小説説英雄誰是英雄 日本語版 - 無料で全巻試し読み

説英雄誰是英雄
作品情報
  1. 小説:説英雄誰是英雄
  2. 著者:温瑞安
  3. 本作を原作としたドラマ:江湖英雄伝~HEROES~

概要/あらすじ

温瑞安による傑作武侠小説「説英雄誰是英雄」は、北宋末期を舞台に壮大な物語を展開します。外敵である金朝の脅威、そして内には奸臣・蔡京(さいきょう)による忠良への迫害と重税といった混乱の時代。この重苦しい時代背景こそが、英雄たちの行動や決断に悲劇的な色合いと大義名分を与えています。

全10部からなるこのシリーズの前半5部では、王小石(しょうせき)が主人公として活躍します。自在門の「天衣居士(てんいこじ)」許笑一(きょしょういつ)の弟子である王小石(しょうせき)は、「挽留(ばんりゅう)剣」を武器とし、蘇夢枕(そむちん)と白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)の義兄弟であり、「金風細雨(きんぷうさいう)楼」の三当家でもありました。しかし、白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)が蘇夢枕(そむちん)を裏切り「金風細雨(きんぷうさいう)楼」を掌握すると、王小石(しょうせき)は対抗組織「象鼻塔(しょうび)」を設立します。最終的に王小石(しょうせき)は「金風細雨(きんぷうさいう)楼」の楼主となりますが、人助けをしたことで朝廷から追われ、都を離れて江湖を流浪することになります。

物語の結末は、王小石(しょうせき)と溫柔(おんじゅう)が世を捨てて二人で生きていく一方、白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)と蘇夢枕(そむちん)は命を落とし、雷純(らいじゅん)は愛する二人の男性を失うという悲劇的なものとなっています。

王小石(しょうせき)と溫柔(おんじゅう)は数々の苦難を乗り越え、ついに結ばれます。盛大な婚礼を挙げますが、原作とは異なり、二人は式後、別々の道を歩むことを選びます。溫柔(おんじゅう)は王小石(しょうせき)の選択を支持し、「金風細雨(きんぷうさいう)楼」に戻り、蘇夢枕(そむちん)と白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)の対立を解消するために尽力します。

白愁飛(はくしゅうひ)(はくしゅうひ)は、江湖の無名の人物から権力者へと上り詰めますが、最終的には権力闘争と内なる矛盾によって破滅へと向かいます。王小石(しょうせき)との最終決戦の末、自ら命を絶ちます。蘇夢枕(そむちん)もまた、自ら死を選び、雷純(らいじゅん)は蘇夢枕(そむちん)の後を追って入水自殺します。

「説英雄誰是英雄」は、単なる武侠小説ではなく、平凡と英雄、理想と現実を描いた物語です。温瑞安は、王小石(しょうせき)をはじめとする登場人物たちの成長を通して、絶望的な状況の中でも輝く英雄精神を描いています。物語後半はややクオリティが下がるとの声もありますが、前半の数部における完成度は非常に高く、登場人物たちの描写や戦闘シーンの描写は圧巻です。

温瑞安の集大成とも言われるこのシリーズは、多少の欠点はあるものの、全体としては一読の価値のある傑作武侠小説と言えるでしょう。