第37話あらすじとネタバレ
紆余曲折を経て、ついに手がかりを見つけた琅華は、父の青(せい)王への手紙で白風夕(はくほうせき)の真の身分を知りました。しかし、遠く離れていたため、間に合わず援護には駆けつけられませんでした。白風夕(はくほうせき)は琅華たちが火砲を破壊してくれたことを知り、大きな助けになったと感謝しました。戦乱が続く中、白風夕(はくほうせき)は琅華に一刻も早く出発するよう促します。韓朴はまだ幼いため、琅華は彼を白風夕(はくほうせき)のそばに残すことにしました。白風夕(はくほうせき)は韓朴を青(せい)州の宮殿に送り返そうとしましたが、韓朴は陣地に残って白風夕(はくほうせき)と一緒にいたいと望みます。豊蘭息(ほうらんしょく)は白風夕(はくほうせき)を慰め、鍾離に韓朴の面倒をよく見させるよう手配すると約束しました。
白風夕(はくほうせき)は、玉無縁(ぎょくむえん)が本当に師の仇だとしたら、その目的は何なのかと考えていました。豊蘭息(ほうらんしょく)はそれが玄極令(げんきょくれい)と関係があるかもしれないと推測しますが、玄極令(げんきょくれい)は大東(たいとう)の陰謀に関わるもので、玉無縁(ぎょくむえん)はずっと皇朝(こうちょう)のために動いてきたため、腑(ふ)に落ちません。それでも、水榭に天人玉家と玄極令(げんきょくれい)の繋がりを詳しく調べさせ、何か発見があれば白建徳(はくけんとく)にも報告するつもりです。
幽王の火砲が全て破壊されたことは、皇朝(こうちょう)にとって幽州を版図に収める絶好の機会です。今、幽王は大敗を喫し、白風夕(はくほうせき)は皇朝(こうちょう)がまだ動かないのは何か策があるはずだと考えます。幽王が窮地に陥れば、皇朝(こうちょう)は当然のように幽州を併呑し、さらに幽州と青(せい)州の兵力を合わせて青(せい)州を攻め、両州を共倒れにさせる可能性があります。こう考えると、次に幽王は自ら指揮を執るかもしれません。しかし、金衣騎(きんいき)は血鳳陣(けつほうじん)の前に圧倒的な力を見せつけられ、散り散りになって敗走しました。皇朝(こうちょう)は幽王に退却を勧めますが、幽王は勝ちたい一心で戦いを続け、ついに狂気に陥ります。実際、白風夕(はくほうせき)は幽王を脅かすつもりで、命を奪うつもりはありませんでした。この戦いで、幽王はもう二度と戦場には戻れないでしょう。
皇朝(こうちょう)は無回穀で風惜雲(ほうせきうん)と決著をつけようとしており、玉無縁(ぎょくむえん)はその理由を尋ねます。皇朝(こうちょう)は自分は幽州の駙馬(ふば)である以上、華純然(かじゅんぜん)は自分の立場を理解してくれるだろうと答えます。華純然(かじゅんぜん)は皇朝(こうちょう)に会い、幽王が青(せい)州攻撃に固執し、皇朝(こうちょう)の援軍をずっと待っていたと話します。しかし、皇朝(こうちょう)の軍隊はなかなか到著せず、ここ二、三日になってようやく現れたため、華純然(かじゅんぜん)は皇朝(こうちょう)がわざと時間を稼ぎ、最適な時期を狙っていたのではないかと疑います。皇朝(こうちょう)は道が遠いので全速力で来たと説明します。華純然(かじゅんぜん)は皇朝(こうちょう)の計画を単刀直入に尋ねます。皇朝(こうちょう)は幽州内部で王位争いがあり、華純然(かじゅんぜん)の実力はどの王子にも劣らないと指摘します。華純然(かじゅんぜん)は幽州を継ぐには朝廷と後宮を納得させるためのきっかけが必要だと理解しています。
皇朝(こうちょう)は自ら軍隊を率い、華純然(かじゅんぜん)に従うと申し出、天下統一の暁には華純然(かじゅんぜん)を皇后にすることを約束します。白風夕(はくほうせき)がなかなか出兵しないため、皇朝(こうちょう)は彼女が自分の隙を伺っていることを知り、先手を打って白風夕(はくほうせき)を不意打ちしようと決めます。しかし、金衣騎(きんいき)は再び血鳳陣(けつほうじん)の前に大敗を喫し、白風夕(はくほうせき)の戦術の凄さを改めて証明しました。白風夕(はくほうせき)は皇朝(こうちょう)にとどめを刺さず、決著をつけたいならいつでも相手になると言います。結局、皇朝(こうちょう)は一旦負けを認め、再起を図ることにしました。
その時、晏城が陥落したという知らせが届きます。争天騎(そうてんき)は無回穀に向かっているため、無回穀が落ちれば青(せい)州は拠り所を失います。そこで、白風夕(はくほうせき)は無回穀を死守することを決意します。豊蘭息(ほうらんしょく)は墨羽騎(ぼくうき)がすでに良城で待機していると報告します。白風夕(はくほうせき)は斉恕に部隊を率いさせ、豊蘭息(ほうらんしょく)と共に墨羽騎(ぼくうき)を迎えに行かせます。豊蘭息(ほうらんしょく)の部隊は争天騎(そうてんき)より遅く到著すると予想されますが、白風夕(はくほうせき)は待つことにします。豊蘭息(ほうらんしょく)は白風夕(はくほうせき)に無茶をしないよう忠告し、二人の縁が切れないようにと月老符を贈ります。
玉無縁(ぎょくむえん)は今回は血鳳陣(けつほうじん)を破れる可能性があると分析しますが、皇朝(こうちょう)は豊蘭息(ほうらんしょく)の別の策を警戒しています。争天騎(そうてんき)はすでに到著しており、皇朝(こうちょう)は明日出陣するつもりです。玉無縁(ぎょくむえん)から破陣法を伝授されたことで、皇朝(こうちょう)は六分の勝算があると見ています。
間もなく、血鳳陣(けつほうじん)が破られたという知らせが届きます。白風夕(はくほうせき)は今の兵力では再び血鳳陣(けつほうじん)を使うのは難しいと悟り、墨羽騎(ぼくうき)が到著したかを尋ねます。前方の斥候が墨羽騎(ぼくうき)を発見していないため、撤退を勧める者もいます。しかし、白風夕(はくほうせき)は豊蘭息(ほうらんしょく)が必ず来ると信じ、無回穀は放棄できないため、全軍に援軍が到著するまで共に戦うよう命じます。
第38話あらすじとネタバレ
戦場で、白風夕(はくほうせき)は皇朝(こうちょう)の争天騎(そうてんき)と一晩中激戦を繰り広げ、ようやく豊蘭息(ほうらんしょく)率いる墨羽騎(ぼくうき)の援軍を迎えました。玉無縁(ぎょくむえん)は皇朝(こうちょう)に撤退を進言し、両軍とも長時間戦い続け、兵士たちは疲労困憊していること、さらに墨羽騎(ぼくうき)の勢いが盛んな今、戦い続けるのは不利だと指摘しました。皇朝(こうちょう)はその進言を受け入れ、撤兵を命じました。
白風夕(はくほうせき)の傷を見た豊蘭息(ほうらんしょく)は心を痛め、穿雲(せんうん)と穿雨(せんう)に彼女の警護を任せ、自身は単身で皇朝(こうちょう)と玉無縁(ぎょくむえん)を追跡しました。交戦中、豊蘭息(ほうらんしょく)は玉無縁(ぎょくむえん)も「蘭因璧月(らんいんへきげつ)」を使えることに驚きを隠せません。皇朝(こうちょう)は短期間でこれほど精鋭の部隊を育成した豊蘭息(ほうらんしょく)を過小評価していたことに気づきます。玉無縁(ぎょくむえん)は皇朝(こうちょう)に、無回穀(むかいこく)は決戦の地ではなく、ここで決著をつけるべきではないと忠告しました。商(しょう)州が既に祁雲(きうん)の四城を占領している現状、ここで膠著状態に陥れば、商(しょう)王と北王に付け入る隙を与えてしまうからです。そのため、皇朝(こうちょう)は一時的に和議に応じました。
豊蘭息(ほうらんしょく)はなぜ白風夕(はくほうせき)がもっと早く撤退しなかったのか疑問に思い、白風夕(はくほうせき)は撤退が士気に影響することを懸念していたこと、そして豊蘭息(ほうらんしょく)が必ず駆けつけてくれると信じていたことを説明しました。玉無縁(ぎょくむえん)も「蘭因璧月」を操れることを知った白風夕(はくほうせき)は、以前豊蘭息(ほうらんしょく)を襲撃した人物が玉無縁(ぎょくむえん)ではないかと疑います。豊蘭息(ほうらんしょく)は皇朝(こうちょう)が玉無縁(ぎょくむえん)の正体を知らない可能性があると推測し、それは玉無縁(ぎょくむえん)がずっと状況を操っていたことを意味すると考えました。
六州の情勢変化に伴い、皇朝(こうちょう)は青(せい)州への攻撃を止め、白風夕(はくほうせき)は幽王からの和議の書状を受け取ります。それでもなお、彼女は玉無縁(ぎょくむえん)が裏で企む陰謀が戦局に影響を与えることを危惧していました。どんなことがあっても、豊蘭息(ほうらんしょく)は白風夕(はくほうせき)の傍にいることを誓います。青(せい)州の危機が去った後、豊蘭息(ほうらんしょく)は雍州へ戻り、白風夕(はくほうせき)に求婚することを決意します。両家の縁組をより相応しいものとするため、雍王は豊蘭息(ほうらんしょく)が白風夕(はくほうせき)を迎える際に王位を譲ると約束しました。
一年後、鳳栖梧(ほうせいうご)は雍州の使者として青(せい)州へ正式に求婚に向かいます。白風夕(はくほうせき)が雍州に到著すると、豊蘭息(ほうらんしょく)が用意した十裏に渡る花の海が出迎えます。婚礼当日、豊蘭息(ほうらんしょく)は白風夕(はくほうせき)の手を取り、大殿へと進み、雍王と百官の面前で式を挙げました。式の後、豊蘭息は白風夕(はくほうせき)の赤いベールをそっと上げ、二人は見つめ合い微笑みます。雍王は二人に双生の蚌珠(ぼうじゅ)を授け、豊蘭息に王位を譲ると宣言しました。
洞房の夜、豊蘭息は白風夕(はくほうせき)を優しく見つめ、二人は夫婦の契りを交わし、生涯を共に過ごす誓いを立てます。五年後、豊蘭息は皇朝(こうちょう)との決戦は避けられないと理解しつつも、この戦いは民の幸福のためだと信じていました。豊蘭息が最も懸念していたのは玉無縁(ぎょくむえん)のことでした。無回穀の戦い以来、玉無縁(ぎょくむえん)は姿を消し、世間の噂では戦を避けるために隠遁したと言われていましたが、真実は別の目的があるのかもしれません。
皇朝(こうちょう)は北王が王域(おういき)へ逃げ込んだという情報を受け取り、豊蘭息がこれを機に王域へ入り、退位詔書を探して正統な地位を確立しようとしているのではないかと推測します。冀州が幽州と商(しょう)州を、雍州が青(せい)州と北州を支配するという緊迫した情勢の中、景炎(けいえん)皇帝(けいえんこうてい)は国事に専念するよう、風流なことに耽るべきではないと忠告を受けます。東殊将軍(とうしゅしょうぐん)は景炎(けいえん)皇帝に、玉無縁(ぎょくむえん)の策略に頼りすぎるべきではないと警告し、特に何度か派兵を要請したにも関わらず拒否されたことを指摘します。景炎(けいえん)皇帝が玉無縁(ぎょくむえん)に問いただすと、玉無縁は出兵の時期はまだだと説明するのでした。
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