小説朱顔(じゅがん) 日本語版 - 無料で全巻試し読み

作品情報
  1. 小説:朱顔(じゅがん)
  2. 本作を原作としたドラマ:玉骨遥(ぎょっこつよう)

概要/あらすじ

滄月(そうげつ)作「鏡(きょう)」シリーズの前日譚である「朱顔(しゅがん)」は、空桑(くうそう)王朝赤之一族の郡主、朱顔(しゅがん)と師である時影(じえい)との複雑な愛憎、そして権謀渦巻く空桑(くうそう)王朝の運命の変遷を描いた物語です。

主要人物

  • 朱顔(しゅがん): 空桑(くうそう)六王の一人、赤王(せきおう)のひとり娘で、赤(せき)族の郡主。情熱的で、わがままで、愛憎分明、そして大きな愛を持つ女性。時影(じえい)の弟子であり、幼い頃は人魚である止淵(しえん)に恋心を抱いていたが、後に師である時影(じえい)に惹かれていく。自ら時影(じえい)を手にかけた後、星魂血誓を用いて彼を蘇生させ、最終的には時影(じえい)に嫁ぎ、摂政王妃となる。

  • 時影(じえい): 九嶷(きゅうぎ)山の大神官であり、空桑(くうそう)の皇太子。破壊神・星尊(せいそん)帝の末裔で帝王の血を引く。比類なき容姿と冷徹で高潔な性格を持ち、類まれな術法の才能を持つ、空桑(くうそう)の運命を予見できる二人の観星預言者の一人。朱顔(しゅがん)を深く愛し、彼女のために神官の衣を脱ぎ捨て、俗世に戻り、共に多くの苦難を乗り越える。

  • 蘇摩(そま): 朱顔(しゅがん)の物語が展開される時点では、まだ七十二歳の変身できない小さな人魚であり、未来の海皇(かいこう)。警戒心が強く、冷酷で猜疑心が強く、全てのものに敵意と不信を抱いているが、朱顔(しゅがん)には深い愛情を持ち、「姉さん」と呼ぶ。

  • 止淵(しえん): 海国(かいこく)の指導者、人魚の復国軍左権使。朱顔(しゅがん)の初恋の相手。朱顔(しゅがん)の曽祖母である赤珠翡麗(ひれい)を深く愛しており、朱顔(しゅがん)を自分の子供のように思っている。後に星海雲庭(せいかいうんてい)の幻境で時影(じえい)に殺される。

物語の展開

  • 逃婚と出会い: 人魚・止淵(しえん)に恋心を抱いていた朱顔は、告白を拒絶された後、父である赤王(せきおう)によって蘇薩哈魯との政略結婚を決められる。逃婚の途中、小さな人魚・蘇摩(そま)と出会い、その後、霍図(フォトゥ)部族に包囲されるが、危機一髪で師である時影(じえい)に助けられる。「十八歳になるまで世の女性を見てはならない」という予言のため、幼い頃から九嶷(きゅうぎ)山で孤独な修行生活を送っていた時影は、朱顔と初めて出会った時、彼女に同情し、殺さずにいた。一年後、朱顔は時影の弟子となり、術法を学び始める。

  • 芽生えと発展: 時が経ち、朱顔は美しく成長した少女となる。再び逃婚の旅に出た際、時影と再会する。時影に「どのような夫君が欲しいか」と問われた朱顔は、「師匠のような人がいい」と口にし、時影の心を揺さぶる。この時、朱顔はまだ止淵(しえん)に恋心を抱いていたが、時影は既に俗世への想いを抱き、神官の衣を脱ぎ捨てたいと考えていた。

  • 危機と決裂: 碧落海の深淵から一片の帰邪が浮かび上がり、空桑(くうそう)王朝は滅亡の危機に直面する。時影は、この災いが朱顔の初恋の相手である人魚・止淵(しえん)と関係があることを予見する。血雨腥風の嵐の中、止淵(しえん)は命を落とし、師弟は決裂。朱顔は時影に激しい憎しみを抱き、剣を向ける。

  • 蘇生と共闘: 後に朱顔は星魂血誓を用いて時影を蘇生させ、時影は神官の衣を脱ぎ捨て、皇太子として朝廷に戻る。多くの苦難と誤解を乗り越え、二人はついに結ばれ、共に外敵に立ち向かい、空桑を守っていく。