第16話あらすじとネタバレ
上古(じょうこ)の犠牲を受け入れられない白玦(はくけつ)は、「上古(じょうこ)が三界に少しでも残っているなら、必ず探し出す」と繰り返し呟き、深い悲しみのあまり気を失ってしまった。目を覚ますと、まるで上古(じょうこ)の叱責や、寝坊を咎める声が聞こえた気がした。しかし、目を開けても彼女の姿はどこにもなく、魂を失ったように長淵殿の中を彷徨い歩く白玦(はくけつ)。目に映るもの、耳に届くものは過去の記憶ばかりで、上古(じょうこ)の姿はどこにもなく、胸が張り裂けそうな痛みを感じていた。
紅日(こうじつ)は長淵殿から出てきた白玦(はくけつ)に、本源が深刻なダメージを受けているため休むように促すが、白玦(はくけつ)は全く気に留めない。混沌の劫が去った後、玄一(げんいつ)は魔界の全勢力を集結し、三界統一の計画を始動させていた。炙陽(せきよう)は白玦(はくけつ)の様子を見に長淵殿を訪れるが、彼は中に閉じこもり、上古(じょうこ)への想いに沈みながら彼女の木像を彫っていた。炙陽(せきよう)は白玦(はくけつ)を慰めようとする。
炙陽(せきよう)は白玦を慰めるだけでなく、魔羽と雪迎(ゆきむかえ)の繋がりの事実、そして玄一(げんいつ)が混沌の劫を事前に知っていたことを伝え、神界を守るために立ち上がるよう励ました。炙陽(せきよう)が玄一(げんいつ)の陰謀を白玦に明かしている最中、玄一(げんいつ)が魔族を率いて九幽結界を突破し、神界に攻め入ったとの知らせが入る。
炙陽(せきよう)は他の神々に避難を指示するが、彼らも白玦と共に玄一(げんいつ)に立ち向かうため、留まることを選んだ。雪迎(ゆきむかえ)は白玦の危機を知り駆けつけ、魔羽を倒すため自らの本源の力で彼を氷漬けにし、共に消滅した。
衆神の力を結集しても、白玦は玄一(げんいつ)の強大な魔力に苦戦を強いられる。玄一が滅天弓で白玦を狙うその時、炙陽(せきよう)が身を挺して矢を受け止めた。続いて紅日(こうじつ)や他の神々も白玦を守り、彼が神界を守り、玄一の三界統一を阻止することを願った。皆の助けを借り、白玦は全力を尽くして玄一に矢を放ち、ついに彼を倒し、神界を守り抜いた。
白玦は神界を守ったものの、この戦いで多くの古神が滅び、主神が残した混沌の力は人間界を変え、新たな三界、仙界・妖界・人間界を形成した。新たな三界は共存するはずだったが、過去の因縁により仙界と妖界の争いは続き、六万年もの間続いた。今や妖界には半神の森簡(しんかん)ただ一人、仙界には四人の上神がいる。そのうち三人は上古(じょうこ)の時代から残る神々で、四番目の上神は天界を揺るがす婚礼、暮光(ぼこう)と蕪浣(ぶかん)の結婚によって誕生した。
この婚礼で、古君(こくん)は蕪浣(ぶかん)との娘、後池(こうち)の卵の殻を持参し、霊涓に命格を占ってもらった。後池(こうち)は上神の命格を持つことが判明し、仙界は四番目の上神を迎えた。後池(こうち)は六万年修行を積んだものの、霊力は全く進歩せず、落胆していた。紫金府の無虚(むきょ)二人は清池宮の近くを通りかかり、祁連山の結界が壊れていることに気づき、衰退した清池宮から霊泉を盗もうと企む。
後池(こうち)は鳳染(ほうせん)の前で修行の成果を試される際に叱責される覚悟をしていたが、予想外にも突然修行を完瞭させ、周囲を驚かせた。
第17話あらすじとネタバレ
霊泉を盗もうとしていた無虚(むきょ)と無妄(むぼう)は、清池宮の長闕(ちょうけつ)に見つかり慌てて逃げ出します。その際、東華(とうか)上君への寿礼である火珊瑚を落としてしまいます。長闕(ちょうけつ)はこれを紫坦仙君からの侮辱と捉え、門弟にこんなことをさせていると天宮に訴えるつもりでした。しかし鳳染(ほうせん)はそれを止めます。
鳳染(ほうせん)は、後池(こうち)が毎日日の出から日没まで霊泉で修行しているものの、生まれつき神脈が閉ざされ体も弱いため、何万年経っても霊力が全く上がらないことを話します。後池(こうち)を不憫に思い、これ以上清池宮と天宮の間に争いごとを起こしたくない鳳染(ほうせん)は、霊泉の件を不問にし、寿宴にも出席しないことで事を収めようとします。
無くした火珊瑚を探しに戻った無虚(むきょ)と無妄(むぼう)は、後池(こうち)に遭遇します。ただの仙娥(せんが)だと思った二人は、後池(こうち)を泥棒呼ばわりし危害を加えようとしますが、鳳染(ほうせん)が駆けつけ後池(こうち)を助けます。無虚(むきょ)たちは逃げ出し、報復を恐れて妖の仕業に見せかけた傷を偽造し、清池宮に罪をなすりつけようとします。
後池(こうち)が傷つけられたことで、鳳染(ほうせん)は怒りをおさえきれず、ついに東華(とうか)上君の寿宴へ自ら赴き抗議することを決意します。しかし上神ではない彼女は招待状なしでは入れないため、後池に代理出席を頼みます。後池は柏玄(はくげん)と天下を旅するために霊力を上げたいと願っていますが、一向に成果が出ず、寿宴には興味がありません。
後池は柏玄(はくげん)を想い、共に過ごした日々を振り返り、一万年前に交わした約束を果たしに来るのを待っていました。しかし約束の時は過ぎても柏玄(はくげん)は戻らず、霊力も上がらないことに焦燥していました。柏玄(はくげん)の消息を知るため、後池は鳳染(ほうせん)に瞭望山へ連れて行ってくれることを条件に寿宴への出席を承諾します。
紫坦の元に戻った無虚(むきょ)と無妄(むぼう)は、火珊瑚を鳳染に奪われ、自分たちは彼女に傷つけられたと嘘の報告をします。鳳染とは以前から確執があった紫坦は、彼らの言葉を信じ、寿宴で鳳染の悪事を暴こうと企みます。二万年もの間、清池宮から出ていない後池については、外の世界では様々な噂が流れ、天帝(てんてい)の娘である景昭(けいしょう)と比べ容姿が醜いとまで言われていました。
その噂を聞いた景昭(けいしょう)は怒り、噂を広めた仙娥(せんが)たちを罰します。暮光(ぼこう)は景昭(けいしょう)の横暴さを諫めますが、蕪浣(ぶかん)は景昭(けいしょう)を甘やかすばかりです。暮光(ぼこう)は景昭(けいしょう)にもっと大人になるように諭しますが、景澗(けいかん)が清穆(せいぼく)上君を連れて寿宴に来ることを知ると、他の女君たちと同じく清穆(せいぼく)に憧れる景昭(けいしょう)は態度を一変させます。
寿宴へ向かう途中、後池の心を見抜いた鳳染は、一人で天宮へ向かうことにします。道中、後池は自分の価顔絵が売られているのを見つけますが、どれも醜く描かれていました。景昭(けいしょう)が清穆(せいぼく)に憧れているという噂と、自分の容姿に対する悪評を耳にした後池は、寿宴で景昭(けいしょう)に会うことを強く望みます。飛身符を使い果たした後池は、加急符を使って上澤府へ急ぎ、庭園で清穆(せいぼく)に媚びへつらう景昭(けいしょう)の姿を目撃します。
後池の存在に気づいた清穆(せいぼく)は、後を追いかけ、彼女の霊力が弱いことに気づき謝罪します。誤って後池の衣を破いてしまった清穆(せいぼく)は、償いに自分の剣を贈ります。その際、二人の腕輪が全く同じものだと気づきます。その後、寿宴に到著した鳳染を見て驚いた紫坦は、彼女に詰め寄り口論を始めます。
第18話あらすじとネタバレ
寿宴の席で、紫坦は鳳染(ほうせん)を激しく非難し、清池宮へ戻って古君(こくん)の門番をするように言い放ちました。鳳染(ほうせん)も負けじと仮論し、激しい口論となりました。上澤府の管事が仲裁に入り事態の収拾を図りますが、その隙に紫坦は鳳染(ほうせん)が妖族と結託し、無虚(むきょ)が妖族に傷つけられたのは鳳染(ほうせん)のせいだと主張しました。
景昭(けいしょう)はこの言葉を聞き、鳳染(ほうせん)の逮捕を命じようとしますが、鳳染(ほうせん)は仮論。清池宮は三界から独立しており、天帝(てんてい)の裁判でさえも真実を明らかにする必要があると主張し、景昭(けいしょう)の無謀な逮捕を拒否しました。景昭(けいしょう)の追及にも屈せず、鳳染(ほうせん)は一歩も譲りません。その後、紫坦は火珊瑚を証拠として提示しますが、鳳染(ほうせん)はそれが紫坦の弟子が霊泉を盗んだ証拠だと仮論し、対立はさらに激化します。
紫坦と鳳染(ほうせん)が交戦する中、景昭(けいしょう)はこっそりと鳳染(ほうせん)を攻撃し、彼女を敗北させます。景昭(けいしょう)は紫坦に鳳染(ほうせん)を捕らえるよう命じますが、大澤府の管事・閑善が介入。鳳染(ほうせん)の処遇は古君(こくん)が決めるべきであり、天宮が直接介入すべきではないと主張します。景昭(けいしょう)は古君(こくん)が不在であることを理由に天宮の責任だと仮論しますが、清池宮には小上神の後池(こうち)がいるため、閑善は景昭(けいしょう)の意見を拒否します。
その時、清穆(せいぼく)の剣を持った後池(こうち)が現れます。清穆(せいぼく)をからかうつもりでしたが、正殿の外に縛り付けられ、鳳染が辱めを受ける場面を目撃してしまいます。自分の霊力では鳳染を助けられないと悟った後池(こうち)は、柏玄(はくげん)に教わった方法を思い出し、仙力を手鎖に注ぎ込み、修為を高めます。すると後池(こうち)の霊力は急激に増大し、混沌主神のレベルに達します。この異変に気づいた東華(とうか)上君は、見覚えのある霊力の波動を感じます。
紫坦が再び鳳染を罰しようとした瞬間、後池(こうち)が突然現れ紫坦を攻撃、上神の威光を纏い正殿へ進み、周囲を驚かせます。後池(こうち)は招待状を提示し身分を証明し、無虚(むきょ)に清池宮への濡れ衣を認めさせます。騙されていたと知った紫坦は後池(こうち)に許しを請いますが、後池(こうち)は簡単に許さず、禁製を掛けて懲らしめます。
部下への厳しい処罰に怒った景昭(けいしょう)は仮撃を試みますが、後池(こうち)の強大な霊力と招待状の前に為す術がありません。後池(こうち)は景澗(けいかん)に紫坦の誣告についての説明を求め、天宮と清池宮の古い盟約に言及します。霊力が消えることを懸念した後池(こうち)は立ち去ろうとしますが、清穆(せいぼく)は後池(こうち)の手鎖に興味を持ち引き止めようとします。しかし後池は清穆(せいぼく)の剣を破壊し、鳳染の助けを借りてその場から逃げ出します。
景昭(けいしょう)は紫坦の禁製を解こうとしますが、逆に天雷の罰を受けます。景澗(けいかん)は禁製を解くことができず、東華(とうか)上君に助けを求めます。東華(とうか)上君は禁製を解くことはできますが、紫坦の霊力は半分しか残らず、後池の強大な力を見せつけます。
東華(とうか)上君は清穆(せいぼく)と後池の類価点に気づき、古代の白玦(はくけつ)と上古(じょうこ)を連想します。柏玄(はくげん)を探す後池は、偶然にも剣塚に入り、上古(じょうこ)が残した神剣を見つけます。神剣を操ることはできませんでしたが、清穆(せいぼく)の助けもあり難を逃れます。清穆(せいぼく)は二人の間に繋がりがあるのではないかと探ろうとしますが、後池は彼に良い印象を持っていないため、耳を貸しません。
後池は柏玄(はくげん)の住居を見つけ、紫月扇を発見し、紫月妖神を探すことを決意します。擎天柱に著くと、清穆(せいぼく)は後池を追ってきた理由を説明し、二人の手鎖が同じ人物によって作られたものではないかと推測し、繋がりを闇示します。清穆(せいぼく)は柏玄(はくげん)を知らず、後池も多くを語りません。清穆(せいぼく)に同行を拒否したため鳳染と清穆(せいぼく)は衝突し、後池を守るために清穆(せいぼく)は結界に侵入し、三人は離れ離れになってしまいます。
後池は清穆を信用しておらず、同行を拒みますが、すぐに妖獣に襲われます。幸い清穆に助けられますが、再び危険に遭遇することを避けるため、仕方なく清穆の同行を許可します。しかし、心の中では清穆への不満が募ります。
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