蒼蘭訣(そうらんけつ)(最終回)あらすじ35話・36話、ネタバレ

第35話あらすじとネタバレ

赤地女子(せきちじょし)は殺戮に溺れ、祟気(すいき)を際限なく吸収し続け、その苦しみから逃れられずにいました。弟子の苦悩を見かねる容昊(ようこう)もまた、彼女の師として心を痛めていました。この状況の中、人々の欲望と妄想から生まれた存在、太歳(たいさい)が暗躍し始めます。万年もの間、祟気(すいき)に苦しめられてきた赤地女子(せきちじょし)は、もはや正気を失い、殺戮の化け物と化す寸前でした。容昊(ようこう)は、愛する師を救うため、苦渋の決断を下します。それは、太歳(たいさい)に赤地女子(せきちじょし)の肉体を明け渡すことでした。

正気に戻った赤地女子(せきちじょし)は、容昊(ようこう)に自らの命を絶つよう懇願します。容昊(ようこう)にとって、彼女と共に過ごすことだけが望みでしたが、その願いは叶うことはありませんでした。赤地女子(せきちじょし)は容昊(ようこう)を見つめ、かつて彼に恋心を抱いたことを告白します。それは、冬の市場で笛を吹く容昊(ようこう)に出会った時のことでした。彼女は三日間に渡り、人々の冷たい視線の中、彼の演奏に耳を傾けていました。そして、凍死寸前の容昊(ようこう)を救い、司命(しめい)殿へと連れて行き、彼の運命を変えるよう司命(しめい)に頼みます。司命(しめい)は容昊(ようこう)の運命を変えることを承諾しますが、同時に赤地女子(せきちじょし)にも警告を発します。いつか、彼女もまた同じように窮地に立たされるだろうと。そして今、まさにその予言が現実のものとなってしまいました。

赤地女子(せきちじょし)の告白を聞き、容昊(ようこう)は最後の瞬間、彼女を抱きしめ、匕首で彼女の命を絶ちました。それは、太歳(たいさい)に彼女の心を奪われるのを防ぎ、自ら太歳(たいさい)の器となるためでした。容昊(ようこう)は自らの元丹を爆発させ、太歳(たいさい)と共に滅びようとします。太歳(たいさい)は彼の無謀さを嘲笑いますが、容昊(ようこう)は邪悪に立ち向かう決意を揺るがしませんでした。

赤地女子(せきちじょし)の死後、東方青蒼(とうほうせいそう)、長珩(ちょうこう)、そして小蘭花(しょうらんか)は師弟を共に葬りました。唯一無二のライバルであった赤地女子(せきちじょし)の死は、東方青蒼(とうほうせいそう)の心に深い悲しみをもたらしました。小蘭花(しょうらんか)は長珩(ちょうこう)に、自分たちの結婚は神族の始祖の時代から定められたものであり、二人の結合によってのみ神力が発動することを告げます。実は、小蘭花(しょうらんか)は記憶を失っておらず、小蘭花(しょうらんか)と神女(しんじょ)、両方の記憶を持っていました。東方青蒼(とうほうせいそう)に冷たく接していたのは、三界の平和のために自らが犠牲になる未来を予見し、彼を悲しませたくないという思いからでした。

長珩(ちょうこう)は涙を流し、小蘭花(しょうらんか)の残酷さを責めます。結婚しておきながら、自らの死を彼に見せつけるとは。小蘭花(しょうらんか)は長珩(ちょうこう)に助けを求めます。今、最も強い存在は東方青蒼(とうほうせいそう)であり、太歳(たいさい)は必ず彼を新たな器として狙うだろうと。そして、彼女は東方青蒼(とうほうせいそう)を救うために、自らを犠牲にしなければならないと。

東方青蒼(とうほうせいそう)は小蘭花(しょうらんか)に別れを告げます。今の小蘭花(しょうらんか)は、かつて自分が愛した女性ではないことを認めながらも、相思橋で彼女への愛と、かつて彼女を傷つけたことへの謝罪を伝えたいと願います。そして、二度と彼女と過ごす時間がなくなるかもしれないと思い、橋に同心錠をかけたいと告げます。しかし、熟考の末、東方青蒼(とうほうせいそう)は一人で同心錠をかけることを決めます。彼の心にあるのは小蘭花(しょうらんか)ただ一人であり、たとえ神女(しんじょ)が小蘭花(しょうらんか)と同じ姿をしていても、彼女ではないからです。

錠を前に、東方青蒼(とうほうせいそう)は小蘭花(しょうらんか)に冷たく接していた過去を思い出します。それは、彼女に自分への想いを断ち切らせ、命を守るためでした。東方青蒼(とうほうせいそう)は運命に抗うことを決意します。小蘭花(しょうらんか)の命簿(めいぼ)を手にした彼は、彼女が太歳(たいさい)と運命を共にする未来を目にし、彼女の行動の全てを理解します。そして、全てを変えると誓います。

小蘭花(しょうらんか)は部屋で東方青蒼(とうほうせいそう)の存在を感じ、外に飛び出しますが、彼の姿はどこにもありません。その時、突然東方青蒼(とうほうせいそう)が彼女の背後に現れ、彼女にキスをして姿を消します。

婚礼の日が迫り、小蘭花(しょうらんか)と長珩(ちょうこう)は儀式の準備を進める一方で、東方青蒼(とうほうせいそう)は来るべき未来へと向かいます。

最終回(第36話)あらすじとネタバレ

東方青蒼(とうほうせいそう)は密室(みっしつ)に入り、太歳(たいさい)を呼び出した。彼は、太歳(たいさい)が小蘭花(しょうらんか)と長珩(ちょうこう)の婚礼(こんれい)で自分が恥(はじ)をかかされたと思い込んでいることを見抜き、その隙(すき)を突(つ)こうとしたのだ。太歳(たいさい)は肉体(にくたい)の交換(こうかん)を条件に、東方青蒼(とうほうせいそう)のどんな願いも葉えると言った。表向きは同意した東方青蒼(とうほうせいそう)だが、実は太歳(たいさい)を自分の心海(しんかい)に閉じ込めるつもりだった。罠(わな)だと気づいた太歳(たいさい)は激怒(げきど)したが、それでも東方青蒼(とうほうせいそう)の実力(じつりょく)を侮(あなど)っていた。

しかし、東方青蒼(とうほうせいそう)は心海に小蘭花(しょうらんか)の女神(めがみ)の力が宿っていることを明かした。小蘭花(しょうらんか)への想いが強まるほど、その力は増大し、心海は神力(しんりょく)に満ちた空間に変わっていたのだ。太歳(たいさい)はもがき苦しむも、脱出(だっしゅつ)は不可能だった。

東方青蒼(とうほうせいそう)の姿(すがた)に変身した太歳は、小蘭花(しょうらんか)への恨みを引き出そうと挑発(ちょうはつ)するが、東方青蒼(とうほうせいそう)は小蘭花(しょうらんか)の安寧(あんねい)のためなら何でもすると断言した。太歳が小蘭花(しょうらんか)が自分のことを忘れるかもしれないと告げると、東方青蒼(とうほうせいそう)は一瞬(いっしゅん)動揺(どうよう)し、その隙に太歳は彼の体に入り込んだ。

東方青蒼(とうほうせいそう)の体を乗っ取った太歳は、小蘭花(しょうらんか)と長珩(ちょうこう)の婚礼に現れた。帝君率いる水雲天(すいうんてん)の兵士たちは太歳に立ち向かうが、祟気(すいき)を纏った太歳には攻撃(こうげき)が効かない。小蘭花(しょうらんか)は危険を顧みず太歳に突進し、觴闕(しょうけつ)も東方青蒼(とうほうせいそう)の指示に従い月(げつ)族を率いて加勢した。

ついに東方青蒼(とうほうせいそう)の前に辿り著いた小蘭花(しょうらんか)は、彼に口づけをした。そのキスは東方青蒼(とうほうせいそう)の意識(いしき)を呼び覚まし、同時に血脈(けつみゃく)に眠る力を解放した。東方青蒼は瑠璃火(るりび)を放った。それは慈悲(じひ)の心を持つ者だけが扱える炎で、帝君でさえ東方青蒼が使えるとは思っていなかった。

太歳を完全に封じるため、東方青蒼は道連れにすることを決意する。涙を流す小蘭花(しょうらんか)に、東方青蒼は「神女(しんじょ)の責任は万物を守ること、だが俺は小蘭花(しょうらんか)だけを守りたい」と言い残し、小蘭花(しょうらんか)に太歳を倒すよう促した。小蘭花は術を使い太歳を倒し、東方青蒼は微笑みながら消えていった。小蘭花の手には骨蘭が残された。

五百年後、丹音(たんいん)は長珩(ちょうこう)への想いを断ち切り、知己(ちき)となる道を選んだ。水雲天(すいうんてん)と月(げつ)族は和解し、平和が訪れた。長珩(ちょうこう)は旅に出る準備をし、結黎(けつれい)は月(げつ)族で子供たちに教えを説き、觴闕(しょうけつ)は変わらず結黎(けつれい)の傍にいた。

小蘭花は毎日骨蘭を守り、東方青蒼との日々を思い出していた。百年後、東方青蒼は戻ってきて、再び小蘭花にキスをした。(終)