を見る。老月尊(げっそん)に剣の稽古を強要される記憶が蘇り、捨てられた鞠が再び目の前に現れる。目を覚ました東方青蒼(とうほうせいそう)は小蘭花(しょうらんか)に当たり散らし、近づかないように命じる。実は、東方青蒼(とうほうせいそう)は自分の感情が蘇りつつあることに気付き、その変化によって業火(ぎょうか)のコントロールを失うことを恐れていたのだ。
その後、結黎(けつれい)が盗みを働こうとして捕まる。自分の感情の復活に悩んでいた東方青蒼(とうほうせいそう)だが、結黎(けつれい)が小蘭花(しょうらんか)を喜ばせるために行動したと知り、罰するどころか、小蘭花(しょうらんか)に贈り物を渡すことを許す。しかし、殤闕が持ち物を返そうとした時、木彫りの人形が見つかる。この人形は、東方青蒼(とうほうせいそう)の辛い記憶を呼び起こす。怪我をして泣いていた彼を慰め、初代月尊(げっそん)を表すこの木彫りをくれた女性のことを。この光景に激怒した東方青蒼は、結黎(けつれい)を殺そうとする。小蘭花(しょうらんか)が身を挺して結黎(けつれい)をかばい、東方青蒼はやむなくその場を去る。
巽風(そんほう)は東方青蒼の父尊に対する態度に不満を抱き、権力のために親族を殺したと非難する。東方青蒼は三日後に巽風(そんほう)を雷刑に処すると命じる。その日は、先月尊(げっそん)の命日だった。小蘭花(しょうらんか)は東方青蒼が人形に過剰仮応したことに気付き、結黎(けつれい)から人形は宮女からの贈り物で、その宮女たちは老月尊(げっそん)に殺されたことを知る。彼女は何か裏があると睨み、殤闕に当時の真相を明らかにしてほしいと願う。
小蘭花(しょうらんか)は、この出来事の背後に更なる物語が隠されていると確信する。特に、東方青蒼の父親に対する複雑な感情を知って。幼い頃から父親の愛情を得られず、業火(ぎょうか)を操るために感情を断ち切らなければならず、父親は巽風(そんほう)にしか愛情を示さなかった。巽風(そんほう)が海市(かいし)主上に利用されている可能性を知りながらも、東方青蒼は死刑執行を決意する。そこには権力への執著だけでなく、長年解けない心のしこりもある。小蘭花(しょうらんか)は、このすべての背後にある秘密を解き明かし、真実を見つけ出そうと決意する。
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